皆さんは書店に行く時、
どのコーナーに足を運びますか？
「新刊と雑誌をチェックしてから
文芸コーナーへ」
という人もいれば、
「まっすぐ漫画コーナーに向かう！」
という人もいるかと思います。
大型の書店に行く際、
私が必ずチェックするのは
ブックフェア。
テーマに合わせて
セレクトされた本が
並ぶ特設コーナーです。
特に好きなのは、
個人による選書フェアで、
話題の作家さんやある分野の専門家が
選んだ本の数々を眺めると、
その人の考えていることの一端が
垣間見える気がしてきます。
書店によっては選者のコメント付きの
「選書リスト」が冊子として
配布される場合もあり、
このリストがまた面白かったり
実はひそかに収集しています（笑）。
最近はAmazonなどで本を買う方も
多いと思いますが、
WEB書店では検索履歴や
購入履歴を参考にした
「自分が好きそうな本」を
オススメされがち。
それも便利ではあるのですが、
なかなか自分の興味の外を
出ることができない
物足りなさもあると思います。
自分の興味の範囲外のものと
出会いたいとなれば、
書店の実店舗はまだまだ有効。
誰かの選書＝
「自分ではない誰かが興味を持っているもの」
を知ることは、
生活をより豊かにしてくれます。
そこで、今回紹介したいのは５月１日から、
代官山の蔦屋書店で開催される
「五〇〇書店」という選書企画です。
今回が二回目となる「五〇〇書店」は、
蔦屋書店とコンテンツレーベル
黒鳥社の共同企画による、
期間限定のポップアップブックストア。
毎回変わる「店主」が新刊書を中心に
「これから読む本」という切り口で
500冊の本を選出し、店頭で販売します。
また、選書リストは
Web上で有料公開。
ラインナップを無料で
知りたい人は店頭に来てね、
という仕組みなわけです。
この企画がユニークなのは、
「選者がまだ読んでいないけど、
これから読もうと思っている本」も
セレクトしてOKという点。
一般的な選書企画の場合、
基本的に選者は紹介する本すべてに
目を通しているものですが、
五〇〇書店では必ずしも五〇〇冊すべて
既読というわけではありません。
それよりも
「これは面白そうだ」と期待を
抱かせてくれる本を並べることを
重視した企画なのです。
選者の興味がどのように
広がっているかが
よくわかるコンセプトだなぁと
思います。
ちなみに私は一回目の
「五〇〇書店」が
開催された際に店頭に足を
運びました。
第一回の選者は
編集者の若林恵さん。
2012年～2017年まで
雑誌『WIRED』の編集長を務め、
昨年には単著『さよなら未来』を
刊行するなど、
旺盛な活躍を見せている方です。
実際に選書コーナーへ行ってみると、
多岐にわたるジャンルの
書籍が並んでいて、
好奇心がくすぐられました。
本格的な社会学や歴史の
本があるかと思えば、
そのすぐ近くには尾崎放哉の
句集が置かれている。
小説も詩集も学術書も混在していて、
サクッと読めそうな新書もあれば、
分厚い大著もあり、
500冊のバリエーションの
豊かさに圧倒されました。
代官山の蔦屋書店自体、
壁一面に書籍が並んでいるという
空間ではあるのですが、
その中でも
「この一角だけ異様に面白そうな
本が集まっているぞ…！」
という雰囲気があり、
とても素敵な企画だったなと思います。
５月１日からスタートする
第二回の選者は
岩波新書編集部の
編集長・永沼浩一さん。
岩波新書という
レーベル自体がかなり幅広い
ジャンルの事柄を扱っているだけに、
選書の中にも色々な発見が
あるのではないかと
今から楽しみです。
今年のゴールデンウィークは
10連休ということで、
書店でゆっくり本を選ぶ時間も
取りやすいかなと思います。
ぜひ、「これは面白そうだ」と
期待を抱かせてくれる本を
見つけてみてくださいね。
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