トロンボーン吹きではない人がトロンボーンを吹いて、いや、トロンボーンを持って、まず驚かれること、
それは、左手の大変さ…。
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
左手の仕事
トロンボーンを吹く時、左手ってどんな仕事をしているのでしょうか。
まず、トロンボーンをかまえた時、楽器の重さのほとんとを支えているのは左手です。
ちなみにトロンボーンってどのくらいの重さがあるのかというと…
楽器によっても違いますが、たとえばぼくの楽器(YSL-882GOR)の場合だと、だいたい2kgくらい。
2リットルのペットボトル1コ、顔の高さまで持ち上げて演奏していることになります。
けっこう重たいですね。そんな意識ないのですけどね…。
手が痛い?
持ってかまえてみると、手が痛いという反応をされる方は多いです。
ぼくはトロンボーンを始めた高校生の時、持つのにはそんなに苦労した記憶がないのです。
でも、半月くらいはいつも左手の指が痛かったかも…。
もちろん、そのうちに慣れるのですけどね。
でも今も、たとえば中指の付け根の肉の厚さは、左右で違っていたりします。
どんなふうに持つの?
たとえば初心者さんに楽器の持ち方を伝える時、どんなふうに言っているかというと、
もちろん人によってもいろいろですが…
まず、スライドの管と支柱の『T』の字、これを、左手の掌のまん中に乗せます。
そして、薬指と小指で管を深く握る。
これ、なかなか難しい人もいます。手が痛くて…
でも、ポイントは薬指と小指なのです。
たいていこのあたりが、楽器の重心になるので…。
握力が要る?
「握力が要るんでしょ」って訊かれることもありますが…
そんなには要らないように思います。
ただ構えるだけなら、べつに握らなくとも薬指と小指に『引っかけて』いるだけでも大丈夫なのです。
でも、引っかけているだけだとやっぱり楽器が安定しないかもしれません。
だから、やっぱりある程度は握る必要があるのかも。
もちろん、人によっても違うでしょうけど…。
なにしろでも、ポイントは『バランス』なのです。これ大切。
楽器を『持ち上げる』?
楽器って、顔の高さまで『持ち上げる』ものなのでしょうか。
もちろんたしかに持ち上げるのですけど、でも、『持ち上げる』という意識だと、
腕に力が入ったり、肩、つまり腕構造全体まで持ち上げるような動きになりがちだったりします。
これ、ムダですよね…。
変な言い方ですが、、、
楽器って、感覚的には、持ち上げるというよりぶら下げるという感じが近いかもしれないです。
シャドーで構える?
どうしても、腕構造も一緒に持ち上げてしまう人、肩も上げてしまう人には…、
たとえばひとつのやり方として、こんなことをしてみてもらうことがあります。
楽器を持たずに構えをやってもらう、シャドーで構えてもらうのです。
これ、なかなか正確にできる人、少ないんですよ。できますか、トロンボーン吹きのみなさん…。
そして、「両腕を自由にぐるんぐるん動かして、で、『はいっ』て言ったら構えをして!」
って言って、やってもらったり、一緒にやってみたり、
両腕をめいっぱい前に出して、そこから構えをしてもらったり…
そうやって腕を自由にしたら、楽器を持って構えてもらったりします。
楽器の重さは左手だけで支えているの?
さて、では、楽器の重さって左手だけで支えているのでしょうか…
なにしろ楽器の重心って、ほぼ左手の薬指と小指のあたりなのです。重心は移動しますが…。
肩では支えていないのか…
もしかしたらゼロではないかもしれませんが、支えていたとしてもわずかです。
右手では支えてないのか…
スライドを移動する時は支えていません。
移動しないロングトーンの時は、特に遠くのポジションの時などは右手でも少しは支えていますね。
また、ワウワウやプランジャーミュートなどを左手で操作する時は、
左手と肩、多少右手でも、楽器を支えています。
これ、けっこう難しいのですよ。
なにしろ右手ばかりが注目されるトロンボーンですが、左手も重要な働きをしているのです。
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