毎月恒例になっていますフライト訓練、今月も行ってきたので書いていきます。進歩も感じるけれど、次から次へと出来ないことが出てもくる、そんな感じなのです。なにしろ今回は風が強かった…。外も、そしてシムも。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

この日、セントレアではジェットスターさんが訓練されていました。
今回は…
今回は、風の中の離着陸、そして、低視程の精密進入をやりました。
おりしも台風22号の影響で外も風が強かったのですが、
それと同じくらいの風を入れてもらいました。
風速20kt。10mくらいです。
横風と、正対風。
風が入るとね、いきなり忙しくなるのですよ!
風って、なにが難しいと思われますか。ファイナル?
風が強いと流されますよね。その分を計算に入れて旋回しなければならない…
まっすぐ飛ぶときも、流される分を計算して偏向角をつけて飛ばなければならない…
もちろんファイナルや流される計算も難しいのですが…
いちばん難しいのは、速度の維持なのです。
風のなかを飛ぶと、飛ぶ向きによって速度が変化するのです。
そんな中で狙った速度を維持するのが難しいのです。
速度
飛行機の速度ってどうやって計るのかご存じですか。
それは、対気速度。つまり、回りの空気に対する相対速度なのです。
ピトー管という管が、飛行機の進行方向に向けて設置されています。予備も含め何本か。
その管に入ってくる空気の圧力を計ります。これを『動圧』といいます。
一方、その場所の気圧も計っています。これを『静圧』といいます。
この動圧と静圧の差から、速度を算出しているのです。
これを『指示対気速度(IAS)』といいます。
高く上がれば空気は薄くなりますよね。
なので高空ほど、対気速度は実際の速度より少なく表示されます。
ちなみに使いませんが、実際の対気速度を『真対気速度(TAS)』といいます。
また高空では『マッハ数』も使います。これは音速の何%で飛んでいるのかということ。
空気の断熱圧縮を使って計測します。
音速は気温に左右されますよね。だから…
同じマッハ数で飛んでいても気温が下がれば、つまり高く上がれば実際の速度は下がります。
ところで、飛行機には『最大運用速度』と『最大運用マッハ数』が決められています。
ちなみにB787の場合…、最大運用速度は340~365kt、最大運用マッハ数は0.90。
最大運用速度を365ktだとすると、それとマッハ0.90が出会う高度は…
地上気温20度とすると、高度27500ftですね。787が飛べる最高速度。
時速にすると約1004km/h!
風
なにしろそんなふうにして、飛行機の速度は計測されているのです。だから…
風のなかを飛べば、旋回するたびに速度が変化する…
風上に向かって旋回すれば速度は上がるはずですよね。
逆に風下に向けるときには速度は減る…
もちろんそれを予測して飛ぶのですが、
予測とは微妙に、いや、けっこう違う変化をするのです。
特に着陸直前、ベースやファイナルでは、もっとも速度を落としていますからシビアです。
そんな中で、パスやコースを合わせなければならないのです。
横風20ktでミニマムサークルもやってみたのですが…
「これはできないわぁ…」ってついつい言ってしまいました…
1回目ゴーアラウンド。
2度目はなんとか降ろしましたが…
正対風
正対風なら難しくないと思うでしょ。でもね…
やっぱり旋回すれば速度は変化しますから、なかなか難しいのですよ。そして…
20ktの正対風のファイナルアプローチって、めっちゃゆっくり飛んでいる感じなのです。
「えっ、こんなに遅いの!?」という感じ。
まるで止まっているみたい。
降下率も、620fpmくらい。
それでも、対地速度は120kt(時速220km/hくらい)は出ているのですけどね…
ところで、ファイナルで正対風ということは、ダウンウインドではその名のとおり、追風。
滑走路端の延長線(アビーム)を通過して何秒飛んだらターンするかが決まっているのですが…
風を計算に入れて秒数を変えなければなりませんね。今回忘れていました…
一定風
横風、正対風、今回は20kt(風速10mくらい)でやったのですが…
でもまだ『一定風』なのです。
実際にこんな風が吹いていたら一定であることはありえないですよね。
風向や風速が変化します。つまり、ガスト(突風)がある。
この上ガストが入ったらどうなるのだろう…
なにしろこれまではほとんど晴天無風のなかばかり飛んできました。
つまり、外的要因で速度や高度が変化することがなかったのです。
これがいかにぬるま湯だったのかを思い知らされたのでした。
なので、これからが本当の訓練、という感じなのです。
ところで、B787の横風制限っていくつなのでしょうか。
航空会社や条件などによってこまかく決められているのですが…
滑走路面が乾燥している場合で概ね34〜35kt!
精密進入
そして、Cat1の精密進入をやりました。
視程が低いなかで、計器だけでアラインして滑走路に向けて進入するのですが…
難しいだろうな、とは思っていたのですが、予想以上の難しさ。
計器というのは、まずはND。
滑走路と、そこから引かれたファイナルコース、そして自機が表示されています。
トレンドベクターという、どっちにどれだけ旋回しているのかの曲線も出ます。
それからILS(計器着陸装置)。
滑走路中心線からどちらにどれだけずれているのか(ローカライザー)、
パスがどれだけずれているのか(グライドスロープ)、
それを表示してくれる計器です。
マークが真ん中に来るように飛ぶだけなのですが、これがね、そう簡単には出来ないのですよ。
2度アプローチしたのですが、1回目はアライン出来ずゴーアラウンド。
2度目はなんとか着陸できました。ふぅ…
ゴーアラウンド
なにしろ今回はゴーアラウンドが多かった…
アライン出来ない、パスが高い、低い…
低くなることが多かったですね。降下率を計算しながら降りているのですが…
おそらく、ダウンウインドの幅の誤差なのでしょう…。広くなることが多かった…
そして相変わらずトラフィックも、結構な頻度で現れます。
一度など、ファイナルを降下しながら見ていたら…
これから降りる滑走路で、離陸滑走に入った航空機がリジェクト(離陸中止)!
「あれ、止まりましたよね…!ゴーアラウンド!」
これ、実際ならタワー(管制)からゴーアラウンドの指示が来るのでしょうが…
いろいろなシチュエーションが準備されているのですね…
ゴーアラウンドもこれだけやると上手くなってきます。
基本は、離陸上昇と同じ。
でも、そこまでの飛行、とくにヘディングが乱れているとタスクが増えます。
次回への課題…
風の中での速度変化をつかむ
ダウンウインド幅の精度向上
ファイナルでの精度向上
計器進入!
ガストはまだ難しいか…
なにしろ今回も、1時間半で精魂尽き果てたのでした…
セントレア
ところでこれはこの日の午後の出発到着便なのですが…
小さくて見えないかもしれませんが…(汗)
国際線ターミナルもにぎわっていましたが、ほとんどがアジア線なのですよね…
そんな中に、『ヘルシンキ』…。珍しくないですか?
そして、小さい飛行機が多いです。
777や787なんか、ほとんどいないんですよね…
737ばかりです。特に国内線。
以前、名古屋空港の頃は北米や欧州線がけっこうあったと思うのですが…
大きな飛行機も多かったですしね(747とか…)
欧米路線は羽田や福岡に取られちゃったのでしょうか…
とはいえ、飛行機に乗らなくても十分楽しめるのが、セントレア。
みなさんもセントレア、行ってみませんか。

