【墨の色】 |    書家 片山諭志 オフィシャルブログ

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      日常の思いや作品を載せています

書は黒と白の世界


墨の黒と余白の白でバランスを構成し
それは陰と陽をも表現した世界


今こそ様々な色の墨がありますが
私は基本、黒のみ使います



水墨画では


「墨に五彩あり」

 

 

と言われ濃淡を付ければ黒から

グレーまで幅広い色を出す事ができ


書でもこのように淡墨で滲みを出す

ことにより立体感がでる事や幽玄な

文字を表現する事が可能です



私の淡墨作品


「美」




「生」




「虹」




「○」




「WATER」シリーズ





漆黒(黒の中の黒)の墨は磨ったら

何も考えずにすぐ書くことができるのに

対して



淡墨では、美しい濃淡を表現するために
墨の濃さを試し書きし何度も調整する

必要があります


紙も様々ある中から厳選し
滲みが美しく出る紙を使用


書家だとよーく分かる事ですが
この作業にとても時間を有します


私は当初、奥が深すぎで手を出しては
いけないと思っていました 笑


墨の神様と本気で向き合う覚悟が無いと
簡単に心を折られてしまう聖域


パッと見、黒で力強く書かれた作品の方が

良く見えるかもしれませんが



淡墨の何とも言えない

墨の表情も良いものです



墨一つで様々な色、表現ができる書



文字や形を見るのと併せて
どんな墨が使われているのかを
見るのも鑑賞の楽しみです♪