○本日の記事は、あまり詳しく書くと物理学に詳しい方々から総ツッコミを受けること間違いなしなのであっさりとした書き方に終始することをご容赦願いたい。
○1905年の今日、アナーレン・デア・フィジーク誌に、アインシュタインの特殊相対性理論第2論文が掲載された。世界で最も有名な物理関係式である E=mc² が査読を経て世に出た瞬間である。
○E=mc²をざっくり解説すると、エネルギー(E)は質量(m)と光速の2乗(c²)の積に等しいという関係式である。
○つまり、質量を持つ物質とエネルギーとは交換可能。ただ、日本人なら理解できるであろう日付、昭和20(1945)年8月6日の広島、そのときはおよそ50kgのウラン235が搭載されていたが、実際に消えた質量は0.7g程度であったと推測されている。あれだけの死傷者を出したのに、だ。
○さらに突き詰めると、全くの無からどうやって宇宙が誕生したのかという問題に対する答えになる、とホーキング博士は言っている。
○エネルギーと質量との関係を最初に求めようとしたのはニュートンまでさかのぼることができる。ただし、ニュートンはおそらく光の粒子と物質の粒子が相互変換可能だという推測を立てた段階で止まっている。
○19世紀末から20世紀初頭の物理学者であるニコライ・ウモフはエーテル理論に基づいてエーテルと質量とエネルギーとの関係を E=kmc² と推測し、0.5 ≦ k ≦ 1 とした。つまり、k=1となれば E=mc² となる。
○エーテルとは17世紀のルネ・デカルトに始まる仮想上の物質で、宇宙がエーテルに満ちていると仮定した上で運動法則を求めると整合性がとれるとした。前述の E=kmc² の k が質量とエネルギーの関係におけるエーテルの位置づけである。
○ここで風穴を開けたのがアインシュタインである。エーテルが存在していてもしていなくても無意味となる k = 1 とすることで、エネルギーと質量とが完全に交換可能であることを証明した、あるいは証明しようとした。
○なぜこのような書き方になるかというと、E=mc² はアインシュタインの思考実験の結果であり、どんなに計算しても E=mc² であり、E=mc² も実用されていたのであるが、誰も E=mc² が証明できていなかったのである。
○その証明が実証されたのは、なんと2008年11月21日のこと。この日に刊行されたアメリカの学術誌「サイエンス」に掲載されたのがそれである。
○つまり、当ブログが誕生した2008年1月時点ではまだ証明されていなかったのである。
