個性の伝わるコンサート | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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今夜はサクソフォン奏者の所克頼氏にご案内いただき、

木管楽器3人のコンサート、『3つの部屋』を聴いてきました。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

 

じつはどういうコンサートかあまりよくわからず聴きに行ったのです。

オーボエの愛さん、サックスの所さん、それからクラリネットの菊次さんの3人が、

それぞれ自分の持ち時間を自由に使って表現するというコンサート。

3人のステージにそれぞれテーマがあって、ただ曲を演奏するだけではない表現の世界がある。

そんなコンサート。楽しみました。

 

 

まず、オーボエの愛さん。

 

 

暗転の舞台に上手から登場。ブリテンを、ただ演奏するだけではなく演じきっていて、

その表現された世界も合わせて感じ取っていく、そんなステージでした。

テーマは、『自然』

シューマンの『森の情景』は、間に語りも入って、曲世界を演じ、表現していく。

語りはシューマンの楽譜に記されていた詩を元にしたものなのだそう。

釣由美さんのピアノはやさしいやわらかい音で、オーボエと対等に語り合い、

ほんとうに『共演』されていたように感じました。

楽譜に書かれていることを音にしていくだけが演奏表現ではないのですよね。

曲世界を伝えるということに一歩深く踏み込んだ、そんなステージ。楽しみました。

 

 

つぎに、サックスの所克頼さん。

 

 

『ガーデン オブ ラブ』は、デジタルのサウンドトラックに合わせて演奏されていく曲。

聴き入りました。

『スラップ ミー』は、アルト2人(共演は山崎力愛さん)のデュオ。

2人のひとつの音から始まって、そこから世界が広がっていく、そんな感じの曲。

そしてスラップタンギングがビートをつくり、曲が展開していく。

面白かったです。難曲でしょうに、それを感じさせない演奏、見事でした。

釣さんのピアノが入ってソプラノとテナーで奏でる『天頂の恋』は、織姫と彦星の恋の物語。
長生さんの曲だから現代曲かな、と思っていたのですが、

美しかったのですよ。感じ入りました。音の選び方が素敵です。

でもこれも、アンサンブルを合わせるのはきっと大変でしょうに、

とても自然な流れで曲世界を伝えていて、楽しみました。

 

 

そしてクラリネットの菊次翼さん。

 

 

メシアンは、第二次大戦中にドイツ軍の捕虜となって収容されていたときに書かれた曲。

『重い』曲。ヨハネの黙示録が元になっているのだそうですが、

クラリネットの広い音域とディナーミクを極限まで使ったような曲と演奏。

菊次さんのステージのテーマは、『祈り』

ほんとうに、静かに、時に激しく祈りを込めるような演奏、聴き入りました。

サンサーンスは、亡くなる年に書かれた曲なのだそうですね。

ピアノは西岡雄太さん。

美しく、でも華美でなく、祈りを込めるように曲世界を伝える菊次んの演奏、引き込まれたのでした。

 

 

これは3人ともに感じたことなのですが、

曲は決して簡単ではない、というより、どれも難曲ばかりだと思うのですが、それを感じさせない、

そんなステージで、楽しめて、ほんとうに聴きに行ってよかったと思ったのでした。

ゆっくりコース料理を楽しんできた、そんな気持ちになるコンサートなのでした。

個性の伝わる演奏、個性の伝わるステージって、どういうものなのだろう…

やはり、その曲世界に深く入り込んで、それを伝え現すことに心を尽くすほどに、

個性って自然とにじみ出てくるものなのだろうな、と、3人のステージを聴いて感じたのでした。