音楽大学へ行きたい人へ… | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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中高生のみなさん、将来音楽大学に行きたいと考えている人もいるかもしれませんね。さて、なぜ、音大に行きたいのでしょうか。そしてそのためには、なにが必要なのでしょうか。きょうは少し書いてみたいと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  反対されました…

 

オーボエ奏者の佐藤太一さんが、質問箱の質問にツイッターで答えておられました。
音楽大学に行きたいと言ったら先生に反対されたという質問者さんへの答えです。
開いてリプの形になっているスレッド全部、ぜひ読んでみてください。

 


ほんとうに丁寧で素晴らしい答えだと思います。
音大受験を考えておられる方、ぜひ、参考にしてください。
 

 

  覚悟

 

音大に行くのに必要なことはいろいろあると思うのですが、いちばん大切なものは、きっと…
覚悟、ではないかと思うのです。
『中学や高校の吹奏楽部がとっても楽しく充実していたから、もう少し続けたい』…
そんな程度の理由で音楽大学を目指すのだったら、はっきり言って、やめた方がいいです。
そもそも音楽大学は、「やめとけ」と言われて迷う程度の覚悟で行くところではないです。
かくいうぼくも、さんざん反対されました。いろんな人に。
あれだけ反対されて、あの状況で諦めなかった…
今振り返れば、われながら根性あったなぁ、と思います(爆)
なんのために行くのか、なぜ行くのか…
少なくとも、中学高校の延長で行くところではないです。
 

 

  ピアノ

 

音大に行くためには、もちろん自分の専攻をある程度マスター出来ていることが必要ですが、
そのほかにも必要なものが、いくつかあります。
そのひとつが、ピアノ。
ぼくはピアノを高校2年から始めました。それはそれは大変でしたよ!
ピアノは、音大を出て教員になるのにも、指揮者になるのにも、作曲をするのにも必要です。
また、楽器をやるのにも、たとえばソロ曲の伴奏などちょっと音を出してみることが出来れば…
どんな音楽活動をするにも必要なピアノ、もっとしっかりやっておけばよかったと思っています。
ぼくは正直言って、ピアノにはろくでもないイメージしかありません。怒られた記憶しかない…
だからピアノの先生方、目先の些末なことではなく、ちゃんと将来を見据えた指導をお願いします。
厳しさは大切ですが、ただ短絡的に怒るだけの先生は、やめた方がいいかも…
 

 

  ソルフェージュ

 

そして絶対に必要なのが、ソルフェージュ。
コールユーブンゲンがちゃんと歌えて、一通りの聴音や新曲視唱が出来ること。
聴音というのは、ピアノで演奏される旋律や伴奏付き楽曲を聞き取って楽譜に書くことです。
新曲視唱というのは、初めて見た楽譜を、ちょっと目を通しただけで歌えることですね。
つまり、音程感覚、リズムや拍子の感覚、調性感覚を持っていて、
楽譜を音に出来る、音を楽譜に出来る能力。

といっても、必要とされているのは絶対音感ではありません。

ソルフェージュ能力…
これ、どんなふうに音楽をするのにも、どんな楽器をやるのにも、絶対に必要です。
おそらく独学では難しいものだと思います。
そして、大学に入る前に必ず身につけておくべき能力です。
 

 

  楽典

 

楽典は、音楽をする上での最低限の基礎知識。
楽譜のこと、調性のこと、音程のこと、リズムや拍子のこと、楽語のこと、いろいろあります。
これは、独学でも出来ると思います。
ぼくも本を買って来て勉強しました。
わからないことや疑問があれば、先生に聞けばいいのです。
音大を出られた先生なら、みんな知っていることばかりなのですから。
『最低限の基礎知識』なのですから、これを知らないと困ります。
 

 

  音楽大学

 

ここまで書いてきたこと、それが出来て初めて入れるところが、音楽大学です。だから…
『ピアノもソルフェージュも楽典も全然出来なくても入れてあげるよ、どんどんおいでよ』
なんていう大学がもしあったら、それは音楽大学ではないです。
それではただの音楽教室ですね。
そんな大学に行っても、もしかしたら得るものは少ないかもしれません。
どんな大学で、どんな先生が教えておられるのか、それはすごく大切なことです。
どうなりたいのか、そのためにはなにが必要なのか、しっかりとビジョンを持って決めてくださいね。

さて、音楽大学受験、あなたは考えられたことがありますか。