文化部活動の在り方に関するガイドライン | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

文化庁から、『文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン』が発表されました。

3月にスポーツ庁から発表された運動部のガイドラインにはないものも入っています。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

 

文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン

 

文化庁から発表されたガイドライン、こちらです。

文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン

学校の先生も、生徒のみなさんも、保護者のみなさんも、ぜひ一読されることをお勧めします。

このガイドライン、いろいろな意見があるようですね。

きょうは、読んでみて感じたことを少し書いていってみたいと思います。

 

 

生涯にわたって…

 

まず、文化部の部活動の在り方、重視すべき点について、こんなことが書かれています。

生涯にわたって学び、芸術文化等の活動に親しみ、多様な表現や鑑賞の活動を通して、豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努める(後略)

涵養(かんよう)…水が自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てること。

(小学館デジタル大辞泉)

また、終章には、こうも書かれています。

文化部活動は子供たちが生涯にわたって芸術文化等の活動に親しむ基礎を形成する意義を有するものである。

生涯にわたって、と書かれていますね。

中学校や高等学校の3年間だけで燃え尽きてしまったり、

もうやりたくない、と思わせるような活動では間違っているわけです。

 

 

 

合理的で効率的な

 

そして、生徒の『自主的、自発的な参加』、さらに、

合理的でかつ効率的・効果的に取り組む』の文言もあります。

非効率的な根性論や精神論で押さえつけたり、意味のない内容で時間ばかりかけたり、

そんなふうであってはいけないわけですね。

当然の流れであると思いますが、未だにそれが実現できていない現状は多くあると思います。

 

これに関連して、こんな記述もあります。

各分野の関係団体等は、その分野の普及や水準向上の役割に鑑み、文化部活動における合理的でかつ効率的・効果的な活動のための指導手引を作成する。

合理的でかつ効率的・効果的な活動のための指導手引き…、

それが具体的にどういうものなのか、ということなのですが、

たとえば吹奏楽指導を見たときに、各楽器の指導にしても、合奏指導にしても、

決してマニュアル化できるものではない、というのが、これまで感じてきたことなのです。

ひとりひとり違うしバンドによってそれぞれ違うものであるので、

深い観察と経験でしかできないものなのではないかと思うのです。

それをマニュアル化してしまうことはむしろ、

表面的な観察に終始し、深い観察をしなくなることにつながる気がするのです。

そんなことを危惧します。

 

 

活動時間について

 

週当たり2日以上の休養日』と、『土日は少なくとも1日以上休養』が謳われています。そして、

長くても平日は2時間程度、学校の休業日は3時間程度』、さらに、

できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動をおこなう』とあります。

ここでも、合理的でかつ効率的・効果的という言葉が出てきます。何度も出てきますね。

これはやはり、必ずしもそれができていない現状が多くある、ということなのだろうと思います。

 

さて、時間と日数の設定については、いろいろな意見があると思います。

現状、ちょっと少なすぎないかな、と思ったりもします。

1週間あたり長くとも11時間程度』とあって、これが適当なのかどうなのか、

どの程度、強制力を持つのかも気になるところです。

 

大会について、こんな記述があります。

本ガイドラインの遵守を条件とした参加資格等の在り方

しかし、それをどうチェックし適用するのか、難しいところだとは思います。

 

 

 

バランスの取れた生活

 

『学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時管理等に係る取組の徹底について』の中には、

一部の保護者による部活動への過度の期待

部活動に過度に注力してしまう教師も存在する

そういうことにならないよう取り組むように、との記述もあります。

成績、賞、そういうものしか見えなくなって、結果、なにかを見失い忘れてしまう…。

大会に出る限り、もちろん賞は大切です。でも、それは結果的にもたらされるものだと思います。

なにしろ目的は、『豊かな心や創造性の涵養』なのですから…。

 

 

部活動に求めるもの

 

そして、部活動に求めるものも当然、生徒ひとりひとりで違うでしょう。

ガイドラインには現状について、『生徒の多様な潜在的なニーズに必ずしも応えられていない

との記述もあります。そのとおりだと思います。

終章には、このガイドラインについて、

生徒の視点に立った、学校の文化部活動改革に向けた具体の取組』だと書かれています。

生徒の立場に立って…、ということ。いちばん大切なことですよね。

学校のためでも、教師のためでも、保護者のためでもない、生徒たちのためにあるもの、

それが部活動なのですから。

 

 

理念や考え方は

 

一読して感じたことは、少なくとも、理念や考え方については、とても共感できると思うのです。

その理念を、実際どんなふうに実現していくのかが難しいところなのだと思います。

指導者も含めた仕組みの確立』が必要だと書かれていますが、その通りだと思います。

問題は、具体時にどうしていくのか、というところなのだと思うのです。

その部分で、いろいろな意見が出てくるのだと思います。

 

今、ツイッターでアンケートをしてみています。

その結果がそろったら、またこれについて書いてみたいと思っています。