降りる駅を間違えた、ある日の帰り道

歩けない距離ではないからと



いつも通らない夜道を歩いていたら

ふと見上げると、少し遠くの空

高く掲げられた看板に


「ゆ」


と大きく、一文字が書いてある。


どうやら向こうに銭湯があるようです

ひらがな一文字の表示で意味が伝わるのは


「ゆ」くらいではないでしょうか

ひらがな以外だと


Pは駐車場

歯は歯医者さん


ぱっと思いつくのは

そんなところです




そして何気なく「ゆ」を見つめていたら


だんだんと、背景の看板部分が夜空と

同化して


「ゆ」だけが独立して

夜空に浮かんでいるように見えてきました



「ゆ」は

ゆったり、ゆたか、ゆとり、ゆうが

など、ふわっとした雰囲気を持つ言葉に

つかわれることが多いせいなのか、


一文字でも、なんとなく

ふんわりと優しい印象があります。



そして見ているうちに

だんだんと文字の枠を飛び越えて


「まるみをおびた何か」

に見えてきます。


意思のある生物が

こちらを見つめて、

何かを語りかけてくるみたいな…



ゲシュタルト崩壊です。



疲れてるのかなぁ



それにしても


ゲシュタルト崩壊

という言葉のインパクト

あらためて


凄いですよね



ゲシュタルト崩壊

って言いたいがために

この話を持ち出したわけではないですよ…



「不気味の谷現象」

も気に入っているけれど、

日常会話で使う機会がないですね。




つまみえいひれ


じーっと見つめていると

文字として認識できなくなってきます。


ふしぎ



おしまい