胸なし毛なし&松葉杖で温泉へ (後編) | 蟹、退治中 (乳がん生活)

蟹、退治中 (乳がん生活)

2012年12月 乳がん告知
13年2月 右乳房切除術(HER2 3+、ER +、Pgr -、リンパ管侵襲あり)
3月から抗がん剤(AC)、ハーセプチン、ホルモン療法の
術後治療を提示されるも、若き主治医の方針は一転、二転。
主治医を変え、ハーセプチンとフェマーラで治療中に
転移発覚

初めての沖縄。

骨折してから初めての飛行機、初めてのお泊り。

初めてづくしの旅行は、どこへ行っても、何を見ても、

ワクワク、ドキドキです。

 

 

 

ホテルにチェックインの後、大浴場に向かいます。

夕方の、これから混み始めるかなという時間帯。

カウンターで、松葉杖で入ってよいか尋ねると、

奥へ引っ込んで相談した後

「転ばないように十分気をつけてお入りください」とのこと。

 

第一関門突破!

 

 

ちゃんと入れるかどうか確かめさせてください、とお願いして

中を見せてもらいます。

(裸になってから、やっぱり無理!じゃ困るもんね。)

 

脱衣所にはビニールレザーの長椅子。

ここにバスタオルを敷いて座れば着替えが簡単。

 

洗い場の椅子は楽に座れる高さ、のみならず、

しっかりした介護用のシャワー椅子も一つ

あるじゃありませんか!

 

気になる浴槽は・・・

室内と、半屋外に浴槽が一つづつあって、

出入りする、段になっている所には全て

プールにあるような手すりがついている!

 

何て親切なんでしょう!

 

第二関門突破!

 

 

 

夕食後遅めの、空いている時間帯を狙って入りました。

 

脱衣所の、隅っこじゃなくて、

長椅子のある広い所で服を脱ぎ、

タオルを肩にかけてお風呂場へ。

先に入る人がドアを開けて待っていてくれます。

 

床は当然濡れているので、

滑らないように気をつけてゆっくり歩きます。

シャワーチェアを借りて

家でするのと同じように身体を洗い、浴槽へ。

 

手すりの脇に松葉杖を置き、

両手で手すりをつかんで、一段ずつ段を降りて

お湯に入れました!

 

入ってしまえばこっちのものです。

お湯の浮力がありますから、杖なしで動けます。

「月桃(げっとう)」という香りの良い葉っぱを浮かべたお湯に

手足をう~んと伸ばして浸かって

浮腫んだ足を撫で撫で。

 

これがしたかったんだ~。

家のお風呂じゃ、こんなに足を伸ばせないものね。

嬉しくて、幸せで、涙が出そうでした。

 

 

 

さて、もう一つ、乳がんだったら多くの人が気にすること・・・。

 

 

初発の手術から2年半。

手術痕こそ目立たなくなりましたが、

全摘・再建なしの胸はぺったんこ。

更に転移後のドセタキセルから10カ月が過ぎても、

髪の毛ポヤポヤ、下はツルツル。

 

以前だったら隠そうとしていたでしょうけれど・・・。

 

 

ええい!めんどくさい!

このまま行っちゃえ!(笑)

 

 

今でこそ杖1本で歩いてますけど

この旅行の時は松葉杖2本でした。

タオルとかバスタイムカバーとか、

身体の周りでひらひらしてたら杖を持つのに邪魔になるし、

タオルが落ちそうになっても押さえられないでしょう?

 

そんなのでモタモタしてるくらいなら、

最初っからない方がすっきりするよね。

ということで、

以前買ったバスタイムカバーは、家にお留守番でした。

 

もうね、お風呂で松葉杖ついてるっていう時点で

目立ちすぎるくらい目立ってるんだから、

今さら胸だの毛だのって、

お風呂入れるならどうでもいいや、っていうのが正直なところ。

 

それに目立つ方がいいのです。

危なくないように、周りの方が気を遣ってくださるので(^^;)

 

 

 

ところで、部屋のお風呂ですけど、

ホテルによくある、寝そべって入れるお風呂ね。

場合によっては主人だけ大浴場に行ってもらって

私は部屋のお風呂でもいいよね、って思ってたんですけど。

 

私、床に腰を下ろした状態から立ち上がるのに

前に両手をついた、ハイハイの姿勢からでないと

立ち上がれないんですね。

 

それで、お湯に浸かる時は仰向けになって、

シャワーを使ったり、身体を洗ったりで立ちたい時は

一旦うつ伏せになって。

手すりのない浴槽の中でゴロゴロと

転がらなくちゃならなくて。

ほら、水族館のアシカが台の上で回るみたいに!

(あんなに機敏には動けないので

トドがのたうち回っているカンジ、ですね。)

 

残念ながら、ウチの狭いお風呂の方が、

手や足を突っ張って向きを変えられる分、入りやすかったです。

やってみないとわからないものですね~。

部屋のお風呂は1回入っただけで、

後は大浴場に行ってました。

 

 

 

「胸なし毛なしで温泉」は聞いたことあっても、プラス松葉杖って

ちょっとチャレンジャーじゃない?
軽く自慢したくて書きました。エヘヘ(*^.^*)

 

「松葉杖で伊吹山」と「松葉杖で温泉」は、

私の中で二大チャレンジです。

 

 


でもね、矛盾するようだけどね、
もし、手術痕が理由で温泉に入れなかったとしても
そのことに引け目を感じる必要はないと思うんですね。

隠したい気持ちと、温泉に入りたい気持ちと、
その人にとってどっちが大きいか、ってだけだから。

別に温泉に入らなきゃいけないってことはないんだし、

恥ずかしいけどやっぱり入りたい、って思ったら、
人工乳房なりなんなり、

できることをその時に考えればいいんじゃない?

 

 


私は、
恥ずかしい<<<<入りたいだったから
温泉に入りました。それだけ。

 

 

そして、とても幸せな気分でした(#^^#)

 

 

 

みんなが痛みなく自由に動けるようになりますように。


ありがとうございます

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