鳴ってる?鳴ってない? | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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吹奏楽指導で、『よく鳴っているのと大きな音が出るのとは違う』なんて言いますよね。

さて、それってどういうことなのでしょう。よく鳴っているって、一体どういう音なのでしょう。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

 

  大きな音と、よく鳴っている音

 

楽器が『よく鳴っている』というのは、決して、ただ単に大きな音が出ることではありません。

それは似て非なるものです。

よく鳴っている音を、『音が離れる』なんて言う人もいますね。

これは管楽器ばかりではなく、打楽器にも、いや、

もしかしたらどんな楽器にも言えることなのかもしれません。

では、よく鳴っている音と、そうでない音、その違いって一体何なのでしょう。

何だと思いますか。

 

 

  疲れる?疲れない?

 

鳴ってない、ただ大きいだけの音、もっというと、無理矢理出している音、

そんな音を出していると、すぐに疲れてしまいます。

これは、耐久力があるとかないとかいうのとは違うことだと思います。

「なんだかすぐ疲れるなぁ、耐久力つけなきゃ」…

いや、もしかしたらほんとうに必要なのは、鳴らし方の見直しなのかもしれませんよ。

疲れやすいかそうでないか、これって、ひとつのバロメーターになるのかもしれません。

 

 

  やかましい?やかましくない?

 

鳴ってない、ただ大きいだけの音って、『やかましい』のです。

『痛い音』なんて言う人もいますね。

トロンボーンだと、たとえばビッグバンドではうしろにトランペットがいますよね。

ほんとうによく『鳴って』いる人の音って、フルトーンでも、『気持ちいい!』ってなる。

ところが、そうではない音は、たいして大きくなくてもやかましいのです。

どちらの経験も少なくないのですが、その違いは歴然としていますよ。

練習場に入って、やかましいと感じたなら、そのバンドはすなわち『鳴ってない』ということ。

たとえばそんな中で吹いたら、力み競争になってしまいます。悪循環ですね。

もし、やかましいバンドで演奏しなければならなくなったら、あきらめてマイペースがいいかも…

よく鳴るバンドは、ちっともやかましくなんかありませんよ。

 

 

  小さい音で吹ける?

 

力任せでない、ほんとうに鳴る、響く音を出せる人は、ピアノ、弱音も美しいです。

そのピアノから、そのまま響きが増したようなフォルテになる。

でっかくは吹けるけどピアノはダメって、これ、鳴ってない、鳴らせてないということ、

なのかもしれません。

弱音こそが難しく、技量の差が出やすいものだと思います。

力任せなら誰だって出来ますからね。

むしろ弱音の支えにこそ、もしかしたら力は要るのかもしれません。

 

 

  効率がいい?悪い?

 

力は使っているのだけれど、管楽器なら、息はたくさん使っているのだけれど、

なんだかその割には…

これ、鳴ってない特長かもしれません。

ムダにエネルギーを浪費している、それすなわち、力んでいるということ。

ほんとうによく『鳴って』いる人って、ラクなのだと思うのです。

そういう人に、わたしはなりたい…、です。

 

 

  どうしたらいい?

 

ともすると、鍛える、筋力をつける、耐久力をつける、という発想に傾きすぎる、

そんなことって往々にしてありがちだと思うのです。

でも、ほんとうによく『鳴る』音って、その先にあるのではないかもしれません。

身体を理にかなった使い方をして、楽器が鳴る原理を理解して、歌を忘れず、

いかに効率よく音を出すか、これが大切だと思うのです。

その力、ホントに必要?

その息の量、ホントに必要?

大きな音と、よく鳴っている音は、全然違うものです。

 

さて、楽器、よく『鳴って』いますか。