http://www.bk1.jp/product/02527995
ミツゴ評価 ☆☆☆
<書評>何かがおかしい
いや 経営の神様に噛み付くようで申し訳ない
でも 何か違和感があるんだよね、何でだろう
と 思ったらなんとなくわかった
この本はQ&A方式なんだが、大きくページを割いているモノに「従業員との付き合い方」という部分がある
例えば、「経営が芳しくなければ給料はどう下げるべきか」「残業の是非」「リストラの是非」等
つまり「どう従業員に負担を行かせるか」に偏りがちなんだ
いや 会社が芳しくない時は リストラや賃下げは仕方ないよ、会社が無くなれば元も子もない
例えば、会社が芳しくない時は 業績給(利益に比例した賃金、利益が低下すれば当然落ちる)より 賃金一律カットの方がのぞましいとある
業績給ならどうしても うまくいく人 いかない人との間にシコリを残すからだ
だが 逆に会社の利益が回復したら、についてはどうするかは書いてはいない
「立ち直るまで我慢してくれ」従業員に危機感と犠牲を抱かせるというなら「立ち直ったらどうするか」についても きちんと説明すべきだと思う
甘い事を言っているのではない、出口戦略、モチベーションについて聞いているんだ
具体的には 賃金や雇用をそのままにして内部留保を蓄積するべきか、賃金を一律に引き上げるべきか、あるいは業績貢献を果たした人間に賞与を増やすべきか
これによって会社の戦略は変わってくる
特に 内部留保の蓄積
おそらく 従業員にとっては面白くはないだろう
ならば かつての京セラのようにストックオプションを認めるべきか、否か。
と描ける
前半は面白いだけにザンネン!
ここからは私の余談
稲盛氏は論語についても一言あるそうで
こんな話もある
孔子の弟子(たぶん子路)が小さな町の長をしていた
町では人民に教育を施していた
孔子は聞いた「こんな町にわざわざ教育を施すなんて、鶏を裂くのに牛刀を使うようなもの(田舎には大層な教育はムダ)」と
弟子は答えた「教育は立派な人物ならより立派に、バカはバカなりに扱いやすくなります」と
孔子は黙り込んだ
この話からもわかるように 孔子の論理とは本来「支配するもの」「されるもの」の序列を前提としている
これは稲盛氏の掲げる「大家族経営」、経営者も従業員の垣根のない経営、とはそぐわないと思うんだが
いや、日本的経営はしばしば 会社=家族 とおき 社長も従業員も 家族の一員=個性の剥奪 という側面があるとされる
それはそれでいいのかも知れない
だが 家族が発展した場合、どうするか については解答が曖昧だ
日本的経営では従業員への還元がよく言われる
みんなで稼いでみんなで分かち合う、なんてスタイルだ
分かち方についての記載が弱いのはザンネン!というのが私の感想
もっといえば「給料をあげずにモチベーションの維持」についての是非、可否やね