今日も、前回に引き続き、サイコパスのお話をさせていただきます。


◇サイコパスに狙われやすい人

 これまで、サイコパスは、病的に
をつき、人を利用できる人か否かで判断し、能力あるサイコパスは、狡く人を操ろうとし、そこまでの能力がないサイコパスは、利用できる人間に寄生して生きるといった特徴を有しているというお話をさせていただきましたが、犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは、『診断名サイコパス』の中で、このようなサイコパスをもって、「社会の捕食者」と表現しています。

 
では、このようなサイコパスに利用されやすい人、狙われやすい人は、どのようなタイプが多いのでしょうか

 まず、「私にも悪いところがあるから、そんな私が、他人を責めるなんて・・・。」という自責意識が強い人や、「私が我慢して、嵐が過ぎ去るのを待てば、全て上手くいくから」と、何でも忍耐することを美徳と考えているような人は、狡く、人を操って利用するタイプのサイコパスに狙われやすいタイプといえます。

 他方、「困っている人を見てると、放っておけない」というような責任感正義感が強い人や、頼まれたら断れない人などは、他人に寄生して生きるタイプのサイコパスに狙われやすいタイプといえます。

 そして、いずれのタイプのサイコパスも、いったん利用できると判断すると、利用価値がなくなるまで利用し尽くします。

 サイコパスは、他人をとしか見ておらず、他者に共感したり同情したりといった感情もないので、被害者がどんなに辛そうにしていても、憐憫の情から容赦をするようなことはありません
 もし、サイコパスの側から関係を絶ってくるといたら、それは、その被害者の利用価値がなくなったと判断しただけのことなのです。


◇二次被害

 ところで、「私にも悪いところがあるから・・・。」という自責感が強い人が要注意なのは、前述のようにサイコパスに狙われやすいだけでなく、サイコパスの被害に遭ったことを自覚した後も、「そうはいっても、自分にも悪いところがあるから、相手を責めるのはちょっと・・・。」、「それなのに、相手が悪いと思ってしまう私がおかしいのでは・・・。」と考え、さらに自分を責め始め、精神的に自分を追い込んでしまうという二次被害にも遭いやすくなります。

 しかし、これでは、サイコパスの思う壺です
 サイコパスは、相手が自責の念に苛まれていることなど何とも思わず、むしろ、哀れなキャラを演じるなり、そういった被害者の自責の念や正義感などを巧妙にくすぐりながら、さらに利用し尽くそうと思うだけだからです。


◇対策序論

 では、どうしたら、このようなサイコパスの被害に遭わないようにすることができるのでしょうか

 前回お話させていただいたように、サイコパスの原因は、前頭葉等の脳の異常・損傷だとされているので、その異常・損傷が治癒しない限り、サイコパスの症状が改善されることはありません
 そうすると、サイコパスに倫理や道徳を説いて、改心させようとすることは、全く無意味です。
 そればかりか、サイコパスの闘争心に無駄に火をつけてしまったり、逆恨みをされてしまうことにもなりねません。

 そう考えると、結局、サイコパスという、通常の人間と全く異なる思考をする人間がこの世に存在するということを、
常に意識しておくことで、サイコパスとなるべく関わらないようにして生きていくことが重要なのです。

 しかしながら、サイコパスは、サイコパスの特徴の中でご説明させていただいたとおり、(1)
口達者で、表面的には魅力的で、しかも、いたって普通の人の顔をして、身近なところに潜んでいることが多いので、見抜くことは、なかなか難しいかもしれません。

 『
沈思黙考Vol.11~サイコパス』の①及び②で挙げた心理テストや診断テストも、絶対的なものではないのはもちろんのことですが、それだけでなく、前述のように、サイコパスは(1)口達者で、表面的には魅力的なので、診断テストに挙げたような特徴を周囲に気づかれないように振舞うことにも長けていたりするからです。

 もっとも、サイコパスの特徴のうち、(5)
良心の呵責後悔罪悪感などが欠如している、(6)感情が浅い、(7)冷淡人に共感しないという項目については、私見ですが、そういう性質を有する人が、良心の呵責や後悔の念、罪悪感に苛まれたり、深い感情や暖かい感情を示し、他者に共感をする演技をすることは、著しく困難だと思っています。

 それは、そのような感情が一切ない人が演技をしてできるような感情ではなく、演技しようとしても、どこかにちぐはぐなところが垣間見れてしまうことが多いからです。 

 そして、仮に上記の(5)~(7)のような特徴を有する人が、サイコパスでなかったとしても、(5)良心の呵責、後悔、罪悪感などが欠如している人は、
平気で裏切ったり他者を貶めたり、果ては犯罪に手を染めてしまうことも少なからずあるので、そのような因子があると察知したら、そのような人から上手に距離を置き、フェイドアウトしていくべきだと私は考えます。

 
しかし、そのように注意をしていても、結果的にサイコパスと関わってしまった場合、どうしたら良いのでしょうか


◇次回予告

 次回は、サイコパスと関わってしまった場合の対策からお話を進めていきたいと思います


 本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(__)m 
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