あの頃は良かった、という風に考えたことがない(まあ、女の子に振られた直後とかは別としてですが)。過去の自分と比べたら今の自分が一番マシだと思うし、人間が基本的に成長し得る生き物である以上、それは至極当たり前のことだと思う。他人の「あの頃は良かった」という話を聞くのは、申し訳ないけれどすごく疲れるし無駄な時間だと感じる。特に、バブルの記憶を未だに引きずっている人というのは意外にたくさんいて、そういう人と話していると、ある意味では今の若い世代の方がまだまっとうな価値観を持っているのではないか、と思ってしまう。
シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]/Happinet(SB)(D)
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ミュージカル映画というとアメリカのイメージが強いけれど、これは生粋のフランス映画。名作曲家ミシェル・ルグランが全編に音楽をつけており、すべてのセリフはシャンソン風の歌によって語られる。しんどい人にはしんどいだろうが、フランス風の音楽が好きな人なら至福の90分が味わえる。映像も、いかにもフランス的で色彩にあふれ、オシャレそのもの。冒頭の、往来をゆきかう色とりどりの雨傘を真上から撮り下ろしたカットからして目を奪われる。ストーリーは、まあ、よくある悲しいラブストーリーという感じで、奇想天外な展開などは期待しないほうがいいかも。映画を、映像と音響の美しさで評価する人向けの作品だろう。
ハイドン・エディション:ハイドン作品集(150枚組)/Brilliant Classics

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ハイドンは凡庸だという人がいるが、それは間違っている。弟子に恵まれすぎただけのことなのだ。モーツァルトとベートーベンを教え子に持ち、なお彼らに見劣りしない師匠がいるとしたら、J・Sバッハぐらいのものだろう。確かにハイドンの音楽には深刻さや危険さがない。でも、ただただ知的で、透明で、美しい音楽だって世の中にはあっていい。歳をとると、その必要性が身に染みてわかってくる。