相手は自分とは違う/会話とアンサンブルと | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

コミュニケーションが上手いってどういうことだと思いますか。話題豊富で話し上手でしょうか。実はそうではないという話を聞きました。それはアンサンブルや合奏にも通じる話だと思うのです。さて何だと思いますか。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  コミュニケーションが上手い人

 

コミュニケーション能力が高い、人とコミュニケーションするのが上手いのはどんな人なのか…
それは、話し上手でもなければ、話題豊富な人でもないのだそうです。
相手は自分とは違う、違う世界を見ていると理解していることが、いちばんのポイント、

なのだそうです。
相手の世界が理解できる人が、いちばんコミュニケーション能力が高い人。
『人はみんなそれぞれ違う』という視点があるかどうかなのだそうです。
これ、指導者には特に大切な視点ですね。

時々、人も自分と同じ考え方をするものだと信じて疑わない人っているでしょ。
それでは人と上手くコミュニケーションを出来るハズがないですよね。自戒も込めて…
 

 

  自分中心か相手中心か

 

これはぼくも思うことがあって、それは、

コミュニケーションするときの中心はどこか、ということ。
自分中心なのか、相手中心なのか…
すごい話術が上手で話題豊富で人を引き付ける人って、

自分を思う存分に出しているように見えて実は、
そういう人って、相手のことをよく見ているのです。ほんと、そう思います。
ほんとうに自分のことばかりになってしまったら、人を引き付けることなど出来るハズもない。
それではただ自己満足の利己的な人でしかないですよね。
でも、だからといって…
 

 

  自分の中から…

 

なら、相手のことだけを考えていたらコミュニケーションが上手に出来るのか…
自分を消して相手のご機嫌取りをしているのでは、上手なコミュニケーションとは言えません。
相手のことを理解しているのと、相手のご機嫌をただ取っているのとは、似て非なるもの。
いや、似てすらいませんよね。むしろ反対かもしれません。
相手のことを理解する、少なくとも、自分とは違う、違う世界を見ているんだとわかっている。
感じ取れる人。その上で、自分の言葉を出せる人。
自分を消し去るのではなく、ね。
 

 

  アンサンブル

 

さて、これ、そっくりそのままアンサンブルや合奏にも当てはまるように思うのです。
アンサンブルや合奏が合う、まとまるということはどういうことなのか…
みんなが同じになること、ではありませんよね。
たとえばオーケストラの中のひとりひとりは、それぞれ違う世界を見ているのです。
決して同じにはならない。
そこを無理やり同じにしようとする、同じに出来ると考えるのでは、下手なコミュニケーション。
それでは生きたアンサンブルが出来ることはないですね。
相手は自分とは違う世界を見ているんだと理解し、それを感じ取れること。
その上で、自分の言葉で話せること。
まさにアンサンブルです。
 

 

  いい教師

 

そして、教えるのが上手い、いい教師、指導者、これも、同じだと思うのです。
たとえば音楽でも、名演奏家が必ずしも名教師ではない。

ダメな教師って、
『自分に出来たんだから生徒にも出来るだろう』
『自分が出来たやり方なら生徒も出来るハズだ』
『自分が理解した考え方で生徒もわかるだろう』
と考えてしまうんだと思うのですね。無意識に…
そうなってしまったら、きっと生徒は不幸だと思うのです。
実際には、そうじゃない。
だって、自分と生徒は違う人間なのだから…
いい先生って、生徒のことをちゃんと見ているし、

ひとりひとりみんなそれぞれ違うんだとわかっている、
そんなふうに思うのです。

さて、あなたはコミュニケーションが上手な人ですか。