楽器メンテナンスの都市伝説 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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みなさん楽器のメンテナンスこまめにしてますか。メンテナンスの方法にもいろいろありますが、過去には都市伝説的なものもあったようですね。そんなお話を金管楽器を中心に、きょうは書いていってみたいと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  腐った牛乳!?

 

新品の楽器って、まだこなれていなくて鳴りにくかったりしますよね。
そんなときには腐った牛乳を管に通してやるといいという話が、昔ありました。
もちろんこれは金管楽器に限った話です。
みなさんは聞かれたことはありませんか。
今考えてみたら、とんでもない話ですよね。腐った牛乳って…
もちろんぼくは、やったことはありません。
せいぜい真水を通したぐらいですね。なにか変わるのかって?
変わりませんよ。気分の問題だと思いますね。
でもこれ、いったい誰が言い出したのでしょうか。
 

 

  デニス・ウィック

 

ロンドンフィルの元首席トロンボーンにデニス・ウィックという奏者がいました。
みなさんご存じですよね。ミュートやマウスピースなんかも作られていますよ。
その人が昔、『トロンボーンのテクニック』という本を書かれました。
日本では音楽之友社から翻訳版が出ていて、初版が…、昭和47年!(今でもあるの?)
じつは持っているのですが…(初版ではないですよ。高校の頃に熟読したなぁ)
その中の、『楽器の取り扱いと手入れ』という項に、こんなふうに書かれています…

新しい楽器の“硬さ”をほぐしてやる方法として、管の中に腐った牛乳を流し込むとよいという話を聞いたことがある。あまりきれいな方法とはいえないが、たしかに効果がある。牛乳の代わりに水を使っても同様の効果が得られる。

おいおいデニス、きみだったのか言い出したのは?
 

 

  お勧めできません

 

いや、『聞いたことがある』と書いてあるので、どこかのイギリス人が言い出したのか…
にしても、『たしかに効果がある』と書いてあるということは…
やってみたってことね(笑)
みなさんは、やってみたことはありますか。
ずばり、絶対にお勧めしません。
その本では、妥協できる最良の策として、

バルブオイルのような軽いオイルを管に通してやる

という方法も書かれています。
管の内面がなめらかになる効果を狙っているのでしょうかね…
これも、あまりお勧めできないかな…
スライドがネバネバになってしまいますよ。
同じ理由で、ロータリーにローターオイルをドバドバ注すのもお勧めしません。

数滴で十分です。
 

 

  ポンズ

 

そして、スライドクリーム…
トロンボーン吹きのみなさん、聞かれたことはありませんか。
スライドには、ポンズのコールドクリームを使うのが最良だという話…
ポン酢ではありませんよ。『ポンズ』です。コールドクリーム(ほんとは何に使うの?)。
これにくらべたら、Bachのスライドクリームなんかクソだ、って…
(Bachのクリームって良いんやで!)
これも、いったい誰が言い出した!?
つけてみたことはありますよ、ポンズ。昔ね。
全然ダメじゃん!ネバネバネバネバ~
とくに一部の軽音楽方面で聞いた気がしますね、この話…
現代の楽器はクリアランス(隙間)が狭いから、クリームよりオイルの方が合うでしょうね。
ただし、クリームよりも固まりカスが出来やすいのでこまめな手入れは必須ですが…
 

 

  フライパンで…

 

これは、とある有名トランペット奏者さんの話なのですが…
マウスピースをね、フライパンで煎るのだそうですよ!
いわゆる、熱処理(焼き入れ?焼きなまし?)なのでしょうね。
それから、また別の奏者さんなのですが…
○○度の油で○分間熱を入れるのだと…
これも熱処理なのでしょうね。
もちろん、やってみたことはありません。
新品のマウスピースは部屋のカギと一緒にポケットに入れて一週間、って人もいたな…
つるつるがダメなのだとか…
なにしろどれもこれも、絶対にお勧めしません。
マウスピースを何十本もダメにする覚悟があるのなら、自己責任でどうぞ。

まあいろんな都市伝説はありますが…
なにしろ、普通にこまめにお手入れして、きれいにしておくのがいちばんだと思いますよ。
昔、管の中を覗いたら半月みたいになっていたことあります(汚)。
よくあんなんで吹いてたな(呆)。

みなさんは、聞かれたことないですか。おかしな都市伝説…