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ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆
<書評>訴訟社会=リスク社会=保険社会
圧倒的に面白い、とっくに絶版だろうが まんだらけ廻りをしてでも読む価値アリ
アメリカは高い!
医療費は高い、盲腸1つで200万円なんてザラだ
経営者の給料も高い、それこそ従業員の40倍とか当たり前だ
では何故?と思う
答えは彼等がリスク社会に身を置いているからだ
医療はミスをすれば患者に障害、下手すれば死ぬ
経営もミスをすれば 株価が下落 投資家が大損をする
当然裁判となるし 負ければ 賠償金が何百億円、の世界だ
ならばどうする?1つは保険、もう1つは専門家(リスクマネージャー)を雇って協議、という形になる
保険、の話を少々
医者は医療過誤保険、つまり医療ミスの賠償用の保険に入っている
「医療ミス前提かよ!」と思われるかもしれない、だがミスは「絶対に」なくならない「絶対に」だ
ならば備えるのは当然だろ?となる
ただこの保険料は高い、なんせ支払い金額がデカいから仕方ないといえばそうだ
だから 治療費に上乗せされ、結果治療費の高騰→低所得者が医療サービスを受けられない、となる
面白いのは経営者、経営者は株主のモノである会社を適切に運営して、利益を上げ 安定した配当支払と企業価値の向上(≒時価総額上昇)の義務がある
仮に義務が果たされない場合は当然裁判だし 負ければ莫大な賠償金が待っている
ならば ソレへの保険はあるか?といわれればある
実は日本でも例えば東京海上日動がやっているhttp://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/baiseki/yakuin/index.html
だが待てよ?となる
保険料はやっぱり高い、支払保険料が増えると当然利益は減り 配当は減り 株価も下がる
ならば、株主は訴訟を控える代わりに 保険料を配当に廻した方が良くないか?と
ソレを提案するのが リスクマネージャー、我等が主人公時田強士(ゴーシ)だ
彼は賢く 攻撃的で 聡明で 根明で行動的で モテる、だけど何処かビンボ臭いキャラクターだ
神の偉大さが 滅ぼされるべき悪魔の強大さに比例するように 本書の魅力とは持ち込まれるリスクの数々だろう
本書は15年近く前の本だが 今読んでも扱われる話題は古さを感じるどころか今なお新鮮である
個人的にプッシュしたいのは3巻と6巻だ
6巻の話題のダンピングについて簡単に触れたい
工業製品は沢山作れば原価は下がる、つまり安く販売しても利益を確保できる、コレは当たり前だ
ならば 最初に製品を大量生産、赤字覚悟でアメリカに輸出、原価が下がって来た所で国内販売したらどうだろうか?
米国民は安い製品をゲットし 企業も国内で利益を回収できる
泣くのは 米国でのライバル企業だ
本書はソレをテーマにしている、明らかに不公平なビジネスを行う企業をどうカバーするのか?と
実はコレは今のサムスンあたりがやっているのと同じなんだ
だから サムスンは事業ポートフォリオでみた場合 国内の営業利益率が凄まじい事になっている
わかりやすい「韓国市場が閉鎖的」とか「ウォン安だから」とかとはちと違う所に注意
おそらくコレからバシバシ、クローズアップされてゆく事だろう、そんな訳もあり本書は今なお新鮮さを放ち続けている




