TRC IMADOKI・REPORT VOL.5(2013年6月21日)
~環状2号線の開通と新橋・虎ノ門エリアの展望~
<発信元> TFP不動産コンサルティング株式会社(TRC)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館14階
Tel:03-6212-2530 Fax:03-6212-2532
《http://www.tfp-rc.co.jp e-mail:info@tfp-rc.co.jp》
文:宮尾 啓子
「環状2号線 新橋・虎ノ門地区再開発」
東京都が打ち出している、外国企業誘致プロジェクト「アジアヘッドクォーター特区」。このアジアヘッドクォーター特区に指定されている、新橋・虎ノ門エリアですが、現在、再開発の真っ只中にあります。この街がアジアヘッドクォーター特区に指定された背景とは・・。今回は、その新橋・虎ノ門エリアと、その区間に開通する環状2号線に注目してみます。
超高層ビルの下に幹線道路?
この新橋・虎ノ門地区再開発にて2014年に開通する新橋・虎ノ門区間の通りの愛称が「新虎通り」と命名され、街づくりの概要が発表されました。歩道の幅は13m、街路樹やオープンカフェを設けビルの高さは80mまでとし、建物のデザイン性にも統一感を持たせて沿道の1階はショーウィンドウが建ち並ぶおしゃれなストリートを目指す。まさにパリのシャンゼリゼ通りといったイメージです。環状2号線の本線はこのおしゃれな通りの地下を通ります。この部分、なんと2層構造になっているのです。

虎ノ門ヒルズ!
この新虎通りの上にそびえ立つのは「虎ノ門ヒルズ」。地上52階建て高さ247mの超高層ビルで、環状2号線の完成とともに2014年竣工予定です。完成すればミッドタウンタワーに次ぐ東京都内で2番目に高いビルになります。店舗や飲食店などの商業施設、国際会議にも対応できるカンファレンス、ハイスペックのオフィス、日本初進出のホテル「アンダーズ東京」、ホテル提携の住居などが入居します。そして、この超高層ビルの下を幹線道路が走る、なんとも画期的でユニークな設計になっています。まさに、国際戦略総合特区「アジアヘッドクォーター特区」に位置するこの虎ノ門にふさわしい、国際水準のビルの誕生です。
環状2号線とマッカーサー道路
戦後、GHQ(連合国軍総司令部)が虎ノ門のアメリカ大使館から竹芝桟橋まで軍事用の道路整備を要請した、との俗説から環状2号線は「幻のマッカーサー道路」と呼ばれているのですが、実はマッカーサー、GHQとは全く関係ないのです。そのことをご存じない方も多いようですが、計画する区間がアメリカ大使館の延長線上だっただけに、そのような俗説があったのも不思議ではありません。
環状2号線悲願の開通
環状2号線の始まりは終戦直後の1946年、戦災復興院により新橋から赤坂・四ツ谷を経て神田佐久間町までの延長約9.2km、幅員100mとなんとも
巨大な道路として都市計画決定されたのが始まりです。それから68年、長い長い年月を経てようやく悲願の開通となるのです。というのも、この新橋・虎ノ門エリアは商業地として一等地。しかも、狭い路地に古ビルがひしめき合う土地で、地権者との交渉は難航し用地買収は困難を極めました。このままでは再開発は不可能なのではないかと思われていましたが、1989年に立体道路制度が創設され、道路上に建物を建築することが法的にも可能になったのです。そこから再度計画は動き始めました。地権者はその画期的な手法により土地を離れることなく道路上に建築される建物で引き続き生活ができることになりました。この立体道路制度は、都心エリアの既に形成され再開発が困難な土地、しかも広範囲に亘るエリアの開発を可能にする、まさに画期的な新しい都市開発のスタイルです。

国際空港へつながる未来
第一京浜と汐留エリアを横断し、臨海副都心~有明へ至る環状2号線。平成27年度の全面開通を目指し新橋(汐留)~有明間の整備も進められています。汐留交差点では、現在、首都高八重洲線を今年の12月まで通行止めにして、首都高の橋脚付け替え工事が行われています。この下を走る環状2号線地下トンネルの建設予定区間が高架橋の基礎部分とぶつかってしまうためです。そして、環状2号線は築地付近から地上に出るのですが、築地市場の豊洲への移転が関係するため、移転が難航した場合は整備に影響が出てきます。とはいえ、環状2号線は着実に全面開通へと向かっています。湾岸線とつながれば、空の玄関口である羽田空港と接続できることになります。これは、官公庁エリアである虎ノ門と羽田空港間のアクセスが格段に良くなり、国際化への大きなメリットになります。新橋・虎ノ門エリアがアジアヘッドクォーター特区に指定された理由はここにあるのではないでしょうか。羽田空港は更なる国際化を目指し、来年の3月に国際線の発着枠を6万回から9万回に増加します。増加するのは、国内線への乗り継ぎや公共交通機関へ接続が可能な昼間の時間帯。現在、羽田空港への深夜帯のアクセスは不十分なのです。公共交通機関が24時間運行されれば、将来的には深夜早朝便も増加できる可能性が生まれます。
先月、東京都の猪瀬知事が都営バスの24時間運行の意向を発表しました。アベノミクス戦略特区の一環としての取り組みですが、まずは年内にも渋谷~六本木にて試験的運行を検討するとのこと。この短い距離でどのような効果が期待できるのかは疑問ですが、将来的には24時間運行の都営バスで、都心から環状2号線を通り羽田空港へ・・ということも、さほど遠い将来の話ではないのかもしれません。
選ばれる街へ
東京都が打ち出すアジアヘッドクォーター特区として、海外企業やビジネスマンを誘致するには、彼らにとってどの世界都市より魅力的な街でなくてはなりません。新橋・虎ノ門周辺は国際新都心を目指し、生まれ変わるのです。世界のビジネスマンに選ばれる街になるために。
今はまだ殺風景で開発真っ只中の新橋・虎ノ門エリア。新虎通りを虎ノ門ヒルズから新橋へ向かって歩いてみると、真正面には汐留の高層ビル、フェンスで囲まれた新虎通りの両サイドには小規模のオフィスビルや雑居ビルが建ち並んでいます。コインパーキングや朽ちたビルは、新たな街の形成を心待ちにしているかのようです。これからどのように変化していくのか、新虎通りが本当にパリのシャンゼリゼ通りのようになるのか、今後も引き続き新橋・虎ノ門エリアに注目です。
参考:東京都都市整備局市街地整備部資料
森ビルHP 虎ノ門ヒルズ
http://www.mori.co.jp/projects/kanjo-2go/
日経新聞記事2013.6.4/2013.6.5/2013.6.6
~環状2号線の開通と新橋・虎ノ門エリアの展望~
<発信元> TFP不動産コンサルティング株式会社(TRC)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-8-1 丸の内トラストタワーN館14階
Tel:03-6212-2530 Fax:03-6212-2532
《http://www.tfp-rc.co.jp e-mail:info@tfp-rc.co.jp》
文:宮尾 啓子
「環状2号線 新橋・虎ノ門地区再開発」
東京都が打ち出している、外国企業誘致プロジェクト「アジアヘッドクォーター特区」。このアジアヘッドクォーター特区に指定されている、新橋・虎ノ門エリアですが、現在、再開発の真っ只中にあります。この街がアジアヘッドクォーター特区に指定された背景とは・・。今回は、その新橋・虎ノ門エリアと、その区間に開通する環状2号線に注目してみます。
超高層ビルの下に幹線道路?
この新橋・虎ノ門地区再開発にて2014年に開通する新橋・虎ノ門区間の通りの愛称が「新虎通り」と命名され、街づくりの概要が発表されました。歩道の幅は13m、街路樹やオープンカフェを設けビルの高さは80mまでとし、建物のデザイン性にも統一感を持たせて沿道の1階はショーウィンドウが建ち並ぶおしゃれなストリートを目指す。まさにパリのシャンゼリゼ通りといったイメージです。環状2号線の本線はこのおしゃれな通りの地下を通ります。この部分、なんと2層構造になっているのです。

虎ノ門ヒルズ!
この新虎通りの上にそびえ立つのは「虎ノ門ヒルズ」。地上52階建て高さ247mの超高層ビルで、環状2号線の完成とともに2014年竣工予定です。完成すればミッドタウンタワーに次ぐ東京都内で2番目に高いビルになります。店舗や飲食店などの商業施設、国際会議にも対応できるカンファレンス、ハイスペックのオフィス、日本初進出のホテル「アンダーズ東京」、ホテル提携の住居などが入居します。そして、この超高層ビルの下を幹線道路が走る、なんとも画期的でユニークな設計になっています。まさに、国際戦略総合特区「アジアヘッドクォーター特区」に位置するこの虎ノ門にふさわしい、国際水準のビルの誕生です。
環状2号線とマッカーサー道路
戦後、GHQ(連合国軍総司令部)が虎ノ門のアメリカ大使館から竹芝桟橋まで軍事用の道路整備を要請した、との俗説から環状2号線は「幻のマッカーサー道路」と呼ばれているのですが、実はマッカーサー、GHQとは全く関係ないのです。そのことをご存じない方も多いようですが、計画する区間がアメリカ大使館の延長線上だっただけに、そのような俗説があったのも不思議ではありません。
環状2号線悲願の開通
環状2号線の始まりは終戦直後の1946年、戦災復興院により新橋から赤坂・四ツ谷を経て神田佐久間町までの延長約9.2km、幅員100mとなんとも
巨大な道路として都市計画決定されたのが始まりです。それから68年、長い長い年月を経てようやく悲願の開通となるのです。というのも、この新橋・虎ノ門エリアは商業地として一等地。しかも、狭い路地に古ビルがひしめき合う土地で、地権者との交渉は難航し用地買収は困難を極めました。このままでは再開発は不可能なのではないかと思われていましたが、1989年に立体道路制度が創設され、道路上に建物を建築することが法的にも可能になったのです。そこから再度計画は動き始めました。地権者はその画期的な手法により土地を離れることなく道路上に建築される建物で引き続き生活ができることになりました。この立体道路制度は、都心エリアの既に形成され再開発が困難な土地、しかも広範囲に亘るエリアの開発を可能にする、まさに画期的な新しい都市開発のスタイルです。

国際空港へつながる未来
第一京浜と汐留エリアを横断し、臨海副都心~有明へ至る環状2号線。平成27年度の全面開通を目指し新橋(汐留)~有明間の整備も進められています。汐留交差点では、現在、首都高八重洲線を今年の12月まで通行止めにして、首都高の橋脚付け替え工事が行われています。この下を走る環状2号線地下トンネルの建設予定区間が高架橋の基礎部分とぶつかってしまうためです。そして、環状2号線は築地付近から地上に出るのですが、築地市場の豊洲への移転が関係するため、移転が難航した場合は整備に影響が出てきます。とはいえ、環状2号線は着実に全面開通へと向かっています。湾岸線とつながれば、空の玄関口である羽田空港と接続できることになります。これは、官公庁エリアである虎ノ門と羽田空港間のアクセスが格段に良くなり、国際化への大きなメリットになります。新橋・虎ノ門エリアがアジアヘッドクォーター特区に指定された理由はここにあるのではないでしょうか。羽田空港は更なる国際化を目指し、来年の3月に国際線の発着枠を6万回から9万回に増加します。増加するのは、国内線への乗り継ぎや公共交通機関へ接続が可能な昼間の時間帯。現在、羽田空港への深夜帯のアクセスは不十分なのです。公共交通機関が24時間運行されれば、将来的には深夜早朝便も増加できる可能性が生まれます。
先月、東京都の猪瀬知事が都営バスの24時間運行の意向を発表しました。アベノミクス戦略特区の一環としての取り組みですが、まずは年内にも渋谷~六本木にて試験的運行を検討するとのこと。この短い距離でどのような効果が期待できるのかは疑問ですが、将来的には24時間運行の都営バスで、都心から環状2号線を通り羽田空港へ・・ということも、さほど遠い将来の話ではないのかもしれません。
選ばれる街へ
東京都が打ち出すアジアヘッドクォーター特区として、海外企業やビジネスマンを誘致するには、彼らにとってどの世界都市より魅力的な街でなくてはなりません。新橋・虎ノ門周辺は国際新都心を目指し、生まれ変わるのです。世界のビジネスマンに選ばれる街になるために。
今はまだ殺風景で開発真っ只中の新橋・虎ノ門エリア。新虎通りを虎ノ門ヒルズから新橋へ向かって歩いてみると、真正面には汐留の高層ビル、フェンスで囲まれた新虎通りの両サイドには小規模のオフィスビルや雑居ビルが建ち並んでいます。コインパーキングや朽ちたビルは、新たな街の形成を心待ちにしているかのようです。これからどのように変化していくのか、新虎通りが本当にパリのシャンゼリゼ通りのようになるのか、今後も引き続き新橋・虎ノ門エリアに注目です。
参考:東京都都市整備局市街地整備部資料
森ビルHP 虎ノ門ヒルズ
http://www.mori.co.jp/projects/kanjo-2go/
日経新聞記事2013.6.4/2013.6.5/2013.6.6