○近年はこうした番組そのものが少なくなっているが、かつてはこの時期になると怪奇現象を扱うテレビ番組が頻繁に放送されていた。
○それはこのような番組であった。
○いわゆる心霊スポットとされる場所へ取材へ行く。霊能者とされる人物がしきりに何かを騒いでいるが、何も起こらない。
○その後でスタジオに戻ってゲストの怪談話が繰り広げられる。
○効果音として女性の悲鳴が用意されている。
○現在ならば Photoshop などで簡単に加工できるであろう、そして、その時代であっても簡単に加工できたであろう写真を、心霊写真という名目で紹介する。
○写真を紹介するのもやはり霊能者とされる人物である。
○厄介なことに、本人が意図して加工したわけではなく、写真撮影時の偶然、あるいは、カメラの不具合により写り込んでしまったものを心霊として解説することもある。
○この場合は撮影者が意図して撮影した結果ではないためたしかに不気味である。もっとも、カメラの専門家がやってきて撮影した状況の分析から科学的に解説するというのは、怪奇番組を観るような人には受け入れられない。
○基本的に嘘くさい。
○当時はこういう番組が盛んだったというより、当時は現在よりチャンネル数が少なく、ネットもなければレンタルビデオもなかったから、放送しているものの中からマシなのを選ぶしかなかったので、こういう番組でも視聴率がとれた。
○今だと、リアルタイムのテレビを観るしかない状況に置かれている人でなければ観てもらえることはないであろう。
○それ以前に、放送していないか。
