ワールドホビーフェアでは、もちろんポケモンのコーナーも忘れていない。
ポケモンと共に足を運んでいるならなおさらだ。

ポケモンのコーナーがピカチュウのバルーンのもとで飾られているのはお約束だ。
今年度の映画を基本に、色んなコーナーがあった。

今夏、新たに導入されるゲームである『ポケモンガオーレ』。
明らかに『ポケモントレッタ』に代わるゲームのようだ。
バトリオに代わって導入されたトレッタもとうとう潮時というわけか…

『ここでもガオーレの事が放映されてるわ』
メインステージだね。
ここでポケモン関連のステージが開かれるんだよ。
ちなみに、今回はあばれる君がゲストとして出演していた。
映画にとどまらず、今年度のワールドホビーフェアのポケモンコーナーには、さらに大きな情報が公開されていた。

それがこの画面。
そのモニターには、今話題のスマートフォンによる本格的なポケモンゲームの事や、ある事についての情報が放映されていた。
『…? 何なの、この看板…』

フォッコちゃんが見かけた看板。
それは…


そう、これこそが今回のポケモンコーナーの醍醐味情報である。
ついに、XYの後を継ぐポケモンの新たな世代が発表されたのだ。

『この子があたしのポジションに相当する御三家なのね…』
そう。
サン・ムーンの御三家で、炎タイプの『ニャビー』っていうポケモンだよ。
きつねさんの次は、にゃんこというわけなんだね。

ニャビーの身長は、フォッコちゃんと同じ40センチ。
並んでみると、一目瞭然である。

『今年度の映画は、ボルケニオンだけじゃなく、この時まで公開されてなかったマギアナっていうポケモンもいるのね』
ボルケニオンはディアちゃんやフーパくんみたいに既に知られていたけど、マギアナはそれを覆したと言えるよね。
『今年度は、短編はないみたいね』
そのようだね。
少なくとも、テルナさんは出演するよ。
アニメでのあたしはもう進化してるけど、一応あたしそのものである事は確かだからね。
フォッコちゃんは、再びゲームコーナーに戻った。

『あたし達の世代が発表された時もあんな感じで大きく取り上げられていたのかしら?』
少なくともそうだよ。
XY世代は、今までのポケモンを覆す内容だった事と、それに伴ってビッグサイトでもその誼のイベントが開かれたからね。
『あたし達の世代って特別だったのね…』

『ひそかに思ってたんだけど…BW世代があたし達の世代になったのを機に区切りをつけたように、あたし達の世代もその時が来てるって事なのよね…』
…そう。
発売が今年度の晩秋だとわかってから…いや、今秋だとわかってから…XY世代がついに区切りの時を迎えるんだって、ひそかに気づいていたんだ。
まだスピンオフも発表されてないし、リミテッドレジェンドが3人映画に出演しても、その来年度にジェネレーションチェンジがあるケースもあったから、もしかするととは思ってたんだけど…

『…結局、スピンオフさえ発表されないまま、世代交代になっちゃったわけね…』
…そういう事になるね…

『でも、妖怪ウォッチはひそかに1、2年くらいのペースで世代交代してるから、それと比べれば長い方だったんじゃないかなって…』
そう言いながらも、フォッコちゃんは少し寂しそうな顔をしていた。
『結局、今栄えてる存在も次に通じる今だけの事に過ぎないのね…』
君の世代だけじゃないよ。
君の世代になる前も、多くのポケモン世代がかつてあり、そしてそれがひと区切りを迎え、新たな世代が始まり、そしてそれが区切りになり、新たな世代が始まる。
それがポケモンがこの世界に現れてからずっと続いてるんだ。
『あたし達だけじゃなかったのね』
ポケモンはそうして今日まで続き、そしてこれからもそうして新たな世代へと通じていくんだ。
フォッコちゃん、今の環境なら言えるかもしれないから今のうちに言っておきたい事があるんだ。
『?』
私も、XY世代の区切りを機に、ポケモンをひとまず引退しようと思ってるんだ。
『…え!?』
フォッコちゃんは、驚愕した。
『それ…本気なの?』
本気だよ。
『………』
フォッコちゃんは、しばらく無言になっていた。
XY世代を始めてから、私もずっと考えていたんだ。
以前と比べて、私がポケモンをやる目的がほとんどなくなったに等しい中にいる事…
ポケモンへの関心が以前よりまた薄くなっていた事…
それを考えた時に、私は決めたんだ。
ポケモンから一線を退こうってね…
『………』
この決心は、昨夏の時からひそかにしていたんだ。
フーパくんの映画を結局見に行かなかった事と、私がそうしなかった背景を踏まえた時に、私はそれを決心したんだ。
かつてと比べて、ポケモンをやる目的もほとんどなくなって、ゲーム本編もやらなくなったのもその理由の一つだった。
全盛期はポケモンをやり込むほど本格的にやれていたのだが、そのかつてほどポケモンのゲームをする意味をなす事が皆無とも言っていいほど今はすっかりなくなっていた。
XYも、買ったのはいいが、結局途中放棄して、それ以降全く手をつけていない。
思えば、XY世代以前に、ゲームを本格的にやれる意味はひそかになくなっていた。
私が集まりに参加しなくなってから既にそうなっていたのかもしれない。
フーパくんの映画を見に行かなかったのは、引退の発端ではなく、既に確定していた引退をあらためて決めるための事だったのかもしれない。
『…そういう事だったのね…』
そう。
君が新たな世代に出演するポケモンだと気づいてからまたポケモンを続けられるとは思っていたんだけど、結局その他の機会に恵まれなくてね。
だから、私は世代交代を機に、けじめをつけようと思ったんだ。
『………』
フォッコちゃんは、何も言わず、ただ私を見ていた。
それでも、いつもパッチリ開いている目は、いつもよりも悲しそうにしているのはわかった。
でもね、フォッコちゃん。
『…?』
私は、ポケモンとの本格的な関わりを引退する事はするけど、ポケモンから完全に離れるというわけじゃないんだ。
『え?』
私がこうゆう事を築けたのも、ポケモンという存在があったからこそ…
そして、ポケモンから退いた中でも最低限の関心を持っていたからこそ…
だから、私はポケモンとの本格的な関わりからは退くけど、ポケモンの全てを手放す事はしないよ。
君が世代交代と共にポケモンの表舞台から一旦退くのと同じ、『一線からは退くけど、完全に離れはしない』という事さ。
私は、これからもポケモンへの最低限の関心は持つ事にしてる。
引退した後も、ポケモンの動向を見守ったり、気を向けた事に出来る限り関わっていく事はしていくよ。
それに、例え世代が代わっても、フォッコちゃんやXY世代のポケモンはこれからも存在を忘れられず、どこかでまた出演するのを待ってる人は必ずいるよ。
私のようにね。
『…?』
私は、ポケモンを引退しても、フォッコちゃんとの関わりはこれからも続けるよ。
だから、世代が代わってもよろしくね、フォッコちゃん。
『…ええ。』
フォッコちゃんは、小さく微笑み、こくりと頷いた。



フォッコちゃんは、懐かしさと幸せそうな思いを抱きながらXY世代の姿を見つめていた。