吹奏楽コンクール課題曲の規定 | フクロウのひとりごと

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みなさんは、吹奏楽コンクールの実施規定ってご存じですか。

その中には『課題曲は楽譜どおりに演奏すること』 という一文があります。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

全日本吹奏楽コンクール実施規定

 

ぼくも実施規定の全部についておぼえているわけではないのですが、その第10条にはこうあります。

参加団体は、課題曲及び自由曲を演奏して審査を受けるものとする。なお、課題曲は楽譜どおりに演奏すること。もし、当日あるいは事後に疑義が判明したときは、失格とする場合がある。

さて、楽曲を楽譜どおりに演奏するのって当たり前のことではないですか。

それが、わざわざ書いてある。

どういうことなのでしょうね。

楽譜どおりに演奏しない団体があるということなのでしょうか!?

でも、『楽譜どおり』って、どういうことなのでしょう。

 

 

 

課題曲Q&A

 

吹奏楽連盟のホームページには毎年、課題曲についてのQ&Aがアップされます。

今年も掲載されていますね。↓こちらです。

 

全日本吹奏楽コンクール課題曲についてのQ&A

 

PDFですが、コンクールに出られる方は(もちろん生徒さんも!)ぜひ読んでみて下さい。

規定の一部も掲載されています。

 

 

指定の楽器で

 

指定の楽器で演奏すること。

その楽器がない場合は、編成にある楽器の中から同じ音域の楽器を優先に、代用してよい、

ということが書いてありますね。

さて、指定の楽器とはなにか…

たとえばクラリネットやトランペットは楽譜に『B♭』と『指定』があるので、

トランペットのC管やクラリネットのA管を使うことはできない…。

でも、ちょっと待って。ホルンにも、『F』と指定がありますよ!

Bシングルは使えないのですか!? なわけないですよね?

(早くもツッコミどころが…)

でも、『テューバには調性の指定はありません』ってわざわざ断ってありますしね…。

 

 

たとえば特殊楽器を

 

指定の楽器で…

これは実際にあったことなのですが、、、

自由曲に、コントラバスクラリネットがあった。

コントラバスクラリネット奏者は、課題曲には楽譜がない。

バスクラの楽譜を吹いて、オクターブで重ねちゃった。

→失格!

そんなに安直(失礼)に考えていいことではないようです。

同様に、たとえばエスクラでBクラのパートを吹いちゃうとか、

Bクラでトランペットのパートを吹いちゃうとか、

ユーフォをトロンボーンに重ねちゃうとかも、もちろんNGなわけなのですね。ね!

 

 

 

パートとして楽譜通りなら…

 

このQ&Aを読んでみると、

パートとして楽譜どおりに演奏していればOKのようですね。

中での音の分け方がどうであれ、難しいところを分担にしていようとも、

はたまた他のパートの奏者が部分的に『楽器を持ち替えて』演奏しようとも、

パートとして楽譜どおりなら認める、と。

ただし、『solo』や『1player』の指定のある箇所は1人で演奏しなければならないのです。

 

 

そこでちょっと疑問…

 

パートとして楽譜どおり…、これについて、ちょっと疑問があるのです。

たとえば…

課題曲IV『行進曲「道標の先に」』の[C]、1stトロンボーンはお休みですよね(なぜ?)。

もし、この箇所を、3人以上いるトロンボーンパートが全員で吹いてしまったら…

この部分は1stトロンボーンがいないということになってしまう?

3人以上、奏者がいるのに、1パート省いていることになるから楽譜通りじゃない!

ってことになるのかどうか…

そういう箇所、いくつかありますよね…。

 

 

なにしろ楽譜どおりに

 

なにしろ、おかしな小細工などせず楽譜どおりに演奏すべきだと思います。

これはでも、課題曲に限った話ではないですよね。

作曲者編曲者の『意図』は尊重されるべきなのです。『演奏』とはそういうものなのですから。

 

ということで、課題曲についてのQ&A、ぜひ熟読してみてくださいね。

 

 

去年も同じテーマでブログを書いていますね。