今年は別れが多い。
さすが風の時代.. 場所を変える人はなにかに突き動かされるのだろうか?
娘が小さい時によく家に遊びに来てくれて、高校進学の年を迎えたWくんも引っ越すことになった。
彼のお母さんは彼が小学高学年の時に乳がんで亡くなった。お母さんとは何故かいきなりぱったり遊びに来なくなって以来、こちらも嫌われたのかなとか気まずさもあって会っても挨拶程度になってしまっていた。乳癌になったことは人づてに聞いていたけれど、命を落とすまでとは思わず、亡くなったのを聞いた時はかなりショックだった。
亡くなる1ヶ月ほど前に学校の行事の後、Wくんとお母さんが立ち止まってWくんがお母さんに寄り添っていて、私はなにか忘れ物でもして困ってるのかな?くらいに思い、それよりも気まずくならないように声をかけようと思って、「背伸びたね〜、もう越しちゃったね!」と言って、追い越した。今、思えば、歩くのもしんどくてWくんに支えられながら休み休み駐車場に向かっていたのだった。
しばらくはお母さんが亡くなったことを受け入れらず、どうしてあの時しんどいのを察してあげられなかったのか何度も思い出しては悔やんだ。
あれからWくんはすっかりいい青年に成長し、娘が昨年入った野球部のキャプテンを務めていた。高校でも野球を続けるという。
昨日、野球部のメンバーからWくんにメッセージを書いた野球ボールとプレゼントを贈った。
小学校へ上がる前のあどけない顔から背も高くかっこよくなったWくん。
お母さんはずっと傍で見守ってきたのだと思う。Wくんからはいつも寂しさは感じられなかった。
私も感極まって、ハグしてもらった。
これからもお父さんといいコンビで明るく優しいまま、行った先でも元気に活躍すると思う。
Wくんも「向こうでも元気で活躍してくるわ!」と最後に言ってくれた。