和音の話 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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以前に純正律の話を書いたことがありました。長3和音や短3和音を純正に合わせるやり方は、ご存じの方が多いと思います。でも、ことはそう単純でもないのです。そんなハーモニーの実際を、きょうは書いてみますね。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

長3和音、短3和音 

 

上の画像は、長3和音と短3和音ですね。
まず、長3和音を純正にするにはどうすればいいかというと…
根音はそのままにするとすると、第5音は2セント高く、第3音は13.4セント低く。
平均律に対してこれだけ動かすと、純正になる。相対的に、ね。
そして短3和音は…
根音はそのままにするとすると、第5音は2セント高く、第3音は15.4セント高く。
平均律に対してこれだけ動かすと、純正になる。相対的に、ね。
これはたしかにそうなのですが、でも、ことはそう単純でもないのです。
たとえば第5音は動かずに、根音の方が動く場合もある。
第3音を中心に、ほかの音が動く場合もある。
それぞれの音程関係がこうなると純正になる、それは、あくまでも『相対的に』なのです。
 

 

主要3和音 

 

みなさん、主要3和音ってご存じですか。
その調の、Iの和音、IVの和音、Vの和音が、主要3和音。
それぞれ、トニック、サブドミナント、ドミナントの性格を持った和音です。
長調で考えてみると…



これが、ハ長調の主要3和音。
Iの和音、Cの和音は、根音がゼロで第5音と第3音が動く、で問題ないのです。
Iの和音の根音は、その調の主音。つまり、その調、この場合ではハ長調の中心の音です。
だから、動かない。ここがポイントですよ。

さて、次に、サブドミナント、IVの和音を見てみると…
構成音は、ファ、ラ、ド。
えっと、ドは、動かないのでしたよね。第5音ですが…
ということは、根音ファが、2セント下がる。
それによって相対的に、完全5度が2セント広くなる。
第3音ラは、15.4セント低くなる。わかりますか。
相対的なんです。

そしてドミナント、Vの和音。
構成音は、ソ、シ、レ。
ソは、Iの和音では第5音でした。だから2セント高くしました。
そのままのソから、ソシレの和音をつくるのです。
すると、第5音レは4セント高く、第3音シは11.4セント低くなる。

さて、実際の演奏でそうなっているのかというと…
どうでしょうね、場合によるのではないでしょうか。臨機応変です。
でも、理想的にはこうなんです。
長3和音の第3音はいつも13.4セント低くとは限らない。第5音は2セント高くとは限らない…
 

 

4和音 

 

次に4和音を見てみます。
まずはメジャーセブンス。



根音をゼロにするとすると(いつでもそうとは限りませんが)、
第5音と第3音は長3和音と同じでいいでしょう。
第7音は?
第3音(13.4セント低いのでしたよね)と完全5度なんです。ということは…
11.4セント低くすれば、純正になりますね。
でも、はたしてそれがいいのかどうかは、場合によると思います。
むしろ平均律のほうが『らしい』ことだってあるかもしれません。

そして、セブンス。



これも、第5音と第3音は長3和音と同じでいい。
第7音は?
自然7度というのがあります。自然倍音列の、第7倍音。
これ、31セントも低いのです。
これを使いますか?
結論からいうと、セブンスの和音で自然7度を使うことは通常はありません。
これを純正にしてしまったら、セブンスの緊張感がなくなってしまうからです。
 

 

いろいろな場合 

 

それから、たとえば長3和音の第3音が、メロディだったら?



この最初のミの音、13.4セント低くしますか?



このシの音も、低くしますか?
どちらの場合も、ちょっと変じゃないですか。

まだまだいろいろあります。
「長3和音はこうする」って簡単に言えるほど、実際には単純ではないのです。
 

 

どうすれば 

 

では、どうすればいいのでしょうか。
『13.4セント』とか『15.4セント』とか数字で合わせるのではなくて、
やっぱり耳で合わせるのです。
それしかないのです。残念ながら?

うちのホームページにこんなゲームがあります。やってみてください。

 


なにしろ、「13.4セント下げたから合うだろう」ではないのです。
知識だけでやっていると、「それじゃ下げすぎだろ!」なんて言われてしまったりもする…
(学生時代のぼくです)
あくまでも、「心地いいところに合わせたら結果的にそのピッチになった」なのです。
だからなにしろ、響きを耳でおぼえましょう。

さて、ハーモニー、心地よく合っていますか。