○昭和56(1981)年4月23日、プロレスでとある企画が実行された。
○かつて一大ムーブメントを巻き起こしたアニメーション「タイガーマスク」の続編を放送するのに合わせ、現実のリングにもタイガーマスクを登場させるという企画である。
○当時の人は笑っていた。アニメとのタイアップはわかるが、そんな珍妙なレスラーがリングに登場したところで、話題にはなるかもしれないがすぐに忘れ去られることになるだろうというのが当時の感想であった。
○当ブログの筆者は小学校低学年で、小学生向けの雑誌にアニメとしてのタイガーマスクが登場していたのと、そのキャラクターを模したレスラーがリングに立つことは宣伝されてはいた。
○ただ、幼心に「何だかなぁ……」という思いでいた。
○実際に見るまでは。
○テレビに映るリアルなタイガーマスクは想像を超えていた。
○それこそテレビの中のタイガーマスクがアニメのタイガーマスクを超えていた。
○リングの上を飛び、舞い、軽々と身をこなす様子に一瞬にして心を奪われた。
○テレビでのタイガーマスクを見た誰もが熱中するようになり、金曜夜8時はワールドプロレスリングを観るのが当たり前になった。
○当時は土曜日も授業があったので、土曜日に登校すると前日のプロレス中継を観て明らかにタイガーマスクの影響を受けたであろう同級生に出くわした。
○さらに予想だにしなかったのが、男子だけでなく女子の間にもタイガーマスク人気が広まっていたことである。
○それも小学生だけでなく、中学生、高校生にもブームが広まっていた。
○金曜日を迎えるたびにタイガーマスクはテレビの中で躍動し、アニメを超えるプロレスに誰もが魅了され、タイガーマスクはウルトラマンや仮面ライダー、戦隊ヒーローと並ぶスーパーヒーローになっていた。
○契約の問題からタイガーマスク伝説はわずか2年で終わりを迎えた。しかし、今もその勇姿は多くの人の記憶から消えることなく語り継がれている。
○本日11月27日は、タイガーマスクとしてリングで躍動した佐山聡氏の誕生日である。
