人に教えるということは | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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吹奏楽部を指導していて誰かに何かを教えるということは、自分の中だけで理解するのとは違った、1段高い理解、確信が必要なように思うのです。そう思われませんか。そんな経験を、きょうは書いてみたいと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

アクセント 

 

みなさん、アクセント(>)という発想記号の意味、ご存じですよね?
「はっきりと」ではないですよ。「目立たせる」、「際立たせる」です。
これはもうけっこう前の話なのですが…
とある高校吹奏楽部を合奏しているとき、合奏を止めて訊きました。
「アクセントってどういう意味だと思う?」
生徒の一人が、自信を持って答えます。
「はっきりとです」
ぼくは言いました。「違うよ」…
言ってはみたものの、その子があまりにも確信を持って答えたものだから…
「あれっ、はっきりとという意味もどこかにあったりするのかな…」
という不安、疑問が沸き上がってきたのです。
横におられた音楽の先生も、確信を持って答えられないようでした。
で、言いました。
「ごめん、わかんない。次回までに調べておきます」
それからいくつかの音楽辞典やホームページなど、片っ端から調べてみたのですが、
やっぱりどこにも「はっきりと」という意味はありませんでした。
ちなみにみなさん、「はっきりと」は、なんだかわかりますか。
そう。マルカートですね。
 

 

聞き伝え? 

 

ぼくはトロンボーンなので、替え指など金管楽器のことはまあわかるのですが…
そのほかの楽器については確信を持って言えないことって少なくないのです。
書いてしまいますが、先日もこんなことが…
打楽器の子、見たこともないなんだか不思議なグリップでマレットを持っています。
「その持ち方、誰に教えてもらったの?」
「ネットで調べました。ロール用のグリップです」…
まあ世界は広いからいろいろあるのかな…、と思って、後日打楽器の先生に訊いてみたら…
「そんなグリップはない!」…
たしかに考えてみたら、あれがロール用のグリップであるはずがありません。
でもね、やっぱりその場ですぐには答えられないのですよね。専門家の裏を取らないと。
単なる知識や知見、憶測や聞きかじり程度の情報では、指導って出来ないのです。
でもその生徒さん、工夫しよう、調べてみようという姿勢は素晴らしいですよね。えらい!
そして、やっぱりインターネットって怪しい情報も少なくないのです。
 

 

どう思う? 

 

指導していて、「これはどうしたら解決するんだろう…」という事象に出会うことがあります。
専門外の楽器だと、「こうしたらいいんじゃないかな」と思っても、確証を持って言えない、
そんなことも少なくありませんよね。ぼくは少なくないです。
そういう内容を、「これはこういうふうに練習しなさい!」なんて言えないですよね…
そんなときはどうするか…
その楽器の上級生、とくに誰かの個人レッスンについているような子を連れてきて訊きます。
(そういう子がいるとほんとうに助かりますよね…)
「これ、こんなふうに出来るようにするためにはどうしたらいいと思う?」
ぼくと、生徒と、上級生、3人でディスカッションです。
ぼくも勉強になります。
そして上級生にとってもきっと、パートの子の様子を観察する機会になりますよね。
 

 

理解が深まる 

 

たとえ自分の専門の楽器を教えているときでも…
生徒のことを観察して、いろいろ気づく。そして、
「もっとこんなふうにやってみたら」と提案する。
そういう中で、自分の中でまた一段深く理解できたり気づけたりすることもある、
そんなふうに思うのです。
当たり前、常識なことでも、そこからさらに一歩深い探求につながる。
みなさん練習する時って観察しますよね、自分を。
おなじように、教えるときって生徒を観察します。
そうすると、新たな気づきがあったりする。
教えることって、教わることでもある、そんな気がするのです。
人に教えることって、ちょっとした聞きかじり程度の情報では出来ない…
だから調べたりその道の専門家に訊いたりする。
それは、自分にとっての勉強にもなるし、こっちが生徒に教えられることもある。
指導に携わる人間でなくても、上級生になると後輩を教えることもありますよね。
それってだから、自分の成長の機会でもある、そんなふうに思うのです。
教えることは、教えられること。

さて、みなさんは教える機会、ありますか。