闘争・オブ・ザ・リング

　予定がありすぎて、あ〜〜！！ってなりながらもなんとか詰め込んだ舞台だったので気がつけば千穐楽回でした！！

　千穐楽って土日とかのコトが多いので、平日マチネが一番観やすい私はあまり千穐楽というのを観たコトがないのですが、今回、千穐楽が『平日』『マチネ』でした（笑）

闘争・オブ・ザ・リング

上野ストアハウス

3月7日（水）〜12日（月）

　脚本・演出

　江戸川　崇

　出演

　佐藤　弘樹 / 山之内洋人

　小日向　茜 / 望月若葉

　水野　奈月 / 吉岡美玲

　大仲　マリ / 海野めだか

　南　　衣舞 / 池田星羅

　今井　玲男 / 天草五郎時政

　大森宏太郎 / 馬原健太

　ぴんきゅ　 / 林幸子

　さいとうよしえ / 山之内朝子

　星村　　優 / 新橋保

　前田　真弥 / シンプソン

　堀　　友美 / アマンダ

　西山　駿太 / 杉原忠太

　大橋タクヤ / 石松十三

　天　　　音 / チビ

　久高　将史 / 池田鉄

　わたなべみつお / 山之内創玄・指輪の精霊

　きのこさん（回替わり出演）

　角田晃一

　大金純典

　峰之

　平八重優樹

　※敬称略・パンフレット掲載順

　佐藤弘樹さんが出演されるというコトで拝見した舞台。

　前回の出演作品であるハンドシェイカーから一転、前編全力でコメディでした。

　但し、殺陣はハンドシェイカーと同じくらい接近戦で凄い、弘樹さんのアクション殺陣が本当に綺麗で凄い！！

　もう作品全編のDVD化は良いから、皆様の舞台中の殺陣部分ダイジェストDVD出ないですかね？って考えましたが、うん、大人の事情がな！ってなりました。

　とにかく弘樹さんの殺陣は綺麗のですよ、動きが！！

　ハンドシェイカーでの和装での殺陣もお素敵でしたが、今回マント？ローブ？を着用なので翻る裾がもうかっこいいし、ジェダイだった……フォース持ってるよ洋人。

　獲物持ちの殺陣も拝見したいなとは思いますが本当にアクション殺陣が弘樹さんは綺麗です。

　ジャンプした時の姿勢が綺麗ですし、ポーズの一つ一つが綺麗にピシリと決まるのですよね〜

　うっとりものですよ、本当に

　そんな殺陣もお素敵なこの舞台タイトルからもお分かりの通り、ロード・オブ・ザ・リングのパロディでそのほか諸々のパロディで、最終的に大人の事情でDVD化されないそうです。

ですよね！無理でしょうね！大人の事情で！！

（めっちゃ色々察した）

　それはともかく、山之内家に伝わる試練の指輪を洋人が手にして、試練を乗り越えるために旅立ち、戻ったところから物語は始まります。

　その指輪を持つものはもってもてになる指輪、もってもて！引く手数多で◯っぱいが◯っぱいなのだそうです。

　ただし、その指輪を持ち、もってもてになってもその誘惑に負けずにたった1人の女性を選んで他の女の誘惑に打ち勝たなければなりません。

　指輪をたった1人の愛する女性の指にはめるコトが出来なければ洋人は試練達成とはならずに山之内家の財産を手にするコトは出来ないというコトで、祖父の遺言通りに3年後の祖父の命日にたった1人の女性を連れて帰るための旅に出ます。

　ちなみにお父さんは試練に打ち勝てず、あっちゃこっちゃに色々あれでそれだったそうな。

　なので姉である朝子とは異母姉弟ぽいですが、2人とも山之内を名乗っているし逆にお父さん甲斐性があったのではないのかと思ってみたり。

　他にも隠し子がいるとしてお祖父さん把握していたみたいだし、2人も姉弟仲良さそうだし、甲斐性やっぱりあったんじゃ……みたいな。

　ともかく三年後の祖父の命日に見届け人である姉の朝子の前でプロポーズからの指輪を彼女に受け取ってもらえれば良いわけで、朝子は無事に試練を終えて戻って来るらしい洋人を待って朝からうきうき。

　そんな朝子お姉ちゃんが可愛いんだ、ふんわりした雰囲気で天然ぽくて、悪気なくトドメ刺してくる系ですが、可愛いんだ。

　朝子に惚れているらしい鉄は良い趣味だと思う、でも指輪持ってもあれだったから……。

　ところが、彼女が先に朝子のいるホテル（山之内の所有でありゆくゆくは洋人のもの）に着いていないか？という電話を受けたおかげで一転、朝子はとても心配し始めます。

　実は洋人の方で彼女と問題が発生。

　洋人が見初めた女性、若葉は洋人が女性といちゃいちゃ（若葉視点）している姿を目撃してしまい、ショックを受けて行方をくらませているのですが、若葉ちゃん小さい！可愛い！

　片膝立ちの弘樹さんというか洋人がそこまで見上げることにならない身長に洋人がプレゼントした真っ赤な頭巾（洋人のセンスは大丈夫なの？）で、某森に住むおばあさんのお見舞いに行く赤マント（それ学校の怪談）のような出で立ち。

　友達であるチビ（猫）と一緒に洋人の元から逃げ出した若葉とそんな彼女に一目惚れしちゃう泥棒まで現れてみんなホテルに集結。

　しかもホテルはホテルでなぜか『ヘルニア国物語』の中に出てくる宿屋のような様相に。

　ていうかヘルニア国、聞いただけで腰が痛くなります。

　あと物語に出て来るらしい伝説の石板の名前が「椎間板」は本当に狡い、今度から椎間板とかヘルニアって聞いたら心配の前に笑いそうで怖い（笑）

　ヘルニア国物語の大ファン（ヘルニアンというらしい）であるホテル従業員の健太がホテルに呼んだアマンダとシンプソン（登場人物の名前であり、健太が呼んだ2人のハンドルネーム）というヘルニア国ファンで有名コスプレイヤー（そしてヘルニア国関連のインフルエンサー）である2人を喜ばせるための内装なのです。

　そんな微妙な内装のホテルに洋人を手に入れようとやってきたのが2人の女性、めだかと美玲2人とも洋人がバイトしていた先で知り合い、洋人に惚れた模様です。

　そうして2人とも洋人に振られたあとも諦められずにホテルにまで追いかけてきたわけですが、そのホテルには従業員である鉄の妹で洋人と結ばれるコトを夢見過ぎている星羅が虎視眈々と洋人を狙って手ぐすね引きまくっていてなかなかに不穏。

　女優である美玲の仕事の相手、魔女vsエクソシストの収録でホテルを訪れていた本物（多分）のエクソシスト天草は着く早々から二刀流の剣を（人間に）振り回して、大騒ぎ。

　洋人の指輪の気配には全く気がつかなかった模様です、でも多分本物のエクソシスト。

　ヘルニア国物語のコスプレをホテル従業員もしてみた結果、剣士にエルフにホビットにワーウルフ、ケンタウロスまで揃うホテル。

　いっそ泊まりたい、このホテル、リバーサイドホテルより泊まりたい（真顔）

　とにかく登場人物が色々濃すぎ、そして舞台上での人の出入りが激しい。

　洋人が無事に試練を終えて若葉にプロポーズ出来るように応援するホテルの人たち。

　洋人が無事に試練を終えて恋人にプロポーズ出来るように応援するのに相手を勘違いの朝子。

　洋人がプロポーズする前に指輪を奪おうとするめだかとそれを手伝うシンプソンと新橋。

　洋人がプロポーズする前に指輪を奪おうとする美玲とそれを手伝う杉原。

　洋人がプロポーズする前にもとい、兄である鉄を殺そうとする星羅とそれを手伝うアマンダ。

　洋人と別れさせてあわよくば自分が若葉の恋人にと狙う 酢飯 石松。

　洋人と若葉の結婚を真面目に応援する謎の少女（ただし耳付き）

　洋人と特に何もないはずなのに混乱のただ中にだいたい居るし原因な天草。

　洋人の欲望を呼び覚まし混乱を招き試練を失敗させようとする モモタロス 指輪の精霊。

　各々の思惑が入り乱れて大混乱状態で入り乱れて舞台上で闘います。

　うん、闘争。

　狭い舞台での殺陣自体はいくつかの舞台でも見てますが、何が怖いって２刀流の天草、２本を交差させて十字架に構えるのは良いけれどもそこからそれぞれ振り回すの怖い怖い。

　そしてネタ！！本当にネタ！！そして膝に負担が来て危険な、だからネタ！！

　こういうコメディでありがちな肝心な時に肝心な人がいない為に生まれる誤解と勘違いが立て板に水的というか立て板に超ナイアガラ。

　周りが濃いのでその中心、狙われているし愛を取り戻さないとダメだし、なんかこう主人公として指輪を火山に（違う）、とにかく中心になるはずの洋人が普通の人で凄い。

　ざ！草食系男子、みたいな洋人に集まるピラニア女子。

　星羅に至ってはアマンダの勘違いからエルフのコスプレ（これがめっちゃ似合って可愛い）しているのに、腰にさしてあるのが包丁、まごうことなき包丁、短刀とかじゃなく、包丁。

　幼馴染の洋人に50回告白して50回振られたものの、振る時に辛そうだった！なんとも思わない相手なら辛くない、つまり！彼も気づいていないだけで実は私を好きなはず！という斜め下方向にカッ飛んだ思考の元、50回も断っていたら辛くもなる、洋人はお前のことなんてなんとも思っていないよという鉄の言葉に「いつも私の邪魔をするのね！」と兄の殺害を決意。

　洋人と結婚する、の前に「兄を殺して」という枕詞がつきます、うーん物騒。

　そんな兄鉄は妹から隠れるために仮面を付けて『鉄』仮面の人、になるわけですが、妹が星羅なのでね、そうなんですけどね？

　仮面を付けた顔を上げた瞬間にねミリアルド・ピースクラフト！ってなったし、それ本名やってセルフツッコミしちゃったぐらい『ゼクス・マーキス』仮面だった。

　姿を表した指輪の精のお陰でみんな欲望むき出しっていう混乱甚だしい、見ているだけなのに息が切れそうになる舞台。

　そして、笑いすぎて息が切れて疲れる舞台（笑）

　とにかく女性陣はみんな洋人を我が物にしようと必死。

　趣向を凝らした（？）作戦で洋人をものにしようとします。

　個人的にはめだかの既成事実を作るための流れ星作戦好きです。

　宿、ちがうホテルの中なのに流れ星とか言っちゃうのもあれだし、その流れ星が猫じゃらしなのもあれでそれ、そして全部に冷静に突っ込む洋人が良い味です。

　お星様のお導きではなく、腕力で結ばれようと力づくのめだかが　つ　よ　い

　なんとか若菜の誤解を解きたい洋人、なのにタイミングが悪すぎて誤解が誤解を生みまくる展開の中、若菜と洋人に仲直りして貰い、プロポーズを成功させようとチビが女の子の姿になって洋人に加勢。

　洋人の心強い味方ですが猫じゃらしとか、ふわふわふらふらしたものに弱い（笑）可愛い。

　チビの助力もあって上手くことが運びそうに。

　ところが姿を現した指輪の精のおかげでさらなる混沌と混乱が生まれた上に、欲望を煽られて鉄までが何やら不穏。

　いつの間にか星羅を人質（笑）にアマンダと天草を味方につけてた！

　兄を殺す気満々の妹を人質にアマンダを、えーと、あれ？普通は妹が人質なら脅すのは兄ではとかそういう細かいところを気にする暇もなく怒涛の展開。

　白馬（イメージです）に乗って登場する王子様洋人vs足なんてただの飾りですよ！！なモビルスーツ（イメージです）で対抗の石松。

　私の脳内BGM『哀・戦士』です。

　そんな洋人と石松の若葉を巡る戦いと、洋人を巡る女達の戦い、の、間に挟まれる純愛？

　アマンダさんが可愛くてキュンとした

　ヘルニア国物語の女剣士アマンダのコスプレイヤーにして星羅の話を鵜呑みにして協力しちゃう姉御。

　そして恋愛方向がロマンティストというか乙女。

　アマンダに成り切る為に剣まで練習したという強者であり天草と対等に戦えるの凄い、というか冷静に考えて天草（職業）vsアマンダ（趣味）、天草それで大丈夫？

　いや天草（エクソシストのプロ）vsアマンダ（コスプレのプロ）ならプロvsプロだから互角で良いのか！？と謎な思考に陥ります。

　天草とアマンダはこれ俗にいう「吊り橋効果」？とか思ったとか内緒、きっと純愛。

　めだかに付いている新橋くんも実はめだかさんに憧れているのですが、めだかが洋人と結婚する為に必死な姿に協力を申し出る、ペンは剣よりも強し！

　そういう意味じゃない！！スペシャルに違う！！

　ですが、めだかを助ける為に、守る為にと奮闘します。

　めだかさん彼良いよ？ちょっと頼りないけど脈のない洋人より断然良いから気づいてあげてと舞台を見ながらめっちゃ応援した。

　美玲を姉御として慕うドMな杉原もバカだけど、バカだけどいい奴です、バカだけど。

　ビンタされる度に「ありがとうございまーす」とかいうけどいい奴、バカだけど。

　そして嫌いじゃないんだ私こういうタイプが（笑）

　美玲も女王様気質だけど洋人に本当に一途に惚れ込んでいるんだよね、監禁したりスタンガン使うほどに！ってそれ犯罪（笑）

　そんなコトされても無碍にもできない洋人は本当に優しい人なのだと思う。

　「洋人くんいい人だよねー」「いい人、なんだけどねー」ってなるタイプなんだと思います。

　『愛しいしと』ではなく『良いしと』で終わるタイプ。

　若葉と結婚したいのにめだかや美玲は襲って来るし、若葉は毎回タイミングが悪すぎて誤解されるし、洋人は一度お祓いに行くべき。

　いや、天草ではなく、こう、もっとちゃんとした人に（笑）

　この指輪って、欲望を剥き出しにさせる効果もあるのだろうけど、まず惚れさせる、惚れさせてからその人の良さを知って行く効果があるんじゃないかと。

　その過程で指輪関係なくめだかも美玲も洋人に惚れたのではなかろうかと思うの、だからこそ洋人と若菜が無事にくっついた後も、まだワンチャン！となったんじゃないかと思うのですよ。

　洋人のプロポーズに若菜が答えた時点で、指輪の洋人に対する効力は切れていると思うので。

　星羅のは長年の欲望と妄想の賜物でも根本は指輪関係なく洋人が好きだったんじゃないかと思うので、洋人はちゃんと付き合ったり向かい合えば良さがわかる系男子。

　だって洋人って良い人なんだろうけど、何かがずれているからよく知らないと変な人（笑）

　君は僕のマグロ、大トロだよ（物凄いドヤ顔）って感覚が良くわからない（笑）

　歳を経たら油っぽくて最終的に赤身が、もっと行くと淡白であっさりした白身の方がいいとかになるからね？などと思ってみたり。

　でも、指輪の力が無くなっても、洋人が若葉にプロポーズしても諦めないと決意したのはそんなちょっとズレた洋人の人間性とか人柄とかそういう所にちゃんと惚れていたからではないかと思うのですが、如何なものか？

　だって指輪の効力が薄れたら、めだかなんかは新橋くんと言う人が居るわけだし、と思ったけれども肉食女子だから狩りたいのか？

　狩りたいから最初から逃げないのはダメなのか？逃げる獲物を狩る方向か〜。

　美玲と杉原の場合は、杉原はあんまりそういう恋愛方面ではピンと来てない感じもするけど、いい下僕には育ちそう、どMとしていい素質ありますよね彼

　そんなラスト、若葉も洋人を守る為に！というか自分たち2人の結婚生活を守る為に強く闘うことを決意した様子。

　つまり指輪の飾り部分を内側に向けて握りしめ、物理で殴る方向ですね！(๑•̀ㅂ•́)و✧

　若葉ちゃんなら勝つると思うので、頑張って頂きとうございますが、出て来るのは

洋人に幸あれ！

　と、いう言葉だけだったりして

　とにかく小ネタが多くて多くて、全部は拾いきれない、鉄仮面のしとはもう、あれはズルイ！

　出落ち感凄いのにその後も、真面目に（？）ネタを入れ込んでくるから！！

　ラスト、ドアの向こうに引きずられていく鉄仮面と、そのあとに鉄仮面をころころと蹴りながら出て来る星羅ちゃんというホラーに爆笑しました。

　この舞台差し込まれるネタが細かすぎて、細かすぎて、もうどんな台詞聞いてもネタなんじゃないかと思いはじめる始末です（笑）

　そして人生で初めてガンダムをがっつり観ていて本当に良かったと心から思いました

　ヲタクで良かった（笑）

　次回作『逆襲の鉄仮面』が楽しみです（笑）

　本当にあったらいーなー

　おまけ

　終演後にお写真を撮らせていただいた モモタロス 指輪の精さま。

　舞台に出た瞬間頭に浮かんだのが「獣神ライガー」「仮面ライダー響鬼（アームド）」「モモタロス」だったのですが、モモタロスで落ち着きました（なんの話よ）

　渋い！かっこいい！好き！ってなるキャラです、鈴を鳴らすのがカッコ良かった

　たとえ召喚されて出てくる方々があれでも、鈴を鳴らすのはカッコいい！！

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