ロングトーン | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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管楽器のみなさん、ロングトーンの練習ってされますか。されるとしたら、なにを目的にされますか。どんなふうにされますか。基礎合奏でもロングトーンってするかもしれません。でも、気をつけたいこともあるのです。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

ロングトーンの目的 

 

ロングトーンをする人は、その目的ってなんでしょうか。

  • 音を安定させること
  • 音を長く伸ばせるようにすること
  • 持久力をつけること
  • 音の響きを良くすること
  • 音色を良くすること
  • 音を観察すること
  • 空気の流れを観察すること
  • 奏法を良くすること
  • 自分の音と向き合うこと

いろいろありそうですよね。みなさんはどれですか。
また、どれであるべきだと思われますか。
ひとつとは限らないし、上にあげた以外にもあるかもしれませんね。
 

 

気をつけること 

 

もし、音を安定させることを目的にロングトーンをするとすると、
もしかしたら音を揺らさないように力で押さえつけるようになってしまうかもしれません。
でも、安定させようと押さえ込んでしまったら、音は響かなくなってしまいますよね。
ロングトーンをすることで響かなくなってしまったら本末転倒です。
揺れないことなんかよりも大切なことがあると思うのです。

もし、チューナーを見ながらロングトーンをしているとしたら…
これも、正直おすすめできません。
チューナーを見ながら、針が真ん中を指すように吹く?
それではたして『音程』が良くなるでしょうか。
チューナーを見ながら吹いている音は、となりの部屋で聞いていてもそれとわかってしまいますよ。

もし、音を長く伸ばせるようになることを目的にロングトーンをするとすると、
いかに空気を節約するかを意識するようになるかもしれません。
でも、節約することによって響きを殺してしまっては…
これも、本末転倒といえるのかもしれません。
有益な節約と有害な節約、これをちゃんと見極めることができること、大切かもしれません。
 

 

応用形 

 

ロングトーンの応用形としては…
タンギングと組み合わせる。



リップスラーと組み合わせる。



音が変わるロングトーン



トロンボーンならグリッサンドを入れる



どれもキーワードはきっと、『息の流れ』。
それからあとは…
ハーモニーでやる



そんなのが、もしかしたら有益かもしれないですね。
 

 

注意すること 

 

とある学校で、生徒さんが仕切って基礎合奏をしていました。
ぼくは横で見ていたのですが…
「次はフォルテで8拍!」
メトロノームは60です。ちょっと待ってね、と止めて、言いました。
「テューバさん、もし8拍がムリだったら4拍でブレスしていいからね」
どれだけの息、空気が必要なのかは楽器によって大きく違います。
もし必要な息を使えず無理に伸ばしたら、かえって響かない音になってしまうかも…
どの本だったかわからなくなってしまったのですが…
とある管弦楽法の本にこんなことが書いてありました。
『トロンボーンがフォルテで伸ばせる最大の長さは17秒である』
なんだか笑ってしまったのですが、そんなの人によって違いますよね。
でも大切なことは…
どれだけの息が必要なのかは楽器によって違うんだから、ちゃんと考慮しようね、ということ。
 

 

ロングトーン 

 

管楽器、人によっては…
「ロングトーンはいちばん大事な基本だ」といわれる人もいれば、
「ロングトーンなどする必要がない」といわれる人もいます。
さて、ほんとはどっちなのでしょうか。
思うのですが、これ、どっちも真実なのかもしれません。
人にはいろいろな奏法、タイプがある。
ロングトーンがプラスになる人もいれば、そうではない人もいるのかもしれません。
でなかったら、こんな両極端な言葉は出てきませんよね。
人はひとりひとり違っていて、いろいろいる。だからきっと大切なことは、
自分にはなにがプラスになるのかを、ちゃんと見極めること。

さて、みなさんはロングトーンをされますか。なにを目的に、どんなふうにされますか。