欠点を消してしまおうという発想 | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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楽器をやっていて、苦手なものやこと、ウイークポイントってありますか。さて、ではその苦手なポイント、どんなふうにしようとしていますか。なくしてしまおう、打ち消そう、たとえばんなふうに考えるのだとしたら…

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  苦手なこと

 

苦手、というか、自分の良くないところだと思う部分って、なにかあるでしょうか。
たとえば、音が暗い、あるいは明るい、硬い、あるいは芯がない…
はっきり発音することが苦手だったり、逆にソフトな発音が苦手だったり…
高い音、低い音、細かい動き、長い音、耐久力…
いろいろあるかもしれませんね。
ではそんなところを、どうしようとしていくのか。
消してしまおう、なくしてしまおう、打ち消そう、補おう…
 

 

  楽器

 

クリアに発音することに、ぼくは昔から苦手意識がありました。
楽器を新調しようと楽器店に行き試奏、とってもクリアな音の楽器を見つけて買いました。
でも、使い込んでいるうちに、今度はその楽器に対して苦手意識が出てきたのですよね…
回りからも、「その楽器、合ってないんじゃないの?」なんて言われる始末。
『いやいや、まだまだ吹きこなせていないだけなんだ』、そんなふうに思って…
結局その楽器、10年使いました。
その次に買った楽器は、その逆のタイプの楽器。それは、最初からしっくり来たのです。
そのときに思ったのですよね。
自分のウイークポイントをカバーしようという発想で楽器を選んではいけないんだ、と。
 

 

  裏表

 

いいところ(だと思っているところ)、良くないところ(だと思っているところ)…
ある部分では裏表だと思うのです。
たとえば、『暗い音』っていうのも、いいところにも悪いところにもなりうる。
硬い音はクリアな音かもしれないし、ぼやけた音はソフトな音かもしれない。
どちらにも捉えられたり、どちらにも転んだりする。だから…
なにかの特長が気に入らないからといって、それを消してしまおうという発想って、

どうなんだろう…
それでは成長に寄与しないように思うのです。
 

 

  歪み

 

技量上の苦手なことについてはどうでしょうか。
たとえば、高い音が苦手、低い音が苦手、大きい音が苦手、こまかい動きが苦手…
たとえそう思っていたとしても、そこに特化して、それを克服しようとばかり思っていると、
もしかしたら、別のなにかを失うことになるのかもしれません。
たとえば、高い音は出るようになったけど、なんだか線の細い音になってしまった、とか…
苦手なことを克服することも大切なのだと思います。でも、
あまりそれにばかりこだわりすぎると、不健康なことになるのではないかと思うのです。
どこかが歪んでしまう。
 

 

  健康

 

楽器の演奏も身体も、栄養バランス良く健康に育っていくのがいいと思うのです。
ある特長を『欠点』だとばかり捉えず、ちょっと見方を変えてみることも有益かもしれない。
少なくとも、なんでもそうなのでしょうけど…
『マイナスを消す』という発想は健康的でなく、あまり成長に寄与しないように思うのです。
そして、難しいことではなく単純で平易なことが、より自然に出来ること。
最果てではなく、足元に目を向ける、そんなことが、もしかしたら大切なのかもしれません。
以上、自分の失敗経験から、思うことを書いてみました。

さて、欠点(だと思っていること)、消してしまおうと思ってはいませんか。