楽しいことって決してラクではないのです | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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先日書いた『響け!ユーフォニアム』の感想に、楽しいことと結果を求めることは2者択一などではないということを書きました。きょうはこれを掘り下げてみたいと思います。楽しいことって決してラクではないのです。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

コンクール 

 

もうすぐコンクールですね。
みなさんは、なぜ、なんのために、なにを目的に、コンクールに臨みますか。
いろいろな答えがあるのでしょうけど、ぼくはこれ、じつは単純なことだと思うのです。
ここまでの自分(たち)の出来る精一杯の演奏を用意して披露する。
そしてそれを評価してもらうのが、コンクール。
それをせず、ただ「こんなもんでいいかな…」「いいじゃんこのくらいで…」
そんな程度の気持ちで臨むのであれば、コンクールなどに出る意味はないと思うのです。
適当にやった金賞などに価値はない。
精一杯やった銅賞であるならば、称賛されるべき。
きれいごとやまやかしではなく、結果至上主義でもなく。
 

 

楽しいこと 

 

以前にも書きましたが…
本気で音楽を追求することは、本質的に『楽しい』ことです。
その反対側にある(と思われがちな)『楽しい』は、じつは全然、楽しくなんかないのです。
ダラダラいい加減な練習をしてグダグダな演奏をして、楽しいわけがないですよね。
ラクなことって、決して楽しくなんかないのです。
ほんとうの『楽しい』は、決してラクではないのです。しんどいのです。
(じつはこれは以前の教え子が教えてくれたことです)
でも、それを追求するのが、コンクール。
いや、コンクールだけではなく、ほんとうはすべての本番がそうであるべきですよね。
でなかったら、聴いてくださっているお客さんに対して失礼です。

それでは保護者さんの理解だって得られませんよ。
 

 

しんどいこと 

 

コンクール前、毎日毎日合奏でクタクタになって家に帰って…
こんなしんどい思いをして、あの子たちにはなにが残るんだろう、って思ったことがあって…
それを、かつての生徒に話したのです。上に出てきたのとはまた別の子。
コンクールって、結果が出た瞬間は賞のことでいっぱいになるけれど、でも、
あとになって残っていく大切なものは、仲間と本気でがんばった日々。
しんどいことも、ひとりで臨んだら「しんどい」になるけれど、
仲間と一緒に乗り越えれば「がんばった」になる。
ずっとずっと残っていくのは、そんな日々の経験なんだ…
そんなふうに、その子は言うんですね。
あぁ、かけがえのないことなんだな、って思いました。
 

 

どんなにがんばっても… 

 

以前、こんなことがありました…
とある吹奏楽部でトロンボーンの子を教えていて…
トロンボーンの目立つメロディがあったのですよね、教えていた曲に。
こんなふうに吹いたらいいよ、って吹いてみせたら…
泣かれてしまったのです。ぽろぽろと。
あぁ一生懸命練習したんだろうな、って思いました。
だからあんなに泣けたのでしょう。
練習しても練習しても出来なくて、それをちょっと来た人が吹いちゃった。
くやしかったのでしょうね…
 

 

本気でがんばったからこそ 

 

世の中には、どんなにがんばっても届かないモノがあります。
その悔しさは、ほんとうに本気でがんばった者にしかわからない。
適当にやった者にとっては、届かないことなど「ふーん」程度でしかない。
届かなかった悔しさは、本気で頑張ったからこそ感じられる尊いものなのですよ。
それを得ることだって、コンクールに出る価値のひとつでもあると思うのです。
そこでどうするのか、それをどう捉えるのか、どんなふうに、その先に進むのか。
これってとても大切なことだと思うのです。
本気で頑張ったからこそ、得られるモノ。
それは、この先の人生の中で大きな糧になるはず。
でも、がんばってもがんばってもうまく行かないのは、がんばり方が違うからかもしれない。
それをちょっと軌道修正してあげることも、ぼくらの仕事だと思っているのです。
 

 

ほんとうの楽しさ 

 

なにしろ、「しんどい」の反対側にある楽しさなど、ほんとうの楽しさなんかではない。
そんなものを「楽しさ」だなどという考え方は、申し訳ないけれど全否定させてもらいます。
それはほんとうの楽しさを知らないから出てくる考え方。
ほんとうに楽しいことは、しんどい。決してラクではない。
でも、それこそが、真剣に音楽を追求することこそが、ほんとうの楽しさなのです。
以前、やっぱり毎日しんどい練習をして、でもなぜか生徒たち、にこにこわくわくしていて…
なにがそんなに楽しいのだろうと思ったのだけれど、
やっぱり音楽することって本質的には楽しくて、そのことに気づかせてくれたのですね。
なにしろ、生徒たちにこれまでいろんなことを教えてもらってきたように思います。

さて、音楽、真剣に追求していますか。