みなさん『指揮なし合奏』ってされたことありますか。合奏って、指揮者がいなければ出来ないものでしょうか。でも、たまにはやってみたらいいと思うのです、指揮なし合奏。これの効用って、少なくないと思うのです。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
だんだん遅くなる
あるバンドを合奏していたときのこと…
ゆっくりの部分だったのですが、だんだん遅くなる、重くなるんです。
さてどうしたもんかな、と…
ここで、打点や拍をはっきり振るのでは効果ありません。
ゆっくりゆったりな曲なのですから。それに…
拍や点を見せるのが指揮者の仕事、ではありませんから。
こんなとき、もし今なら迷わず、こんなふうに言うでしょう。
「指揮なし合奏!」
指揮者について行く?
そもそもどうして重くなっていくのだと思いますか。それは…
みんなが指揮者に、ほかの誰かに、あとからついて行っているから。
合奏って、指揮者について行くもの、ではありません。
指揮者に全部振ってもらって、それにただ付き従うもの、ではないのです。
指揮者って、ツアーコンダクターではないのです。
団体旅行の先頭で旗を振っている人いるでしょ。
なんなら、なんにも考えないで旗について行くだけで快適な旅行が出来る…
あれとは違うのですよ。
指揮者にただついていくだけの合奏では、指揮者がどんなふうに振ったって合わないんです。
ひとりひとりがちゃんと旅の道程を理解して、意思を持って旅をするのです。
指揮者には『ついていく』のではなく、『一緒にアンサンブルする』のです。
テンポの変化のある曲でも
マーチのように一定のテンポで進んでいく音楽なら、指揮がなくても出来ますよね。
(決して指揮者なんかいらないと言っているわけではなく)
でもなかにはテンポの変化のある曲ってあるでしょ。
テンポが揺れる曲。
こういう曲でも、指揮なし合奏をしてみてほしいんです。
実際やっていたバンドがありました。
指揮がいないと、別の誰かに合わせる、になりがちですよね。
それも、しないのです。
それぞれが、あくまでも自分の意思で演奏する。
うかがわない。
それぞれがどんなふうに音楽を感じているのかが、よくわかるでしょ。
合わせようとしない
吹奏楽の合奏の指示で、もしかしたらいちばん多く聞かれる言葉かもしれません…
「合わせて!」という言葉。
さて、これを言われたら、どうしますか。
まわりはどうやっているんだろう…、様子をうかがって、とにかく合わせなければ…
自分をなしにして…
それで、合うようになりますか。
そんなふうだから、むしろ合わないのですよ。
合わせようとするから、かえって合わない。
合奏って、合わせようとするから合うのではないと思うのです。
合わせようとして合うのと、結果的に合うのとでは、次元が違うのです。
無理矢理に合わせようとして出来た音楽って、どこかいびつで不自然です。
では、どうしたらいいというのでしょうか。
意思を持つ
ひとりひとりが明確に、意思を持つこと。
これが、まずは大切だと思うのです。
ひとりひとりの中に、音楽があること。
それじゃあ合わなくなるのでは? と思われますか。
逆です。
それでなければ合わないのです。
自分が意思を持っているからこそ、人の意思もわかるし指揮者の意思もわかるのです。
それが、アンサンブル。
どんなに大きな合奏でも、いや、大きな合奏だからこそなおさら、アンサンブルは大切です。
それは、ひとりひとりが意思を持って初めて、可能になることなのです。
さて、指揮なし合奏、してみませんか。
