みなさんは、合奏やアンサンブルの中でどんなふうに休みを数えていますか。
あたまの中で? 指を折って?
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
お休みは指を折って
さっそくですが、たいていぼくは指を折ってお休みを数えます。
あからさまに指を折って数えるとみっともないので、
ピアノを弾くように膝の上で小さく指をトントンして数えています。
オーケストラだと何十小節もの休みだってあるので、右手で一の位、左手で十の位を数えます。
(弦楽器の人に恨まれそうですが…(^_^;)
で、もし、あたまの中で数えているのと指とが食い違ったら、どっちを信じるか…
ずばり、指です。たいてい間違いない…。
なぜ指で数えるの?
なぜ、指で数えるのか…
より確実だからです。あたまの中で数えるのよりも…。
なにしろ、何十小節も休んだ後にフォルテで『ばんっ!』って出るなんて、特にオケではよくあります。
『絶対ここで間違いない』っていう確証がないと、自信を持って出られないでしょ。
ほんのちょっとの迷いが、音に出るのですよ。大事です。
電話が鳴る!?
昔、聞いた話…
某国営放送のオーケストラ番組で、奏者が休みを指折り数えているのがテレビに映ると、
放送局の電話が鳴るのだそうです…
「プロなのにどうして指を折って数えてるんだ!?」って…。
プロでも、いや、プロだからこそ、指で数えるんです。
エアラインパイロットだってチェックリストを見るではないですか!
休みを数えるテクニック
特に長い休みの場合、休みを数えるテクニック(というほどのものでもないですが)があります。
音楽の区切りごとに、休みを分割するのです。
たとえば20小節の休みがあったとしたら、音楽の区切りに従って『8+8+4』なんて書き込む。
8小節の休みだって、もしかしたら『1+7』かもしれないし『3+3+2』かもしれない…。
これ、じつはけっこう大事なことです!
本番になって『あれっ』って思ったこと、ないですか。
ステージの上って、いつもなら考えないようなことを考えたりするものです。
人のお休みも…
特に2番に座った時はそうですが、両隣が出るところも把握するようにしています。
休みを数えながら、練習番号ごとに、両隣にだけわかるくらい小さく合図を出したり…。
それで終演後に大感謝されたこともありました。
『この休み、きっと数えるの嫌だろうな…』って、リハの時から思っていたのです。
だから本番でも意識に置いていたのです。
『いいオケマンは、隣が休みを数え間違えていることにすら気づく』
と言ったのは、どなたでしたか…
全神経を集中して
もちろん、勝手知ったる手慣れた曲なら、休みなんて数えやしません。
でも、そんな曲の中にも、全神経を集中して数えなければならない休みがあるのです。たとえば…
チャイコフスキーの有名なピアノコンチェルトの、ここ。
この前の休み(23小節)が、わかりにくいのです。
しかも、ここでもしトロンボーンが落ちたりしたら、曲に大穴が開いて大惨事。
ほんとにここの数え方は、何度やっても、素直に真剣に数えるしかないです。
しかも、DisとかHとか音程合いにくい音のユニゾン…。となりの癖をいかに熟知するか…
神経使いますが、決まれば快感。
まぁ、楽譜にはただ4分音符が並んでいるだけなんですけどね…。
野生の勘
さて、どんなに真剣に休みを数えても、どんなにその音楽の中に居ても(これ大事)、
最後の最後に信じるべきは、野生の勘かもしれません。
かまえて、ブレスした瞬間、『1小節早い!』と勘が教えてくれたことがあります。
初めての曲の本番で。
さて、合奏の中でのお休み、どんなふうに数えていますか。