桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿
このことわざは、あまりにも有名で、この言葉で左右されている方も多いと思います。
桜を切るヤツは馬鹿だから切らない。
桜を切らない理由は、このことわざです。
でも私は、馬鹿になりきって桜をどんどん切っています。
馬鹿だといわれても構いません。
なぜこんなことわざがあるのか?
いつできたのか?
辞書で調べたら、「庭木の剪定法をいったことばで、桜の枝は切らずにおくのがよく、梅の枝は切るのがよいということ。」
・・・そのままです。
なぜこんな言葉ができたのか少し考えましょう!
先ずは、花付きです。これらの植木を植える意味は花を見たいからと理由が多いからです。
花芽は桜も梅も花が咲く前の年の夏ごろですのであまり変わり映えがありません。
どんな枝に花がさくのでしょう?
桜は、短い枝によく花が付き、よく伸びている元気ばった枝はつきにくいです。
梅は、元気ばった枝にもよくつきます。
特に強く剪定をすると元気ばった枝がよく出ます。このような枝には、梅にはよくつきますが、桜にはつきにくいです。
花を中心に考えるとこんなことになろうかと思います。
でも、普通に剪定する分には、そんなに元気ばった枝ばかりになるわけではありません。
よく言われる、桜は腐りやすい。ということを考えましょう!
桜は切り口から腐りが腐りが入りやすく、梅は切り口から腐りが入りにくい。
これが理由で「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」というのではないか?といわれることが多い。
でも、桜も色々あります。桜は300種類ぐらいあるといわれていて、その中でも腐りやすいものと、腐りにくいものがあります。
エドヒガンとかは、腐りにくい桜の1つです。
山梨県県にある天然記念物、神代桜は樹齢2000年とも言われるほど長生きしているエドヒガンです。神代桜は、日本武尊=ヤマトタケルノミコトが植えられたといわれ、鎌倉時代に日蓮が樹勢回復のお祈りをしたといわれています。そのあと、戦後まもなくあと3年ほどで枯れるといわれていたところ、さらに台風で大きな枝が折れてしまなどの危機があったが、樹勢回復の結果、樹勢を取り戻している。このようにエドヒガンは頑丈な桜です。その理由は、枝や幹などが腐りにくいというのが1つあります。
ところがソメイヨシノは、寿命が非常に短いといわれていて、一番古いもので弘前公園の130歳超えるというものです。よく言われるように幹や枝が腐りやすい。
おそらく腐りやすいというのは桜は桜でも、ソメイヨシノのことを言っているのかなと思います。
もし、桜が腐りやすいといった理由で「桜切る馬鹿・・」ということでしたら、桜といえばソメイヨシノという感じになった時代以降の言葉かなと想像できます。
ソメイヨシノは、江戸の植木屋さんがエドヒガンとオオシマザクラを組み合わせてみると見事な桜ができたことから始まります、明治時代から少しづつ広がり、第二次世界大戦後に爆発的に植栽されるようになって、最も一般的な桜になった。
このことから「桜切る馬鹿・・・」という言葉は第二次世界大戦後まもなくしてからの言葉かもしれないと想像できます。
これだと、ことわざだけどそんな昔からのものではないことになります。
歴史に淘汰された言葉ではないということになってしまいます。
私的には、「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」については、「桜は梅より腐りやすい性質ですよ」あるいは「木の性質を考えて剪定しなさいよ」ぐらいの意味でとらえています。
では、なぜ私が馬鹿になりきって桜を切るのか?
次回で説明したいと思います。
(つづく・・)