演奏への誹謗中傷 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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今年も吹奏楽コンクールの課題曲が出ていますよね。そしてもうすでに、いくつかの団体の演奏動画が公開されています。聞いた話なのですが、そういう演奏に誹謗中傷のコメントがつくことがあるそうなのです。なぜ!?

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  課題曲

 

毎年の課題曲、1月終わりから2月あたまにかけて、世の中に出回り始めます。
今年の課題曲についての所感を、この記事に書きましたね…

 


いい曲ばかりだと思いますよ。
みなさんはどれがお好きですか。ぼくは…
ここには書かずにおきますね。
さて、楽譜が出るといちはやく、演奏されて動画を公開されるプロ団体がいくつかあります。
毎年のそういう取り組みは素晴らしいと思うのです。

ところが…

 

 

  誹謗中傷!?

 

たとえばそういう演奏動画に対して、誹謗中傷コメントがつくことがあるのだそうです!
はっ、何!? そんなことがあるの!?
まずは言っておきますよ。
人の演奏や音楽を非難するなど、いったい何様なのでしょうか。いい加減にしなさい!!
これ、課題曲の参考演奏や楽曲に対してだけではありません。
そもそも、人の演奏や楽曲の悪いところ、あら探ししか出来ないなんて、
そしてそれを公の場で吐き出さないと気が済まないなんて、
そんなのもう、音楽をする素養も資格もないように思いますよ。

やめてしまわれたらどうでしょうか!!
 

 

  一体なぜ?

 

さて、一体なぜそんな誹謗中傷をするのでしょうか。少し冷静になって考えてみます…
コンクールの、課題曲。これってきっと、取り組む団体は何ヵ月もかけて完成度を上げる…
片やプロは、楽譜が発売されて1ヶ月もしないうちに動画を撮って公開する。
それが、面白くないのでしょうねきっと。
みんなが何ヵ月もかけてやるものを、たかが数日で仕上げた演奏なんて認めない…
だから、あら探しして非難してやる、ということなのかもしれません。
だとしたら、貧しいですね…
 

 

  合っているかどうか

 

少し余談になるかもしれませんが…
そもそもそれ以前に、なにかの演奏を、「合っているか」とか「そろっているか」とか、
そういう観点でしか聴けないのってどうかしていますよ。
大切な何かが抜け落ちてしまっています。
合っているとか合っていないとか、もちろんわかりますよ。
でもね、そこにしか耳(意識)が行かない、それでしか判断出来ない、それでは少なくとも、
音楽を演奏したり指導したりする人間としては、なにか大切なことが欠落しています。
『音楽』を聴きなさい。いや、もっと『音楽として』聴きなさいよ。
 

 

  いろいろな演奏が

 

楽譜と一緒に発売されている参考演奏のCDやDVDも含めて、あらゆる演奏は、
その楽曲の演奏の、ひとつの例なのです。
決して唯一の正解はないし、また優劣や上下を決めたりするものでもない。
参考例はたくさんあった方がいいではないですか。
それを示してくれるそういう団体の取り組みは素晴らしいと思います。
それぞれの演奏には、それぞれにいいところがありますし見習うべきところもあるでしょう。
課題曲に限らず、世の中にたくさんの演奏が存在するのは、優劣を決めるためではありません。
粗を探したり優劣をつけたり非難したり、そういう聞き方ばかりしているのだとしたら、
それは音楽の捉え方として間違っています。
 

 

  成長するために

 

思うに、誹謗中傷するのはきっと単なるリスナーではないでしょう。
楽器や音楽をやっている(やっていた)人たちなのだと思います。あるいは指導者?
であれば…
人の演奏を批判の目でしか見られない人間が、はたして成長出来るでしょうか。
悪いところ、粗を探して、人のふりみて我がふり直せ、ですか。
それでは成長なんてしないし、いい演奏など出来ません。
いろいろな演奏を聴いて音楽を感じ取ったりいいところを見つけたり(たくさんあるはず)、
そうすることによって自身も成長していけるものだと思うのです。
だからみなさん、どうかたくさん聴いてたくさん感化されてください。

さて、あなたはいろいろな演奏、聴いていますか。音楽、感じ取っていますか。