今日(平成26年9月11日(木))は、早めに仕事を終わらせて、行きつけの恵比寿の美容院で、「いつもより短めに。」とお願いして、バッサリと髪をカットしてきました
普段は、2ヶ月に1回のペースで美容院に通っていたのですが、忙しい時期は、平日夜も土日も予定が埋まってしまい、ズルズルと3ヶ月ぐらい間が空いてしまうこともあります。
でも、「髪を切りたい」と思ってから、2~3週間経ってしまうと、さすがに伸び過ぎなので、この際、3ヶ月間が空いても平気なくらい、短くしてしまおうと思い、いつもより短くしてみました
実は、今週末、一泊二日で名古屋に旅行に行くのですが、まだまだ暑い日が続くので、暑苦しくないように、さっぱりしたかったというのもあります
名古屋旅行記は、近いうちにアップさせていただきますので、お楽しみに
それはさておき、今日は、前回に引き続き、軽犯罪法のお話をさせていただきます。
◇具体的な禁止行為
前回、街路等での立小便が、軽犯罪法1条26条で禁止されているというお話をさせていただきましたが、その他には、軽犯罪法で、具体的にどのような行為が禁止されているかご存知でしょうか
◆廃屋にたむろする行為
≪軽犯罪法1条1号≫
「人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなく潜んでいた者」
この規定は、廃屋にたむろする行為を禁止したもので、人が住む住居や、看守されている邸宅等に侵入すると、より重い住居侵入罪(刑法130条前段。3年以下の懲役又は10万円以下の罰金)となってしまいます。
◆侵入器具の携帯
≪軽犯罪法1条3号≫
「正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」
この規定は、「隠して携帯」が要件となっているので、隠していないと、罪にはなりません。
しかし、ピッキング用具などの特殊開錠用具になってしまうと、「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」で所持すること自体が禁止されているので、所持していただけで、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
◆水路流通妨害
≪軽犯罪法1条25条≫
「川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者」
この規定は、妨げる行為自体を禁止しているのですが、それによって浸水などの被害が生じると、より重い刑法の出水及び水利に関する罪(現住建造物等浸害罪、水防妨害罪、水利妨害及び出水危険罪など)で処罰されます。
以上のように、軽犯罪法は、刑法等の犯罪に至らない軽微な行為の中で、特に処罰の必要があるものを禁止しているので、程度が重くなると、刑法等の別の罪に該当することになる規定がほとんどであることが特徴の1つといえるかもしれません。
ところで、これまでご紹介した罪は、普段目にすることの少ない罪かもしれませんが、ニュースなどで時々目にする罪としては、以下のようなものもあります。
◆のぞき行為
女性が入浴しているところを覗き見するような「のぞき行為」は、軽犯罪法1条23号に規定されています。
≪軽犯罪法1条23号≫
「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」
以前、ある男性芸能人が、入浴中の男性をのぞき、この罪で逮捕されたことがありますが、同性・異性を問わず、のぞきをすれば、この規定で処罰されます。
ちなみに、刑法では、家の中に侵入しなくても、敷地に侵入すれば、「住居侵入罪」が成立するので、「のぞき行為」で有罪となる場合は、「住居侵入罪」も付いてくる場合が多いかもしれません。
さらに、軽犯罪法には、以下のような少し変わった規定もあります。
◆無職のホームレス
≪軽犯罪法1条4号≫
「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついた者」
もちろん、天涯孤独の身で、突然のリストラに遭ってしまうなどで、やむなく無職のホームレスとなってしまう場合もあるので、それを直ちに罪に問うのは残酷だと思うのですが、軽犯罪法1条4号をよく読むと、「諸方をうろついた」ことが要件となっているので、無職のホームレスでも、諸方をうろつかなければ、軽犯罪法違反にはなりません。
でも、諸方をうろつかずに無職でホームレスをしていたら、結局飢え死にしてしまうので、そのような方は、自立支援センターで、定住先を確保し、職業訓練などを受けることをお勧めします
さらに、このような規定もあります。
◆こじき行為
≪軽犯罪法1条22条≫
「こじきをし、又はこじきをさせた者」
この規定では、こじきをさせた者も罪になります。
ちなみに、15歳未満の児童にこじきをさせたり、児童を利用してこじきをした場合は、より重い児童福祉法違反に問われるので、「こじきをさせた者」が問題となるのは、15歳以上の子供、親などの親族にこじきをさせて、自分もそのおこぼれに預かるような場合に限られるので、実際にこれで逮捕される人は、そんなにいないとは思いますが・・・。
◇濫用禁止規定
以上のように、軽犯罪法は、少し変わった規定も含め、様々な軽微な罪が規定されているのですが、これが、軽微であるために、別件逮捕に利用される危険もあります。
例えば、窃盗の犯人の可能性があるけど、逮捕するに足る証拠が乏しいときに、その犯人の可能性がある人を尾行中、街路で立小便をしているのを目撃し、立小便の罪で逮捕し、窃盗の取調べをするような場合です。
そのような濫用を防ぐため、以下のような規定が設けられています。
≪軽犯罪法4条≫
「この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。」
◇最後に
さて、今回、少し変わった禁止規定を中心に、軽犯罪法のご紹介をさせていただきました。
刑法で禁止される罪は、法律を知らなくても、誰もが悪いことだと理解できるものがほとんどなのですが、軽犯罪法となると、それが罪になることを知らない人も多い規定などもあります。
しかし、道路交通法のような行政法規のように、善悪の判断を抜きにして、社会が円滑にいくように、禁止事項を規定している法律と異なり、軽犯罪法も、刑法の特別法の1つなので、言われてみれば、悪いことだということが処罰の対象となっています。
【法は道徳の最小限】
byゲオルグ・イェリネック(ドイツの公法学者)
このイェリネックの法格言は、法律は、道徳的に悪いとされているものの中で、特に刑罰によって禁止すべき最小限を、規定しているものに過ぎないという考えを示したものですが、逆にいえば、刑罰が軽いから、或いはそもそも罪にならないから、何でもして良いというわけではないので、普段から、自分が人様に迷惑をかけていないかという意識を持ちながら、生活をしたいものです
【賢者は、全ての法が破壊されようとも同じ生き方をせん。】
byアリストパネス(古代アテナイの喜劇作家、風刺作家)
◇次回予告
今週末(平成26年9月13日(土)~14日(日))、一泊二日で、名古屋旅行に行って来ますので、次回は、そのお話をさせていただこうと思います
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m
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普段は、2ヶ月に1回のペースで美容院に通っていたのですが、忙しい時期は、平日夜も土日も予定が埋まってしまい、ズルズルと3ヶ月ぐらい間が空いてしまうこともあります。
でも、「髪を切りたい」と思ってから、2~3週間経ってしまうと、さすがに伸び過ぎなので、この際、3ヶ月間が空いても平気なくらい、短くしてしまおうと思い、いつもより短くしてみました
実は、今週末、一泊二日で名古屋に旅行に行くのですが、まだまだ暑い日が続くので、暑苦しくないように、さっぱりしたかったというのもあります
名古屋旅行記は、近いうちにアップさせていただきますので、お楽しみに
それはさておき、今日は、前回に引き続き、軽犯罪法のお話をさせていただきます。
◇具体的な禁止行為
前回、街路等での立小便が、軽犯罪法1条26条で禁止されているというお話をさせていただきましたが、その他には、軽犯罪法で、具体的にどのような行為が禁止されているかご存知でしょうか
◆廃屋にたむろする行為
≪軽犯罪法1条1号≫
「人が住んでおらず、且つ、看守していない邸宅、建物又は船舶の内に正当な理由がなく潜んでいた者」
この規定は、廃屋にたむろする行為を禁止したもので、人が住む住居や、看守されている邸宅等に侵入すると、より重い住居侵入罪(刑法130条前段。3年以下の懲役又は10万円以下の罰金)となってしまいます。
◆侵入器具の携帯
≪軽犯罪法1条3号≫
「正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」
この規定は、「隠して携帯」が要件となっているので、隠していないと、罪にはなりません。
しかし、ピッキング用具などの特殊開錠用具になってしまうと、「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」で所持すること自体が禁止されているので、所持していただけで、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
◆水路流通妨害
≪軽犯罪法1条25条≫
「川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者」
この規定は、妨げる行為自体を禁止しているのですが、それによって浸水などの被害が生じると、より重い刑法の出水及び水利に関する罪(現住建造物等浸害罪、水防妨害罪、水利妨害及び出水危険罪など)で処罰されます。
以上のように、軽犯罪法は、刑法等の犯罪に至らない軽微な行為の中で、特に処罰の必要があるものを禁止しているので、程度が重くなると、刑法等の別の罪に該当することになる規定がほとんどであることが特徴の1つといえるかもしれません。
ところで、これまでご紹介した罪は、普段目にすることの少ない罪かもしれませんが、ニュースなどで時々目にする罪としては、以下のようなものもあります。
◆のぞき行為
女性が入浴しているところを覗き見するような「のぞき行為」は、軽犯罪法1条23号に規定されています。
≪軽犯罪法1条23号≫
「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」
以前、ある男性芸能人が、入浴中の男性をのぞき、この罪で逮捕されたことがありますが、同性・異性を問わず、のぞきをすれば、この規定で処罰されます。
ちなみに、刑法では、家の中に侵入しなくても、敷地に侵入すれば、「住居侵入罪」が成立するので、「のぞき行為」で有罪となる場合は、「住居侵入罪」も付いてくる場合が多いかもしれません。
さらに、軽犯罪法には、以下のような少し変わった規定もあります。
◆無職のホームレス
≪軽犯罪法1条4号≫
「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついた者」
もちろん、天涯孤独の身で、突然のリストラに遭ってしまうなどで、やむなく無職のホームレスとなってしまう場合もあるので、それを直ちに罪に問うのは残酷だと思うのですが、軽犯罪法1条4号をよく読むと、「諸方をうろついた」ことが要件となっているので、無職のホームレスでも、諸方をうろつかなければ、軽犯罪法違反にはなりません。
でも、諸方をうろつかずに無職でホームレスをしていたら、結局飢え死にしてしまうので、そのような方は、自立支援センターで、定住先を確保し、職業訓練などを受けることをお勧めします
さらに、このような規定もあります。
◆こじき行為
≪軽犯罪法1条22条≫
「こじきをし、又はこじきをさせた者」
この規定では、こじきをさせた者も罪になります。
ちなみに、15歳未満の児童にこじきをさせたり、児童を利用してこじきをした場合は、より重い児童福祉法違反に問われるので、「こじきをさせた者」が問題となるのは、15歳以上の子供、親などの親族にこじきをさせて、自分もそのおこぼれに預かるような場合に限られるので、実際にこれで逮捕される人は、そんなにいないとは思いますが・・・。
◇濫用禁止規定
以上のように、軽犯罪法は、少し変わった規定も含め、様々な軽微な罪が規定されているのですが、これが、軽微であるために、別件逮捕に利用される危険もあります。
例えば、窃盗の犯人の可能性があるけど、逮捕するに足る証拠が乏しいときに、その犯人の可能性がある人を尾行中、街路で立小便をしているのを目撃し、立小便の罪で逮捕し、窃盗の取調べをするような場合です。
そのような濫用を防ぐため、以下のような規定が設けられています。
≪軽犯罪法4条≫
「この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。」
◇最後に
さて、今回、少し変わった禁止規定を中心に、軽犯罪法のご紹介をさせていただきました。
刑法で禁止される罪は、法律を知らなくても、誰もが悪いことだと理解できるものがほとんどなのですが、軽犯罪法となると、それが罪になることを知らない人も多い規定などもあります。
しかし、道路交通法のような行政法規のように、善悪の判断を抜きにして、社会が円滑にいくように、禁止事項を規定している法律と異なり、軽犯罪法も、刑法の特別法の1つなので、言われてみれば、悪いことだということが処罰の対象となっています。
【法は道徳の最小限】
byゲオルグ・イェリネック(ドイツの公法学者)
このイェリネックの法格言は、法律は、道徳的に悪いとされているものの中で、特に刑罰によって禁止すべき最小限を、規定しているものに過ぎないという考えを示したものですが、逆にいえば、刑罰が軽いから、或いはそもそも罪にならないから、何でもして良いというわけではないので、普段から、自分が人様に迷惑をかけていないかという意識を持ちながら、生活をしたいものです
【賢者は、全ての法が破壊されようとも同じ生き方をせん。】
byアリストパネス(古代アテナイの喜劇作家、風刺作家)
◇次回予告
今週末(平成26年9月13日(土)~14日(日))、一泊二日で、名古屋旅行に行って来ますので、次回は、そのお話をさせていただこうと思います
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m
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