どんちゃんとアタシの七日間⑥「おまもり」 | 真実(ほんとうのこと)を力強く語ろう

真実(ほんとうのこと)を力強く語ろう

自由に無邪気にのびのびと。
死ぬまで学び続けたい。
モットーは「良い悪いではなく好きか嫌いかで選ぶ」
そんな人生ありのままを綴ります。

2000年2月26日生まれの“どんちゃん”

(ゴールデンレトリバー ♂享年15歳3ヶ月)

2000年 GW、子どものいない我が家にやってきた。

(子どものいない経緯は「復讐」シリーズで書いた通り)

 

子ども?友達?天使?神様?

圧倒的な存在感だった彼(どんちゃん)。

どんちゃんが天国へ旅立つまでの七日間を綴ろうかなと。

読んでもらえると嬉しいな(*´∀`*)

 

 

 

 

2015年6月8日

 

週が明けた。正直、彼がここまで踏ん張ってくれるとは思っていなかった。仕事、どうしよう。ここまで一緒に居て、今さら彼と離れるなんて考えられない。ええい、ままよ!思い切って今週いっぱい休むことにしよう。

 

ペットシーツが残り少ないことを夫に告げると「お守りのつもりで」と大量に買って帰ってきた。またペットシーツ買いに行けるはずだ、という想いと、このまま寝たきり状態が続くとなると仕事は辞めなければならないな、という想いが交錯した。

 

気道が塞がり呼吸ができなくなる状態が何度か続いた。夫もアタシも緊張の連続だ。そのたびにアタシは神様に悪態をついた。

「お義父さん、もう、どんちゃんを迎えに来てあげてよ……。神様なんか、当てにならんから……。」

アタシは、今は亡き舅に祈る。存命中、どんちゃんの散歩を請け負ってくれた時期があり、彼も舅には懐いていたから。

 

何度目かの山場を乗り越えたあと、彼の顔が穏やかになる。スポイトで歯の間から水を入れてやると、くちゃくちゃくちゃと舌を動かしてくれた。声をかけると瞬きで答えてくれる。

夫とアタシは緊張の糸が一気に緩んだのか、大声で笑いながら想い出を語り合った。

 

百均で色違いのバンダナを何枚もストックしているが、彼は赤いバンダナが一番似合うとアタシは思う。バンダナを交換するときはいつも、彼に「お手」で選んでもらっていた。アタシは、彼の両手を握り話しかける。

「どんちゃんは何色のバンダナが好きなん?瞬きで教えてな」

彼は、ぎゅーっと力強く瞬きを一つした。

「赤?」「緑?」「迷彩?」反応がない。

「黄色?」

彼の瞬きの強さに、アタシは胸が熱くなった。

「え?黄色が好きなんや。なおと一緒やん」

彼は、何度も何度も瞬きを繰り返す。アタシは自分が黄色のバンダナをしていることに気づく。

「あ、なお、黄色のバンダナしてるし。もしかして、これまいてほしかったりする?」

彼の頬が緩んだ気がした。

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