お知らせ。。。。。
かなりご無沙汰しております。
みなさんお変わりございませんか?
久々に現れていながら、宣伝のみで失礼致します。
この度、急遽【サマーセール】を開催することとなりました。
今夜0時から48時間限定です。
当然ですが、品質は落ちずに価格だけが落ちています(^▽^;)
宜しければ覗いてみてください。
トップページの【SUMMER SALE 入口】からお入りください。
今夜0時からですので今しばらくお待ちください。
ペタやコメントを頂いておりながらお返しできずに申し訳ございません
面白くかつ、販促に繋がる様なネタが見つかり次第アップしていきたいと思います。。。。
それでは、熱中症にお気を付けください!
マンダリンガーネット ・ ・ ・ その2
こんにちは。
今日は晴天です。
オレンジからマンダリンガーネットの話になっていますので、もう少しその続きです。
ナミビアのカスーリ鉱山というところで採れたこの石の特徴は鮮やかなオレンジですが、
それだけではなく、何処となく「深み」があります。
「深み」と言っても言葉では言い表しにくいのですが、
ファンタカラーのスペサルティンに比べて、ハッキリ言ってしまえばモヤっとしています。
この「モヤっと感」はインクルージョンのほとんど無いようなルース(滅多にありませんが、、、)でも,
モヤっています。
これは「シルキー」と表現されるようなインクルージョンが入って霞んでいるものではなく、
独特な成長履歴によるもので、業界では「糖蜜状」とか「熱波効果」とか言われています。
身近で言えば、紅茶にシロップを入れた時のあのモヤっと感の事です。
このモヤっと感に関しては、同じようなものにミャンマーのルビーやペリドットがあります。
どちらも色としては最高峰と言われています。
そう考えると、あの「モヤっと感」は、スカッとした透明感はないですが、濃い色には付きものと言った感じもあります。
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「マンダリンガーネット」という名前は日本においては正式な宝石名ではありません。
商品名ですので特に決まった規定があるわけでもなく、言ってみればどんな石にでも付けられます。
その為、インターネットなどでナイジェリアやタンザニアなど、ナミビア産以外のオレンジ色の石によく付けられています。
どちらが本家の「マンダリン」か?!
などという事は ・ ・ ・どちらでもいいのですね。。。。そんな事。(*^.^*)
ただ、確かな事はナミビア産の石は他の産地の石と見た目にハッキリとした違いがあるという事です。
宝飾展でよく海外の業者(ヨーロッパ系が多い?)のショーウィンドウ内に非売品で飾ってある様なジュエリーに濃いオレンジの石が付いている事があります。
その石について聞くと、ナミビア産のスペサだったという事がよくあります。
色の濃いものに関しては誰にでも見た目で分かるくらい本当に色が違います。
昔の写真ですが、右が茶色っぽいスペサ、右がファン多カラーのスペサ。
どちらもナイジェリア産です。
これにナミビア産もスペサを並べると。。。。。。
もちろん一番左がナミビア産です。
如何ですか?違いますよね。
ブラジル産とモザンビーク産のパライバや、ロシア産とアフリカ産のデマントイドのように違いがありませんか?(笑)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
でも、何故色味が違うのか
さぁー。。。。。半貴の事ですし、しかもマイナーなオレンジガーネットの事ですし。。。。。。
と、普通なら軽く流れて終わりそうなものですが、、、、、、
居ました
これを調べようとした人が。。。。。。
あるバイヤーが原石を研究機関に持ち込み調べました。。。
その結果、ナイジェリア産のスペサとの違いを発見しました
それによると、ナミビア産のものにはナイジェリア産にはない酸化マグネシウム、つまり、マグネシウムが含まれていたそうです。
また、鉄の量も少なかったようです。
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以上の事を石のお勉強の話にはめ込んでみると。。。。。。
スペサはガーネットグループですが、もう少しグループを小さく分けて見ると、
スペサは「赤ガーネット」のグループに属します。
これを「パイラルスパイト系列」といいます。(難しそうな名前ですがそれぞれの頭文字を繋げただけです。。。)
この系列には
パイロープ、アルマンディン[ダイト]、スペサルティン[タイト]が居ます。
そして、それぞれの色は
パイロープは深赤色~稀に淡ピンクや淡茶色
アルマンディン[ダイト]は赤~暗赤色。鮮やかさに欠ける赤。
スペサルティン[タイト]はオレンジ色~赤橙色や赤茶色。
それぞれ色の範囲に幅がありますが、
実は、この子たちはとても仲良しです。
よく一緒に遊んでいますので混ざりあったりしています。
これを「固溶体(ごっこ)」といいます(笑)
スペサ君は特にアルマン君と仲が良いようです。
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この様に混ざり合ってしまうので色の範囲に幅が出来てしまいますが、
生粋の彼らは(この生粋なものを「端成分」といいます。)、
アルマン君は「鉄」を持っているので赤色。
スペサ君は「マンガン」を持っているのでオレンジ色です。
そして、パイロープ君はマグネシウムを持っています。。。。。。。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
アルマン君とスペサ君は遊んでいるうちにお互いに鉄とマンガンを交換したりします。
その為、スペサ君は本当はオレンジ色なのに鉄の影響で赤橙色だったり、
また、鉄には色を暗くする(彩度を落とす)効果がありますので、赤茶色になったりします。
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さて、ここで、再びナミビア産のスペサの成分分析結果を観てみましょう!
ナイジェリア産に比べて鉄が少なく、マグネシウムがある。。。。。
この事から分かる事は、
ナイジェリア出身のスペサ君はごく普通にアルマン君と遊んで鉄をもらっていたのですが、
ナミビア出身のスペサ君はアルマン君よりも、実はパイロープ君とよく遊んでいたという事がわかります。
では、マグネシウムを持つパイロープ君は深い赤色なのでマグネシウムをもらったナミビア出身のスペサ君は深赤色とオレンジでやっぱり赤橙色???
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
とはならないのですよ。これがまた。。。(^▽^;)
これが石の世界の奥の深さです(笑)
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すみません、突然ですが、ここでパイロープ君の紹介です。
パイロープ君は普通は深赤色をしていますが、
実は生粋のパイロープ君は無色なのです
マグネシウムは石の地色に影響を及ぼさないのです。
では、何故パイロープ君は深赤色をしているのか?・ ・ ・ ・ ・
それは、クロムといういいものを懸賞で当てた?からです。(笑)
時々「クロムパイロープガーネット」という言葉を聞いた事はないですか?
それがこれです。
クロムパイロープにはクロム以外にアルマン君の持つ鉄によっての赤味も混じっていますが、やはり、アルマン君とは少し違った深い赤色をしています。
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ここでもう少し彼らについて見てみましょう。
アルマン君の鉄やスペサ君のマンガンは彼らの体の一部、つまり、彼らの体は鉄やマンガンを含んだ物質で構成されています。
その為、アルマン君は必ず赤色、スペサ君は必ずオレンジ色をしています。
別の言い方をすれば、アルマン君から鉄を、スペサ君からマンガンをすべて取ってしまうと、
色は変わるかも知れませんが、もはや彼らはアルマン君やスペサ君ではなくなります。
それに対して、パーロープ君は色に影響を与えないマグネシウムを含んだ物質で構成されていますので基本無色ですが、
色に影響を与える他の元素が懸賞で当たった(?)事によって色がついています。
この場合、他の元素とはクロムの事ですが、
パイロープ君からマグネシウムを取ると、やはりパイロープ君と呼べなくなりますが、クロムを取ってもただ赤い色が無くなるだけでパイロープ君のままです。
この様に、パイロープ君の様な懸賞に当たって(?)色が付いている鉱物を「他色鉱物 」といいます。
それに対し、アルマン君やスペサ君のような鉱物を「自色鉱物」といいます。
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さて、話を元に戻して、、、、、
ナミビア出身のスペサ君はアルマン君よりもパイロープ君とよく遊んでいたので、
鉄の代わりにマグネシウムを沢山もらいました。
つまり、鉄の代わりにマグネシウムが入る事により、鉄による赤味と暗さが減って、マグネシウムによる無色が増える。。。。。。
要するに、赤による影響が減って、本来のオレンジが全面に出てきた!しかも、鉄による暗さも減るので、より鮮やかなオレンジ色になった!
という事のようです。
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少々回りくどい長い話になりましたが、
このスペサの産地による色の違いについては、何となく自分の中ではつじつまがあった気になっています。
どちらもオレンジ色のこの二つのスペサの色の違いという普通ではそのまま流れてしまうような小さな事柄ですが、
それを調べるだけでもいろいろと鉱物の勉強になります。
ガーネットとは本当に奥が深いと感じます。
というより、「石」の世界の奥深さに益々魅力を感じる今日この頃です。(笑)
長い文章を最後までお付き合い頂きありがとうございます。(^_^)
マンダリンガーネット
こんにちは。
今日は晴天ですが、風が強いです
とうとうGWが明けてしまいましたが、皆さん如何お過ごしですか
一昨日の東京ドームは盛り上がってましたね!
国民栄誉賞のお二人に加え、キャッチャー原監督、球審にはな、なんと安倍総理!。。。。。
一体どんな人が脚本を書けばこの様なキャストを組めるのかと思うくらいの作品でした(;´▽`A``
お陰で場内はオレンジのタオルで埋まっていましたね(笑)
そして、先週は別のオレンジでテレビ画面が埋まっていました。
皇太子ご夫妻のオランダご訪問。
オランダのナショナルカラーがオレンジという事で、沢山のオレンジ色の旗が振られていました。
皇太子様のとてもうれしそうにされている様に感じました。
人の心からの笑顔は見ていて本当に気持ちが和む気がします。(*^▽^*)
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さて、前置が長くなりましたが、今日はオレンジ色のネタです。(^∇^)
野球でオレンジといえば、、、ジャイアンツ?。
国でオレンジといえば。。。。。オランダ。
宝石でオレンジといえば。。。。。。スペサルティンガーネットです!
ガーネットって赤でしょ!
という方に補足説明ですが、
「ガーネット」とは宝石の名前ではなく鉱物グループの名前です。
決まった化学組成の形があり、その形であればどんな元素が入ってもすべて「ガーネット」です。
ちょっと強引かも知れませんが、別のもので考えてみると。。。
例えば、水などを飲む時に使うコップ。
「ガーネット」という語句はこの「コップ」という言葉に似ています。
ある程度決まった形があるが、材質はプラスティックだったり、ガラスや木だったり、、、、
そして、色も赤、青、黄色、、、、、、といろいろあっても、すべて「コップ」です。
そんな「コップ」に似た感じ??(笑)の「ガーネット」の中で、オレンジ色のものを「スペサルティンガーネット」といいます。
この時オレンジの色の原因と言われているのがマンガンという元素です。
ただし、スペサルティンの色の範囲は広く、赤に近いオレンジや茶色に近いオレンジまであります。
その理由は、オレンジの元であるマンガンの代わりに他の元素が入ってしまうためです。
この場合、主に「鉄」の元素が入って赤味を帯びます。
因みに、一般的にガーネットと聞いて連想される「赤いガーネット」はアルマンディンガーネットといいますが、この「赤」の原因になっているのが「鉄」です。
「コップ」と違って「ガーネット」の難しいところは、素材が混ざり合うところです。
「コップ」の場合はガラスっぽいプラスティック製や木製っぽい陶器はあっても、
ガラスとプラスティックや木と陶器が混ざり合った素材はないですから。。。(#⌒∇⌒#)ゞ
.
因みに、この様な混ざり合ったものを「固溶体」といい、ガーネットは固溶体の代表例です。
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この様に、いろいろなオレンジ色を持つスペサルティンガーネットですが、
この石の綺麗な色の例えに「ファンタカラー」という言葉があります。
「ファンタ」とはあの飲みものの「FANTA」です。もちろん味は「オレンジ」です(笑)
色は良く言えば、透明感のある明るいオレンジ。
言葉を換えれば、オレンジの絵の具を水で溶いたような薄い色。。。。。。
赤味や茶味を噛んだ暗いものが多かったために爽やかな明るい感じのものが良しとされたのかも知れません。
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さて、前置が大部分を占めてしまいそうですが、実はここからが本題です。
いまから前置の「オランダ」とこの「ガーネット」を強引につなげてみます(笑)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・
今日いろいろ出てきた「スペサルティンガーネット」ですが、
非常に稀にですが、とても鮮やかで「濃い」オレンジ色のものが存在します。
業界ではこれを「マンダリンガーネット」と呼んでいます。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
さて、ここでいう「濃い」オレンジとは???
オレンジが濃くなるとどうなるか?といいますと。。。。当然赤くなっていきます。
という事は普通の赤味や茶味を帯びたスペサと変わらないのでは?という事になります。
ところが、今回の「マンダリンガーネット」と呼ばれるものの色は赤味を帯びているのですが、とても鮮やかです。
この「マンダリンガーネット」と呼ばれるものは1993年頃ナミビアで発見されました。
ナミビアのカスーリ鉱山というところで採れたこの石の特徴は鮮やかなオレンジですが、それだけではなく、何処となく「深み」があります。
他の産地のものとは明らかに違うこの綺麗なオレンジのガーネットにはちょっとした逸話があります。
18世紀末頃、あるオランダ人の冒険家がアフリカを探検中にこの石を発見しました。
彼はその鮮やかなオレンジ色に魅せられ、彼の母国のオランダ王室のロイヤルカラーが「HOUSE OF ORANGE」である事に敬意を表し、
その石を「HOLLANDAINE(ホランダイン)」と名付けました。
ところが、彼がその発見場所を他人に伝えることなくこの世を去ってしまった為、彼の死とともにこの石の存在は1993年に再発見されるまで忘れ去られてしまっていた。。。。。。
という話です。
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・ ・ ・ ・ ・ ・ 何とか繋がった事がお分かり頂けたでしょうか?(笑)
たまたまテレビでオランダが脚光を浴びた為、この様な話をご紹介してみました。
しかしながら、この逸話の真意は不明です。。。。
「ホランダイン」という名前はほとんど聞かず、、、、、過去に「ホランダイト」と呼ばれていたという話は多少聞きますが、
現在では「ホランダイト」とはスペサルティンガーネットではなく、他の鉱物の名前としての方が有名の様です。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
現世では価値観に左右され、損得勘定に振り回されがちですが、
宝石には「夢」が不可欠です!
この様な「逸話」を楽しめる余裕を持ちたいものです。(^O^)/