時々出会うのですが…、吹奏楽を見下してバカにする人が、なぜか世の中にはいます。「あんなものは音楽じゃない」と…。そういう人ってほぼ例外なく、吹奏楽出身者ですよね。なぜ、そんな考え方になるのでしょうか。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
吹奏楽など音楽じゃない?
「吹奏楽なんか音楽じゃない」
「吹奏楽なんかやっていると個性がなくなる」
「吹奏楽なんか雑音だ」
…
しかも、ものすごく狭い視点でそんな主張をしていたりするのです。
崇拝する人にそう言われた…
それまで見てきた一握りの人がそうだった…
それともなにかトラウマでもあるのか…
なんにしろ、ただの思考停止ですね。
「○○なんか音楽じゃない」…
聡明な人なら、決してそんなことは言いませんよ。
だからこういう言葉は、それを放った人間のレベルの低さを現していると言っていいと思います。
吹奏楽に限らず、ね。
吹奏楽とオーケストラ
ありがちなパターンとして…
オーケストラに行った人が、吹奏楽のことを見下し、バカにするのです。
何人か見てきました。
以前にも何度も書きましたが…
吹奏楽も、オーケストラも、音楽のジャンルではありません。『演奏形態』です。
そこで扱う音楽のジャンルの範囲は少し違うでしょうが、それ自体はジャンルではありません。
パレットの色が少し多い(弦楽器がいますからね)という違いはあるでしょうが、
吹奏楽とオーケストラ、どちらが上でも音楽的に優れているわけでもなく、
それはただ単に、『形の違い』なのです。
良し悪しではありません。
吹奏楽=コンクール?
吹奏楽というと、イコール『コンクール』だと決めつける、そして、
コンクール、イコール、整えているだけだ、音楽なんてないんだ、と…
そんなふうに思い込んで決めつけている人もいますよね。
たしかに、そういう団体も、なかにはあるのかもしれません。
でもそれは、『吹奏楽』のせいでもないし、『コンクール』のせいでもありませんよね。
吹奏楽コンクールにも音楽はありますよ。ちゃんとあります。
ただ整えさえすれば、いい賞がもらえる?
残念ながら、そんな甘いものではありませんよ。
まずは整えて、それから音楽に取りかかる?
だからダメなのですよ。いったいなんのために整えているのでしょうか。
(いかん話がそれる…)
ロックとジャズ
ロックをやっていてジャズに行った人が、ロックをバカにする…
そういうのもあるそうですね。聞いた話ですが…
もちろん、そんな人はいたとしてもごくごくわずかなのでしょうけど。
でもなぜ、そんなふうに見下すのでしょうか。
ロックは単純? ジャズは複雑?(コード進行とか?)
ロックは子どもの音楽? ジャズは大人の音楽?(そうとは決まっていないでしょう)
ジャズには即興があるからレベルが高い?(だから何?)
これだって、もしも見下す人がいるのだとしたら、その人のレベルが低いのです。
「○○なんてダメだよ」なんて言っている、その人が『ダメ』なのです。
序列ではなく
形態の違い、ジャンルの違い、それは決して上下なんかではなく、
そのそれぞれに、良さや魅力があるのです。
上下や優劣ではないのです。
かくいうぼくも、学生の頃には後輩と論争してましたよ。
吹奏楽とオーケストラとどっちが上だとか言って…
今にして思えばほんとうに、青かったですねぇ、青二才でした。
それぞれに、良さや魅力、価値があるから、これまで残っているのです。
上下ではありません。
どのジャンルも、どの形態も、魅力的なのです。
さて、あなたのまわりにはいませんか、青二才。