息子が「ケーキ、ケーキ」と訴えていたのでコージーコーナーで五つ選んで買ってきた。
箱を開けて、「どれにする?」と食べるケーキを決めさせたのだが「どれ?」「どっち?」
と彼に言葉をかける時には未だに多少の緊張感を伴う。
息子の精神状態が不安定だった頃、複数の候補から一つを選ばせる(彼に選択を強要させる)
と、即座にパニックを起こして、叩く、噛みつく、物を壊そうとする、の大騒ぎになったから。
カミさんの物凄い頑張りと必死の努力によって、手を差し伸べてくれる人々も現れて、
怒涛は徐々に穏やかになり、今では稀に大きめの波が現れる程度に治まっている。
しかしドタンバタン、ガチャン、パリン!の状況を経た両親のトラウマはそうそう
簡単に消えることもなく、時に心拍数の増加をもたらすのである。
悲惨な記憶に裏付けられた老夫婦の緊張感だったが・・・今日の選択も問題なく
「フン!」といちごのショートケーキを指さした。
二人して「こんな時って本当に可愛いんだよな〜」とジッと中年男の顔を眺めてしまう。。。