みなさんは、衝撃を受けた音楽や演奏ってありますか。それによって世界観が変わったり、固定観念が覆されたり、新しい世界が開けたり…。それはどんな音楽でしたか。誰の演奏でしたか。ぼくの経験を書いてみますね。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
幻想交響曲
まずはこれ。
ぼくが初めてなまのオーケストラを聴いたのは、高校2年の時(遅いですよね…)。
グイード・アイモーネ・マルサンという指揮者で、N響でした。
曲はオベロン序曲、ピアノコンチェルトはなんだったかな…、ソリストは内田光子さんでした。
そしてメインは、ベルリオーズの幻想交響曲!
会場は島根県民会館。松江城の近くにあるホールですね。
正直それまで、クラシックってちょっと退屈なものだって思っていたのです。
プログラムノートをみて、初めて聴く幻想にはちょっと興味をいだいたのですが…
3楽章までは、なんだか華やかな感じのオーケストラに見入って聴き入っていました。
で、4楽章…
正直、衝撃が走りましたよ。なんちゅう音楽だ!と。
そして5楽章も!
おお!すごい、かっこいい!
悲愴
おなじような時期でしょうか、テレビで悲愴をやっていたのです。
チャイコフスキーですね(ベートーベンではなく、ね)。
ご多分に漏れず、3楽章ですよ。
おお!かっこいい!すごい!すごいぞ!と。
探しましたねレコード。
というより、探すほどいろいろはありませんでした。
唯一手に入った悲愴が…、カラヤンのベルリンフィル。
わくわくしながら聴きました。
3楽章の無限ループ(笑)
やっぱりかっこいい!いつか、やってみたい!
ひとしきり、何日も気が済むまで3楽章を聴いてから…
じゃあ最初から聴いてみようかな、と(やっとかい!)
そしたら1楽章で、風が吹き抜けたのですよ。ふわーっと…
2楽章も、なんだかいい。
毎日風に吹かれたのでした。
悲愴もいろいろな演奏を聴きましたが、あとになって思えばあれは名演でした。
カラヤンがベルリンで入れた6度目の悲愴。
のちにフリーランスになって、悲愴をオケの定期で吹く機会があったのですが…
3日くらい前からなんだか夜寝られなくなったりしました。うれしすぎて。
向井滋春さん
高校の吹奏楽部でね、定期演奏会でビートルズのデイ・トリッパーをやったのです。
あれはどこの楽譜だったのだろう…、ニューサウンズかな?
その中にサックスとトランペットとトロンボーンの、それぞれアドリブソロがあったのです。
あとになって思えば、あれはブルースでした(詳しい説明は省きます)。
で、書き譜のソロ(アドリブっぽいのが音符で書いてある)が、あんまり面白くなかった…
なので一晩考えてきたのです。派手なソロを。
で、次の日の合奏でそのソロを披露したら…
ジャズドラムもやっているパーカスの先輩が触発されてノリノリになっちゃった!
合奏終わってから、「福見、めちゃくちゃかっこよかったぞ!向井滋春みたいだな!」って。
それから探しましたよ向井さんのレコード。
聴いて、かっこいい!やりたい!こんなのやりたい!ってなった。
大学の受験講習会で東京に行ったとき、
このまま講習行かずに向井さんとこに弟子入りしに行こうかって本気で考えた。
その後、なにかのライブがはけたあと、
打ち上げて向井さんと2人でラーメン食べに行ったことがあって…
わかります?ずっとあこがれた人のとなりで…、この感覚!
で、あのときのソロは、結局…
却下されてしまったのです。ほかとの釣り合いが取れない、って…
くそーっ!
アビー・コナント
みなさんアビー・コナントというトロンボーン奏者をご存じですか。
おそらく1枚っきりだと思うのですが、アルバムが出ているのです。
オルガンとやっているソロアルバム。
聴かれた方はおられるでしょうか。
これまでさまざまなトロンボーン吹きのアルバムを聴いてきましたが、
あれほど衝撃を受けたアルバムはありませんよ!
ぼくの中ではもう別格ですね!
なにより、あの音!
たとえば最初のヘンデルを聴くと、何度聴いても鳥肌立ちますよ。録音なのに。
オーケストラで使えるような太いダークでシンフォニックな音と、
ある程度小回りよくソロなんかが吹けることって、はたして両立できるものなのか…
当時そんなふうに半ば悩んでいたのですが…
まさにこれ!という感じ。衝撃でした。
ひとつの音楽や演奏との出会いが、その後の人生をも変えることもある。
みなさんはありますか、そういう出会い。
