最近ご相談が増えている被害で、オリーブアナアキゾウムシの被害があります。

写真は先日大阪府枚方市での被害です。

木の周囲(樹皮や形成層)がすっかり食われてなくなっています。

一部食われていない箇所がありました。

このようになってしまうと、枯れてしまうと普通は言います。

オリーブに限らず樹木は一般に周囲の部分で水を上げたり、養分を通すからです。

(しかし、どういうわけか周囲を一周やられても枯れないものもあります??一応、私の中では仮説があるのですが、、、)

 

オリーブはもちろん、元々日本ものではない外来種です。

ところがオリーブアナアキゾウムシは、在来種といって昔からに日本にいる虫です。

オリーブアナアキゾウムシは、本来モクセイ科のネズミモチやイボタノキを食べていましたが、オリーブが日本にやってきたところ、このオリーブを好んで食べるようになりました。オリーブは害虫が付きにくい木です。それは虫が強力に嫌がる成分があるからですが、オリーブアナアキゾウムシには効きません。どころかその成分が刺激して食欲が増してしまうともいわれています。

分布は、本州以南中国にも分布。

成虫は3月~11月上旬まで活動。特に気温の高い時期に活発。

日中は、根本付近の落ち葉の下や雑草の陰にひっそりと静止して、夜になると活動をはじめ木を食べたり、交尾したり、卵を産んだりします。木に浅い穴をあけてその中に1づつ産卵して、木屑や樹皮のかけらで蓋をします。産卵は4~10月まで長いします。成虫は3~4年寿命があって200個ぐらいの卵を産む。卵は10日ぐらい。幼虫は、2か月ぐらいでその間に材部を食いあらし蛹になります。

 

対策は、よく言われているもので、

・穴から幼虫を見つけ捕殺する。

・スミチオンなどの殺虫剤を散布する。

しかし、なかなかこれではうまくいきません。

・オリーブの枯れた(死んだ)部分をうまく取り除き、幼虫を見つけ出して捕殺する。この時に生きた部分を傷つけないように十分に気を付ける。

・穴の中に殺虫剤を注入する。

・幹を薬で蒸すなどです。

そして、被害を受けたオリーブのほとんどは樹勢が劣化しています。オリーブアナアキゾウムシの危機は去っても、枯れてしまうことがありますので、虫退治と同時に樹勢の維持・回復の作業も同時にしないとダメなことが多いです。

 

また、日頃より。清掃・除草をすることで、日中に成虫の過ごす場所を無くすとか、半透明のコート剤を塗っておくとかの予防対策も重要です。

オリーブアナアキゾウムシが入って、オリーブに異変を感じる頃は、すでに被害が大きくなっていることが多いからです。