陽炎を追いますか音楽を追いますか | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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先日、『整った演奏?伝わる演奏?』という記事を書きました。

それと関連してかどうかはわかりませんが、先日こんな質問をいただきました。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

コンクールで勝つために整える?

 

こんな質問です。

 

 

音程、リズム、縦の線、バランス、音量…

とにかくすべてを整えて完璧にすることがコンクールでの成績につながり、

それを追求していくことが、コンクールで勝つことだ…

部内の一部の人たちがこんなふうに考えていて、それが苦痛だ、と。

 

 

整えることが勝つこと?

 

『とにかく乱れや欠点をなくして整えていけばコンクールで勝てる』

ぼくもじつはそんなふうに考えていたことがありましたし、それを追求要求したこともあります。

まだ20代の頃です。

これが出来なければいけない、こうならなければいけない、これではいけない…

だから練習は、そんな感じになりました。

これ、はっきりいっても面白くないし楽しくありません。

厳しさと裏腹に、いや、こんな厳しさだからこそ、

コンクールが近づくにつれますますバンドの空気は重く暗くなっていきました。

さて、コンクールで勝つことは、勝ちを求めることは、整えることなのでしょうか。

 

 

いろいろなバンドを見てきて思うこと

 

これまでほんとうにさまざまな、いろいろなバンドを見てきました。

全国大会常連バンドもいくつか見てきました。そんなバンドを見ていると…

あら捜し、目先の乱れの矯正、悪いところをなくす…

そういうたぐいの練習は、ほぼ皆無なのですよね。

なぜでしょう。なぜだと思いますか。すでに悪いところがないから? うまいバンドはいいなぁ、ですか?

全国常連校にも欠点や悪いところはありますよ。

でも、彼らがやっているのはほぼ、理想の音楽の追求です。

理想の響き、理想の音楽に近づけるために、たった8小節に1時間でもかける、

そんな感じの練習なのです。決して、悪いところをなくして整える練習ではなく!

だからこそ、全国常連なのでしょう。

 

 

 

整えることは目的なのか

 

さて、これは以前のブログにも書きましたし、これまで何度も書いてきたので多くは書きませんが、

整えることって、目的なのでしょうか。

整えるから、コンクールで勝てるのでしょうか。

どう思いますか。

 

『理想の音楽を求めた結果として、整う』だと思うのです。

なのに、理想もなく、ただ整えることが目的では、それは陽炎を追っているようなものです。

その先には何もありません。

理想の音楽があるかどうか、これが、決定的な違いです。

理想の音楽がない指揮者、指導者、バンドが、コンクールで勝つことはありません。

整うのは、結果的に整う。コンクールの成績も、結果的に得られるものだと思うのです。

 

 

音楽があるかどうか

 

大切なのは、音楽があるかどうか。

演奏に、というよりも、向かうべき理想にです。

理想の響き、理想の音楽、理想の演奏、それが、特に指揮者、指導者、

そしてメンバーひとりひとりの中にあるかどうか。

だからそのためには、いろいろな音楽により多く触れて、

それに感じたり心動かされたりすることがとても大切なのです。

 

さて、今年のコンクール、陽炎を追いますか、それとも音楽を追いますか。