東京都の小池知事が、関東大震災での朝鮮人被害者の追悼式に対する追悼文を送らないらしい。これまで石原都知事も含めて歴代の知事が送ってきたのに、今回は朝鮮人被害者だけを特別扱いするのでなく他の被災者などと同じ扱いにするということが理由らしい。
しかし、関東大震災の時にはどさくさに紛れて、罪もない朝鮮人たちが井戸に毒を入れているとか、朝鮮人が放火をしているといういうあらぬ疑いをかけられたり、単に朝鮮人だからということからも虐殺されたりした人たちがいたことは歴史の事実。現に、当時の日本共産青年同盟(現在の日本民主青年同盟の前身)初代委員長の川合義虎も虐殺されています。川合は、震災で家の下敷きになった幼子三人を助け出し、食べ物などを与えて保護していたところ、翌日特高警察に検挙され虐殺されています。朝鮮人も日本共産党も、時の政権が戦争を進めるために意図的に国民の敵を作り弾圧していきましたが、今回の小池知事のやり方もそうした考え方が根っこにあるような気がします。
そして、小池知事の政治手法が小泉純一郎元首相によく似ている点も指摘しておかなければいけません。
小泉元首相は、自民党をぶっ壊してでも郵政改革(郵政民営化)をやるといって、自民党の反対派に刺客を送って勝利をしました。その小泉チルドレンの一人が小池百合子氏だったわけで、昨年の東京都でも同じような戦いをしたと思うのは私だけでしょうか。
自分が所属している自民党から何と言われようと、これまでの都政を変えるためといって強行出馬。「改革」というイメージを都民に与えたのでしょう。
でも、その改革のイメージがすでに壊れつつあります。築地移転も含めて「情報公開」といっていたのに、小池知事が出した豊洲移転を行い、5年近く後に築地を別の活用をして、戻りたい人はいったん豊洲に移って戻ってもらうという方針決定は闇の中、自分の頭だけで結論出したとはだれも思わないでしょう。それだけではなく、先日の都議選で都民ファーストの会から多くの小池チルドレンを当選させましたが、その議員にマスコミの取材を受けさせないということまでやっています。これまで、自民党を中心に問題発言をして辞任に追い込まれる、特に閣僚の問題発言は政権の命取りになることを自民党の中で見てきただけに、小池知事にとって命取りにならないように「自分が指示しtこと」しかマスコミにしゃべらさないようにしているとしか考えられません。
小泉さんは一時絶大な支持率を誇りましたが、なんでも民営化ということも含めて福祉を切り捨てていったために格差と貧困が広がって、もうそんな政治はやめてくれということで民主党政権に代わるきっかけとなっていきました。小泉さんは今では反原発の活動しているようですが、彼が首相の時に、原発が事故を起こした時のベントにフィルターを付けることに反対した人でもあります。今原発反対をしているから信用できないというつもりはありませんが、当時、原発は「安全・電気代が安い・環境にやさしい」という官僚の言葉を信じていたが、福島事故でその認識が変わったと、「通販生活」という雑誌の中で語っています。そうであるなら、自分がやってきたことの反省をもっと語らなければいけないと思います。
昨年の12月だったと思いますが、「通販生活」に載った小泉元
首相と落合恵子さんの対談の記事
小池知事はもともとニュースキャスターをしていた人です。注目を受けることが当たり前という感覚で、日本新党で参議院議員になり、その後衆議院に鞍替えして、小沢一郎氏率いる新進党、そして自民党といろんな政党を渡り歩いてきた人です。
もうすでにボロが出始めた小池ファースト。それまでの都政でも共産党都議団の奮闘が知事を追い詰めてきました。4年前の都議選での躍進と今回都民ファーストブームの中で議席増の共産党。知事がきらびやかな服装の人だったなということだけが印象に残る、そんな都政にしないために、国会議員団と連携しながら共産党都議団ががんばってくれると思っています。
