みなさん『響きの譜読み』ってご存じですか。いろいろな意味で使われているとは思いますか、これ、大切だと思うのです。なぜ大切なのでしょうか。どんな意味があるのでしょうか。そして、どうおこなうのでしょうか。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
完成形を
みなさんはたとえばプラモデルを作るとき、なにが出来るのかを作る前から知っていますよね。
いったいなにが出来るのかもわからずに作り始める人はいないですよね。
料理だってそうですね。
まずは、なにを作るのか決めてから作り始めるでしょ。
それが途中で変わることはあるかもしれませんが…
豚汁作ってる母親の横から「カレーがいい!」と言ってカレールー放り込んだ子…(爆)
なにしろ、なにが出来るのかもわからずただレシピの言いなりで料理する人はいない…
これ、音楽だっておんなじなんです!
音楽の完成形
なんの曲を合奏してるのかぐらいわかってる?
ほんとうに、わかっていますか。
たとえばメロディを演奏している人、
そこにどんなハーモニーがついているのか、わかっていますか。意識に入っていますか。
ハーモニーを演奏している人もそうです。
自分たちが奏でているのはどんなハーモニーなのか、わかっていますか。
安心してください。知識とか理屈ではないんです。
『耳』が、わかっているかどうか、なんです。
全体の音、全体の響きをひとりひとりがわかっているかどうか、意識に入っているかどうか。
これが出来ていない、響きをわからずに奏でている演奏って、聞けば一目(一聴)瞭然です。
どんなにひとりひとりが上手くても、完成形を知らずに奏でたのでは、響きは出来ないのです。
音が合うためには
合奏していてね、一体なんのハーモニーなのかもわからないぐらい合っていないとき…
いいですか、「どんなハーモニーなのかもわからない」んです。もはや原型を留めない(爆)。
そうとう悲惨に合っていないということ。
で、「さて、ここって一体どんなハーモニーなのかな」とスコアをよく見ると…
「なーんだ、ただのメジャーセブンスじゃないか」…
さて、あなたがもし、この合奏の指揮者だったらどうしますか。
弾いて聴かせてあげるんです。ピアノでもHDでもなんでもいい。
「ここってこんな響きなんですよ」って。
それだけでね、合ってきたりするのです。ただそれだけで、です。
なぜだと思われますか。
完成形を知ったからです。ひとりひとりの耳が、ね。
響きの譜読み
「完成形ぐらい知ってるよ。参考音源何度も聴いてるし」ですか。
細部の響きまで全部知っている?
聴いたといっても録音音源でしょ。なまの響きではないですよね。
だから、合わせてみるのです。ゆーっくり、ね。
楽譜をもらったら譜読みをしますよね。
それは、個人の譜読み。
自分がもらった楽譜を音にするための譜読みですよね。
合奏での『響きの譜読み』は、合奏全体の響きを音にするための譜読みなのです。
だから、全部の響きをよく感じられるくらいのゆっくりのテンポでやります。
しんどいから、らくなダイナミクスで。
ひとりひとりが、合奏のハーモニーなどの響きやそのつながりに意識を向けて、よく感じる。
そうしてその響きがそれぞれの中に入ってはじめて、合奏の響きって出来るのです。
全体の響きに
課題曲解説にも書きましたが、今年の課題曲でいったら『ザ・ガーズ』など特にこれ大切です。
とても巧みなハーモニーで書かれているので。
もちろんどんな曲であっても有益だとは思いますけども…
なにしろ、全体の響きに意識を向ける。響きを感じるのです。
あと、歌って合わせてみることも、いろんな意味で有益だと思いますよ。どんな曲でも。
たとえ音が合っていたとしても、全体の響きをほんとうにはわからずに奏でている合奏は、
聴いていて必ずバレます。
個人の譜読みとおなじように、響きの譜読みも大切だと思うのです。
さて、全体の響き、入っていますか。



