変化は少しずつ | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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楽器の練習、やり方が良くなれば、すぐに結果が良くなるのでしょうか。いい奏法を手に入れた瞬間、いい音が出てくるのでしょうか。どこかでそう思いがちですよね。でも多くの場合は、そうではないように思うのです。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  考えがちなこと

 

奏法、やり方さえ良くなれば、いい音が出せて望む演奏が出来る…
どこかでそんなふうに思ってしまうこと、あったりするのではないでしょうか。
いいやり方を手に入れることがゴールだ、と…
残念ながら、それって違いますよね。
いいやり方、奏法を手に入れることはゴールなどではなく、むしろスタートなのかもしれません。
いいやり方、いい変化、ではそれって、どうしたら得られる、身につくのでしょうか。
 

 

  変化

 

なにかの変化って、突然には起こりませんよね。
そして、毎日同じことを同じようにやっているだけでは、おそらくなんの変化も起こらない…
よく観察したり考えたり意識を向けたり、そういう練習によって、変化は起こる。
それは、ごくごくわずかずつ。
一進一退しながら。
なにかの拍子に突然良くなる、そんなことは、普通は起こり得ないのです。
だから大切なことは…
わずかな変化に敏感になる、気づくということ。
 

 

  なにかを変えようとすると…

 

意識してなにかを変えようとすると…
特にそれが奏法上のことであればなおさら、違和感や力みが起こるものだと思います。
また、変えようとする捉え方にもいろいろあると思います。
もっとも良くないのが、『反対向きの力で打ち消そう』という発想。
これ、緊張が出来るばかりです。身体の中で戦いが始まります。
それから、『この動きをやめよう』という発想。余計な動きをやめよう…
うまく行くこともあれば、行かないこともあります。
それはなぜなのか、その原因を見ていくことが必要なこともある。
なぜ、その動きが起こっているのか…
そして、『こういう動きを加えよう』という発想。
これも、緊張の元になったり、やり過ぎてしまったり、違う動きにすり変わってしまったり…
身体の狭い一部分だけに意識が向いている時ほど、うまく行かなくなるように思います。
全体がつながっている、それを忘れないことが大切なのでしょうね…
 

 

  無意識の領域に

 

ひとつ言えること…
それがどんなに正しく理にかなっていて良いことだったとしても、
意識して考えてやっているうちは、ホンモノではない。
意識的にやっているうちは、不自然でぎこちなく、スムーズには行かないのです。
考えないと出来ないようではダメなのですね。
だから練習が必要なのでしょう。
練習って、実験と観察を重ねること、そして、その結果を無意識の領域に落とし込むこと。
意識してやっていたことが、次の日になったら自然に出来ていた、そんな経験ありませんか。
身体が、おぼえてくれたんですね。眠っている間に。
だから最終的には、『忘れてしまうこと』が必要なように思うのです。
忘れてしまえたら、やっとホンモノ。
 

 

  貯金

 

毎日同じことをただ何も考えず同じようにやっている
毎日実験と観察を積み重ねて意識を向けてやっている
どちらが成長をもたらすのかは、あきらかですよね。
でも後者であったとしても、ちっとも成長できていないように感じられることだってある。
それって、2つ考えられると思うのです。
1つは、やり方が間違っている、あるいは、方向が違う場合。
もう1つは、貯金している時。
いずれ訪れる変化、成長のための貯金をしているのかもしれない、

そんな場合もあると思うのです。

さて、楽器って、どうしたら上手くなるのでしょう。どうしたら…