なぜ楽譜に運指や音名を書くことはよくないのか | フクロウのひとりごと

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管楽器のみなさん、楽譜に運指、指番号やスライドポジションを書き込んでいませんか。また、音名を書き込んでいたりはしませんか。これ、あまりおすすめできません。その理由と、どうしたらいいのかを書いてみます。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

楽譜に 

 

初心者さんや経験の浅い生徒さん、また最近では1年以上楽器をやっている子でさえ…
楽譜を見るとほとんど全部の音符に指番号やポジションが書いてあったりする。
それから、各音符にドレミで音名を書いている人もいたりする。
これ、どうしてなのでしょうか。
そうしなさいと、誰かから言われたのでしょうか。先輩に言われた?
ずばりこれ、おすすめできません。
指番号や音名を書き込んでいるうちは、いつまでも楽譜を読めるようにはならないからです。
書き込むとしても『必要最小限』にすべきです。
そして、必要なくなった指番号や音名は、どんどん消していくべきです。
だから当然、書くとしてもえんぴつなど消せるものでしか書いてはいけません。
そもそも基本的には、楽譜に消せないペンなどで書き込みをしてはいけません。
 

 

音符→音 

 

どうして楽譜に指番号や音名を書くことがいけないのでしょうか。
そもそも、『楽譜が読める』というのはどういうことなのでしょうか。
それは…
音符を音に変換できることです。ダイレクトに、ね。
そのためにはまず、音符を見て吹くことが大切なのですが…
もし指番号や音名を楽譜に書いてしまうと、音符ではなくそれしか見なくなるからです。
番号しか見ない、音名しか見ない、かんじんな『音符』は見ない…
それでは、いつまで経っても楽譜を読めるようにはなりません。
いつまでも、半人前です。
でも、それならどうしたらいいのでしょうか。
 

 

音階を 

 

ずばり、音階をひとつおぼえてください。
ひとつでいいのです。とりあえず、ね。
楽譜を見て吹けるようにしてください。
そしてその音階の楽譜には、指番号や音名は書かないでください。
音階ひとつでいいのです。おぼえて、『音符』を見て吹けるようになってください。
そうすれば…
その音階の音は、番号や音名を書かなくても吹けるはずですよね!
まずはそこからです。それが、最初の一歩です。
『音符→音』にしてください。
番号→音ではなく、音名→音でもなく。
そもそも番号と音が結びついても意味がありません。
それから、楽譜が読めるために『音名』は必要ないと思います。どんな楽器でも。
少なくとも、最終的には、ね。
 

 

ドレミ 

 

そして、ドレミで音名を書くことがよくない理由は…
ドレミってね、階名に使うものなのです。
楽譜に階名を書くのなら、有益かもしれません。
ぼくはスコアには書くことがありますよ。
尤も、階名を意識に入れるためには楽譜を読めるようになっていることが必要でしょうけど…
ところが楽譜にドレミで音名を書いてしまうと、
階名、つまり移動ドを身につけられる可能性をなくしてしまうのです。
移動ドは有益なものなのです。いろいろな意味で。

階名 … その箇所の調性の主音をド(短調はラ)とする音符の呼び名。

 

 

仕組みを理解する 

 

もうひとつ、大切だと思うのは…
運指やスライドで音を変えられる、それっていったいどんな仕組みになっているのか、
それを、なんとなくでもいいので理解すること。
バルブやピストンの楽器だと、なんにも押さない状態が、管がいちばん短い状態です。
トロンボーンは見た目どおり、1ポジションがいちばん短いですよね。
では、その状態でいったいどんな音が出せるのでしょうか…
これはね、自然倍音列です。



自分の楽器の解放、1ポジションで出せる音を、まずは知ること。
そして、バルブやピストンだと…
1番を押すと、そこから全音低くなる。
2番を押すと、そこから半音低くなる。
1番と2番を押すと、そこから短3度低くなる。
2番と3番を押すと、そこから長3度低くなる。
1番と3番を押すと、そこから完全4度低くなる。
1番と2番と3番を押すと、そこから増4度低くなる。
管が長くなると、音は低くなるのです。難しいですか?
なにしろ、バルブやピストンを押すと、その分、管が長くなって音が下がる。
トロンボーンは単純で、ポジションが1つ遠くなるごとに半音ずつ下がる。
そんなふうにして、音をつくっているのですね。
 

 

ポジションと運指の関係 

 

トロンボーンのポジションと、バルブ楽器の運指の関係は…
1ポジション=解放
2ポジション=2番
3ポジション=1番
4ポジション=1,2番
5ポジション=2,3番
6ポジション=1,3番
7ポジション=1,2,3番
です。
仕組みがわかったからってすぐに運指が出てくるようにはならないかもしれませんが、
少なくとも、運指やポジションをおぼえる助けにはなると思うのです。

さて、みなさんはいつまでも楽譜に指番号や音名を書いていたりはしませんか。