おぼえるとはどういうことなのか | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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なにかをおぼえる、たとえば暗譜なんかもそうですよね。社会人の人は、仕事をおぼえる、また、なにかが出来るようになる、それってどういうことなのでしょうか。それは頭で記憶することとは違うことだと思うのです。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  おぼえる

 

いきなりですが、みなさん、『NATOフォネティックコード』ってご存じですか。
無線通信で正確に伝わるように、アルファベットの呼び方があるのです。
合奏でも、アルファベットの練習番号を『アメリカ』『ベートーベン』『ショパン』なんて言うでしょ。
フォネティックコードでは『アルファ』『ブラボー』『チャーリー』『デルタ』『エコー』…
ご存じの方、、あんまりおられないでしょうね…

(これをおぼえないとパイロットにも管制官にもなれません…)
これ、おぼえました。全部。
もう普通に出てきますよ。合奏でも使ってしまいます…
さて、こういうの、どうやったらおぼえられるのでしょうか。
 

 

  なにでおぼえるの

 

あたまでおぼえる?
人間がほんとうにおぼえることって、あたまでおぼえるのではないと思うのです。
記憶、ではないと思うのですよね。
ぼくは学生の頃、暗記科目(と言われているもの)は丸っきりダメでした。
英単語、年号、地名、人名…、全然おぼえられません。
ところで、こうして今キーボードを打っているのですが、考えて打っていません。
キーボードのキー、これ、なにがおぼえているのでしょうか。あたま?
いえいえ、指がおぼえているのです。そうでしょ。
だから、「キーボードのキーの並びを紙に書いてみよ」って言われたら出来ませんよ。
 

 

  忘れる

 

ほんとうにおぼえることって、あたまでおぼえるのではない…
そりゃ、解剖学的には、やっぱり『脳』がおぼえるのでしょうけど、でも、
それは、意識の上での『記憶』とは違うところにあるのだと思うのです。
そうしてそうなって初めて、『おぼえた』と言えるのではないかと思うのです。
意識の上での記憶とは違う、いわば無意識の領域に入れる、そのためには…
あたまでおぼえるのは、意識の上での記憶ですよね。
だから、そんなものは忘れてしまうのです。あたまは空っぽにしてしまうのです。
忘れる。忘れたら、見る。そうだったなと思う。また忘れる。また見る…
そんなことを繰り返すうちに、いつのまにか、無意識の領域に入る。だから…
むしろ忘れることが大切な気がするのです。
 

 

  おぼえること

 

フォネテイックコードも、忘れることを繰り返しておぼえたのでした。
忘れることが大切。そして、もう忘れません。
そうそう、同級生に、名鉄名古屋本線の駅を全部記憶している人間がいます!
調べたら、全部で60駅あるようです…
やっぱりきっと、忘れることを繰り返しておぼえたのでしょうね…
キーボードのブラインドタッチのコツは…
どのキーをどの指で打つのか、それを絶対に守ることです。
そうすれば、指が、おぼえてくれる。鬼の速さで打てるようになりますよ。
ピアノの暗譜は、やっぱり指がおぼえるでしょ(ぼくはそうでした)。
 

 

  本質を理解する

 

なにかのやり方をおぼえる時、それを、記憶することではなく、『理解する』ことが大切…
そんなふうに思うのです。
そのことの本質を理解する。
なぜ、そうするのか、どんな意味があるのか、なんのために、そうするのか…
そういう本質を理解した上でおぼえられたら、いちばんいいかもしれない。
でも、おぼえなくていいから理解する、それでいいと思うのですよね。
理解出来ないくらいなら、おぼえないほうがいい。
いちばん最悪なのは、理解も出来ないくせに、おぼえようとすること…
これ、害しかないと思います。
こうして考察していくと…
それをいかに深く『理解するか』ということと、『無意識の領域』に入れること、
この2つが、ポイントになってきそうですよね。

さて、なにかをおぼえること、あなたは得意ですか。