YSL825試奏レポート | フクロウのひとりごと

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ヤマハの新しいトロンボーンが出ました。YSL-825です。ドルチェさんで吹かせていただきました。

きょうはそのインプレを書いていってみたいと思います。なかなか興味深い感じでしたよ。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

YSL-825

発売からまだ1ヶ月ほどしか経っていないヤマハトロンボーンの新機種、YSL-825

まず、楽器の外観で気になるのは、ここ。

 

 

F管の取り回しが、こんなふうになっているのです。

これだと、F管の流れもメインの管と同じ向きになるのですよね。

そして、写真をよく見てください。ロータリーの底がゴールドブラス(側面はイエローブラス)。

こんなの初めてですよね。

それから、ここ。

 

 

主管とF管の抜差し管が赤(ゴールドブラス)なのです。

ちなみに、スライドも赤です。クルーク(カーブのところ)は黄色。

赤の部分が多いのですよね。黄色いのはベルとクルークと補助管、F管くらい。

ちなみに赤ベルのモデルでは、逆にチューニング管が黄色になるのだそうです。

そして…

 

 

マウスパイプが銀。交換できないタイプです。

あとは、F管支柱が…

 

 

メインの管にひとつも支柱が立ってないんですよね…

ちなみにスライドですが、ナロースライドではないのですが882-ORと比べるとわずかに狭いです。

1cmくらい狭いでしょうかね…

 

吹いた感じは…

で、肝心の音や鳴り、吹いた感じはどうかというと…

黄色の感じがしないですね。

かといって、赤かと言われると、それとも違う。

ヤマハの明るいややクリアな感じではなくて、幅広いしっかり感がある感じ。

そういう意味では。ある意味、ヤマハ的ではない。決して悪い意味ではなく。

ぼくはヤマハのヤマハらしいところが好きなのですが、これはこれで面白いな、という感じです。

幅広くしっかりしている。その割に、はっきりも吹ける。

 

遠鳴り

自分の882-GORとくらべてみると…

なんだか『遠くで鳴っている感じ』がします。

聴いている人の話でも、遠達性がある感じですね。

幅広で、しっかり感、それでいてはっきりも吹けて、遠達性もある。

オーケストラ向きだな、と思いました。あっ、決してソロに向かないという意味ではなく。

抵抗感は、882-GORとくらべると少しだけ多い気もします。

息の入りは882-GORの方がいいように思います。

ぼくには低音が少し難しいです。

というか、息の入れ方がきっと違うのでしょうね。

 

F管は

そしてF管なんですが…

全然変わりませんね普通の管と。

下のBと、その2度上のCを吹きくらべてみると、吹き心地、鳴り、変わりません。

どんなトロンボーンでも、F管はF管だと思って吹くでしょ。やっぱF管ですしね。

でもこの楽器は、ほんとに変わらないんですよ。過去にないですね、こんなトロンボーン。

そして、まだ新品なのでわからないですが、下のFにもF管使えるんじゃない?

この楽器、ほとんど低くならないんですよね。

882はF管をCに合わせたら下のFは普通には使えませんからね。ピッチ的に。

そもそもどうして、トロンボーンF管の第2倍音って低くなるんでしょうね?

 

総評

明るさや音のクリアさなら882でしょうけど、響きが豊かで遠鳴りがするこのモデル、

オーケストラで使ってみたいと思わせてくれます(もちろん曲にもよると思いますが…)。

しかもそれでいてクリアにも吹ける(882のクリアさとは違う種類のクリアさ)のは銀パイプのせい?

そしてキャパシティは、882-GORとくらべてもいい勝負だと思います。

フルトーンで吹いてみていないのでわかりませんが…

楽器のキャパシティはBachよりもあるのではないでしょうか。

ただ、特に低音域での抵抗感が少し気になるかな、という印象は持ちました。

息の入れ方が違うので、慣れ、なのでしょうけどね。

とにかく、興味深い新製品だと思いました。

あっ、あくまで、個人の感想です。

にしても、ヤマハにもいろいろなタイプのモデルが出てきて選択肢が広がりますね。

 

トロンボーン吹きのみなさん、機会があれば吹いてみてくださいね。

 

 

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