コンピューターで楽譜を書く2 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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昨日の記事では、コンピューターで楽譜を書くためのいわば準備の段階の話を書いてみました。必要なもの、初期投資…。きょうはそれをどうしたら使えるようになるのかという話を、少し書いていってみたいと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  必要に迫られる

 

どうしたら、コンピューターと楽譜作成ソフトを使いこなせるようになるのか…
これはずばり、必要に迫られることです!
こんな楽譜をつくりたい。さてどうやったら出来るのかな、と考え、探し当てる。
そうやって、やり方をおぼえていくのです。決して、
こうすればこんなことも出来ますよ、というノウハウを読んでおぼえるわけではないのです。
さっ、ではここから先はみなさんそれぞれご自分のフィナーレを開いて…
ということになるのですが、でも、もうちょっと書いておきますね。
 

 

  音符のいろいろな入力方法

 

コンピューターで楽譜をつくるには、ますはファイルのセットアップをします。

  • どんなフォントを使うのか
  • どんな五線のスコアを作るのか(つまり編成です)
  • タイトルや作曲者などを入力して(あとでも入力できます)
  • 拍子と調性、必要ならテンポや弱起を設定(これもあとで変更できます)

それから、音符や休符を入力していきます。
音符の入力にも、何種類かのやり方があるのです。たとえばフィナーレの場合だと…
1,ステップ入力 … パレットから音符や休符を選んで、マウスで五線上に置いていきます。




2,高速ステップ入力 … 音高は矢印キーで、音価は数字キーで選んで入力します。

また、MIDIキーボードを使って音高を決め、数字キーで音価を入力する方法もあります。
3,リアルタイム入力 … 外部MIDIキーボードで弾いた通りに入力されます。

4,MIDI入力 … MIDIファイルを読み込み、楽譜に変換されます。
この中で、よく使われるのは1か2ですね。

特におススメなのは2の高速ステップ入力です。

鍵盤楽器や重音を入力するのにはMIDIキーボードを使うと早いですが、

管楽器など単音の楽器の入力にはMIDIキーボードを使わない高速ステップがオススメ。

慣れると、ブラインドタッチのように素早く入力出来るようになります。

ぼくもMIDIキーボードは持ってはいますが、ほぼ使いません。

ただ、ノートパソコンを使われる人も、テンキーはあった方がいいです。外付けでもいいので…

 

  どうやって整える?

 

さて、楽譜に音符が入力出来て強弱や速度表記、表情記号や練習番号(大事)が入ったら…

いよいよ楽譜を整えていきます。

さて、なにからやったらいいのでしょうか。

まずは、割り付けですね。何ページにおさめたいか、譜めくりは出来るのか(大事!)、

見やすく、読みやすく、演奏者に楽譜を意識させない自然な割り付け。

難しいフレーズの途中で段が変わったりページが変わったりしてないか、音楽の区切りは…

そんなことを考えて割り付けていきます。組段の拡大縮小というものを、まず使います。

1ページに何段入れるのか、上下の五線との間隔は狭すぎないか、広すぎないか。

それから、こまかく整えていきます。記号と音符の距離は適切か、重なっていないか、

強弱記号がでこぼこしていないか、スラーの形は見やすいか…
そんなことを考えて、整えていきます。なかなか時間がかかります。

でもこれをしなかったら、見にくい楽譜にしかなりません。
 

 

  きれいな楽譜と読みやすい楽譜

 

きれいな楽譜は読みやすい?

きれいな楽譜と、読みやすい楽譜、必ずしもイコールではありません。

楽譜作成ソフトが進化してきても、プロの現場では手書きの楽譜が重宝されてきました。

やはり、コンピューターには出来ないことが手書きの楽譜にはある、ということですよね。

読みやすい楽譜…

たとえば、フレーズの読みやすい割り付けなんか、コンピューターは考えてくれません。

もちろん譜めくりだって考えてはくれないし、休みが数えられない楽譜になったりもします。

以前、こんな記事を書きました…

 

 

楽譜の書き方ひとつで、読みにくいどころか読めない楽譜になってしまう、というお話。

コンピューターを使えばきれいな読みやすい楽譜が出来ると思い込んでしまうことは、

こういう『読めない』楽譜が世の中に増える原因にもなりうるのではないか…

そんなふうにも危惧します。

 

 

  基本的なことは結局…

 

コンピューターを使おうが使うまいが、結局は、大切な基本は同じなのです。
読みやすい楽譜を書くには、経験が必要です。音楽の素養も必要です。
コンピューターを使うことで、それがパスできるわけではないのです。

紙の五線紙に楽譜を書いたことがない人、いないとは思いますが、もしいたら、

コンピューターに頼る前に、いちど紙に書いてみることをおススメしますよ。

紙の五線紙にまともに書けないのに、コンピューターで楽譜は書けません。

基本的なことは結局、おんなじなのです。

コンピューターだから特別なことって、ほとんどないのではないですかね。


さて、どうでしょうか。

明日は、ちょっとマニアックなことでも書いてみようかと思っています。お楽しみに。