超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-03357195.JPG

http://www.bk1.jp/product/03357195

ミツゴ評価 ☆☆☆+☆×0.5(☆×3.5コ)

<書評>欲望の歴史
基本、全体的に軽目な印章
さて 金(ゴールド)である
金は何故価値があるのか?

それは持ち運びや保管に便利で 交易に便利だからである
小さなカケラ1つあれば 何でも手に入る、故に人々は金を手に入れる事に熱狂した

金は欲望を叶える事に使われる
当たり前かつ皮肉な話だが 国家が繁栄し、贅沢品の消費が増える程 金が流出し、悪性インフレに陥りやすくなる
インフレは通貨の価値を落とすため、通貨をつかう取引が減少する、パンが欲しければ自分で作れ!という訳だ
つまり、都市(中央)→農村(地方)へ経済の比重がうつり 最終的には中央政府の崩壊に繋がる

ローマや漢は故に滅んだ
当時の南インドからは多額のローマ金貨が流入していた、コレはローマが慢性的な金流出に悩まされた証でもあると同時に豊富な産品を抱えたアジア世界がヨーロッパを圧倒していた裏返しでもある

さて ヨーロッパでは金がない
だが中世社会が安定し、発展すれば当然 取引目的等で貴金属需要が増える
需要が増えれば 価格が上がり、金を獲得する情熱も高まる
これが後にヨーロッパ人のアメリカ大陸への進出につながる
口火をきったのはスペインだ
スペインは主に南アメリカを制圧し当地より莫大な金銀を持ち出した

だが、その後は?
スペインは全部使ってしまったんだ
1つには戦争
当時スペインとドイツ(神聖ローマ帝国)は同君連合(王様が同じ)であった
さらにヨーロッパにも世界各地にも莫大な領土を持っていた
領土があれば 防衛したりしなければいけないし 利害関係も生まれる
結果戦争が増える

また、ブラジルを征服したポルドガルを見てみる
当時ポルトガルはイギリスと自由貿易をしていた
リカードが比較優位の説明で使った「イギリスの織物とポルトガルの葡萄酒」のアレだ
だがリカードは肝心な点をぼかしていた
ポルトガル側が慢性的な貿易赤字を抱えていた事だ
1701~50年までのポルトガルの対英輸出は320.9万ポンド、一方輸入は873.7万ポンド つまり550万ポンドの赤字だ
この赤字の埋め合わせをしたのがブラジルの金やね

では その金を手にしたイギリスはどうしたか?
その金をインドや中国との取引に使った
意外かもしれないが 19世紀になるまでイギリスの対アジア取引は赤字続きで、逆に清朝等は莫大な黒字を背景に経済成長をしている

やがてイギリスで産業革命が起き、お金の流れは逆転するのだが

ここで私見を1つ
鉱山による富は中々定着しない
「悪銭身につかず」というが ローマからスペイン ポルトガル等 様々な国が失敗している

私が思うに 大量の金が流れるとインフレになる
つまりモノの値段が上がる訳だ
それは インフレにならない国の商品と比較すれば 当然価格が高くなるので、価格競争力の低下と貿易赤字を招きやすくなる
また 金鉱山へ投資が増えれば他産業への投資がへり、競争力低下に繋がる訳だ
コレは今日においてもまた有効な話だ
極端な話 日本の貿易黒字の背景にはデフレにより 日本製品の生産コストが下がった事が大きい
仮にインフレになり、かつ円高基調が維持されれば 日本の貿易黒字は減少するだろう

さて まとめだが 我々は様々な背景により黄金に見せられた
今日ですら 金価格は上昇している

人類の精神の奥底に金への渇望が刷り込まれているのかも知れない
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-02609777.JPG


http://www.bk1.jp/product/02609777

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>評価の難しさ

経済畑の人間には浜口雄幸&井上準之助ペアの評価は最低に悪い
何故なら 「不景気に突入する」タイミングで 通貨の切上げ+緊縮財政政策を採用したモノだから 輸出産業壊滅+超不景気となってしまったからだ
しかもカルテルなんか推進した為、農民から見て不景気で農作物価格が暴落したのに 肥料その他の価格は変わらない、結果農家の可処分所得は激減し まぁ娘売りとかが多発した訳だ
名書「じゃがいもの世界史」には当時の農家が満州に派遣された兵隊の息子に宛てた手紙がある
「死ね、生きて帰ってくる事は許さない、お前が死んで国から支給される一時金がどうしても必要なんだ」という内容だ
共産革命の下地が貧困にあるとすれば、日本はまさに共産革命5秒前だった訳だ

閑話休題、故に高橋是清の政策が光る訳だが、ここでは浜口&井上ペアについて触れてみたい

1920年代、日本経済はいくつかの難問を抱えていた
まずは第一次大戦後の輸出不況、そして関東大震災
さらにはインフレの問題、当時は金本位制であり 金の保有量と紙幣発行量はリンクする
日本は第一次大戦で大量の金を貿易黒字として獲得した為、金保有増大→紙幣発行量増大→インフレ となっていた
また 日露戦争でこさえた莫大な外債、これのロール(借換)が迫っていた

さらに言えば 日本は金輸出を禁止していたが、これが貿易と産業に悪影響を与えていた
若干解説が必要やね
金保有制下では貿易の差額を金のやりとり(金輸出)で処理する
コレは貿易赤字国は金輸出が増え、国内の金と通貨流通量が減少し、デフレと国際競争力回復を狙ったシステムでもある
だが 第一次大戦による欧州各国の対外赤字の増大が金輸出をストップし、国際的に金輸出が流行らなくなった
コレを再開しよう、という話だ
国際貿易の差額を金という極めて信用性の高い資産で調整するこの仕組みは、金の信用を通貨の信用に跳ね返らせるシステムだ
つまり金輸出解禁は通貨の変動幅を小さくし 為替リスク軽減による貿易の拡大を狙ったモノだ
金輸出解禁は国際的な要求であったから 外債借換等でも有利なカードとして使える一面もあった

だが問題もある
当時の為替レートは 1ドル=金1.5g=2円 という相場だ
だが、日本国内のインフレで例えば今まで10円で作れた商品が20円かかる様になっていた
為替レートを踏まえると 5ドル→10ドルとなり 価格競争力を失う形となる

ここで2つの選択肢がある
1)例えば 1ドル=金1.5g=2.2円 見たいに円を切り下げて金輸出解禁を諮る
2)物価を引き下げる事で、例えば2.2円の商品を2円で作れるようにして輸出競争力増大を諮る

浜口&井上ペアは2)を選択した、つまりはデフレ政策だ

例えば公務員&軍人の給料の1割カット、冗費削減、軍縮等だ
民間にも給料の削減を要請していたりする
当然反発は起きる
当時の日本はテロの時代でもあった
治安は悪いし 暗殺等も珍しくはなかった
ここで アチコチからの批判とそれに耐え得る浜口&井上ペアが本書の小説としての見物だったりする
余談だが 小泉元総理と浜口雄幸は似ている、といわれるのは 良く言えばリーダーシップ 悪く言えば他人の言い分を聞かない性格が反映されている

まぁ 浜口&井上ペアの政策は 「金輸出解禁による、外債の借換と貿易の振興、通貨高対策としてデフレ推進」という事やね

だが 裏目に出た、世界恐慌だ
各国は金輸出を取りやめ、結果金価格は高騰、日本円も高騰した
当然 円高(と輸出先の経済不振)で輸出産業は壊滅した
内需もデフレ政策で壊滅していた
また財閥等はこの機会に、今でいうFXに首を突っ込み まぁ荒稼ぎしたわけだ
コレが後の財界不信と軍部台頭に繋がる
まぁ タイミングが悪かった訳だ

なら すぐに政策を転換すればいいとは思うが、しなかった
「いまこそ団結して~」という事でより一層財政の圧縮を推し進めたわけだ
ぶっちゃけ 当時の浜口首相はかなり硬直化していたとおもう
後に彼はテロリストの凶弾に倒れる

私は何時も思うのは、貴方があの時代にアノ場所にいたら デフレ政策と金輸出解禁を避けられたのだろうか?
自分達と異なる考えの人間は全て愚かなのだろうか?(○○の廻しモノ等と下品な発言は論外だが)

色々と考えさせられた
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-02508882.JPG

http://www.bk1.jp/product/02508882

ミツゴ評価 ☆☆

<書評>何が面白いの?

早い話 性教育にアテられた 小学生が妊娠 出産する話
何が面白いのがよくわからない
通常は こういう本は親や社会との葛藤を描くものだ

だがそれは 全3巻の3巻後半のみ
それまでは気付かない、なんじゃそりゃ?

逆にいえば 大人が小学生高学年以上の子供に生殖能力がある事をガン無視している事の表れでもあるんだが

いや 子供が子供を産むのは まず母体にかなりのリスクがある
また経済的にもかなり大変なはずだ、特にシングルマザーなら

が、母親「痩せて、モデルやってまーす」ってなんじゃそりゃ?あまりにも非現実的だ
超高金利書評子、三つ子のキャットシットワンのブログ-03318513.JPG

http://www.bk1.jp/product/3318513

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>ワインの曲がり角

今、フランスワインが曲がり角だ
理由は「新世界ワイン」と呼ばれる、アメリカやオーストラリア、チリワインの台頭である
伝統的なフランスワインに対して、新技術や大規模投資の可能な新世界ワインは、みるみる品質を向上させ フランスワインの牙城に切り崩しに入っている
これを見ると、製造業でも「それなりにいいもの」を作る新興国に 先進国が押されている事と重なってしまう
私が本書をとったのは、その点に興味があった からだ

正直 2520円あれば、ハーフボトルならドイツワインのアウスレーゼ買えるな、とか思ってしまった(笑)

さて本題
モノ作りではしばしば「何処で作ったか」「何で作ったか」「誰が作ったか」が焦点となる
例えば「Made in japan」や「インテルのCPU使ってます」等やね

ワインの世界でも「何処で作ったか(テロワール主義)」と「何で作ったか(セパージュ主義)」に別れる
「何で作った」というのは ブドウの品種とそれに関連した技術導入を指す

コレは、ブランド米である魚沼産コシヒカリ(土地)と山田錦(品種)という関係に近い

結論を書けば テロワール主義はフランス、イタリア、ドイツ等 昔ながらのワイン生産国に セパージュ主義はアメリカやオーストラリア等新世界に多くなる

フランスワインを買うときは まずボルドーやブルゴーニュという括りで見るし、高級なワインなら地域名、村名、畑名と土地をより細かに見てみるようになる(例えばシャルルマーニュやロマネコンティも畑の名前だ)
コレはワインは土壌と天候が作るという思想がある、伝統を守れば人間の浅知恵なぞ対した問題ではない、というスタイルだ
対してアメリカ、例えばカリフォルニアワインなら使ったブドウの品種と作り手に注目する
例えばシャルドネ(ブドウの品種)等だ

では何故 セパージュ主義を採用する新興国が伸びたのか?
ワイン作りに適した土地は有限である、例えばいくらボルドーやブルゴーニュの土地がワイン作りに向いているからと言って、いきなり参入できるか?といえば無理だ
良質な土地ほど既に誰かが押さえているからだ

セパージュ主義の強味は、「土地に縛られない」事だ
コレは土地を軽視するという意味ではなく、土地に合わせたブドウの品種や技術を採用できる事である
それなりの土地さえあれば どれだけでもワインが作れる、だから ワイナリーは企業化し 株式を発行し 集めた資金で大規模な設備投資が出来る訳だ

ここで、カリフォルニアのロバート・モランヴィ社を見てみよう
ここはロートシルト(ロスチャイルド)男爵と組み かの有名なオーパス・ワンを作っている会社だ
この会社は93年に株式上場を果たす
当時はアメリカでワインブームが起きていた為、設備投資が必要な事や競争が激化しており対策が必要な事、またフィロキセラ(ブドウの病気)により ワイナリー立て直しに資金が必要な事があった
結果は成功、拡大するワイン市場に乗り急成長を果たす
だが2000年代より、911による贅沢品自粛ムードや流通の激変により売上は低迷
コレは仕方のない話だが、ここでまぁお決まりの派閥争い というか跡目争いが起き、経営は混乱する

建て直しの為 熟成に使う樽をステンレスにしたり 洗浄を減らしたりとケチくさい経費削減をしたら ワインの品質にダイレクトに響いた
おまけに当社が得意とした比較的安価なワインにおいてライバルが出てきた訳だ

結果として他社に買収されたのだが


結論として書けば、「土地にしがみついた伝統産業」が「最新技術を使える企業」への敗北 とも言えるかもしれない