管楽器のみなさん、レッスンや指導で、こんなことを言われたことはないですか。
「のどを開けなさい」、「口を開けなさい」…
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
のどを開けなさい
「のどを開けなさい」って、どんなときに言われるのでしょう。
どんな状態で、どういう狙いがあるのでしょう。
いろいろな場合があって、狙いはひとつではないでしょう。
たとえば、のどが絞まっていると感じられたとき。
たとえば、口腔内の空間容積が足りないように感じられたとき。
この言葉が出てくる原因はいろいろ考えられるでしょう。
ぼくも、学生の頃に言われたことがあります。でも…
開ければ解決するの?
たとえばのどが絞まっている、力が入っていると感じられたとき、その生徒に対して、
「のどを開けなさい」という指導は、はたして有効なのでしょうか。
もちろん人によっていろいろですから一概には言えません。でも、
その指導、「のどを開けなさい」が、のちの呪縛になることも十分に考えられると思います。
ぼくも、そうでした。
のどを開けなければ、のどや舌を下げなければ、口を開けなければ…
そんな無意識の思い込みや呪縛に苦しめられてきたところはあるように思います。
そもそも、『のどを開ける筋肉は存在しない』と言われる先生もみえます。
のどが絞まっているって?
さて、音を聴いていて、のどが絞まっているように感じられるのって、
『のどの開け方が足りない』からなのでしょうか。
のどに力が入っているように聞こえるのって、のどを開ければ解決するのでしょうか。
そもそも、どうしてのどに力が入ったような状態になるのでしょうか。
ほんとうに、のどなのでしょうか。
これもいろいろ原因は考えられると思いますし、人によってひとりひとり違うでしょう。
たとえば…
息を節約しようという意識が、のどで流れを止めることにつながっていたり…
ではその子に「のどを開けなさい」という指導は、はたして有効なのでしょうか。
原因を見つけて取り除く
やはりひとりひとり違いますし、一概に言えるものではありませんが、
「○○しなさい」ではなく、原因を見極めて、それを取り除く、意識を変える、
そんな指導が有効だと思いますし、実際にそうでした。
たとえば、息を節約しようとどこかで思っていることが原因だと見極めたのなら、
「節約しないで大丈夫」とか、「息を、そっと流すように」とか、「息をゆっくり」とか、
そんな指導が、もしかしたら有効なのかもしれません。
もちろん、いろいろなことを見極めた上で、ですけどね。
そして、実際にやってみせることももちろん有効だと思います。
過ぎたるは及ばざるがごとし
そして、こんなことも言えます。
たとえそれがどんなに理にかなった、いい指導やいい練習であったとしても、
やればやるほどいいことなど、世の中にはありません。
過ぎたるは及ばざるがごとし、なのです。
そして、「のどを開けなさい」とか「口を開けなさい」って、
呪縛や弊害になる可能性の大きい指導だと思うのです。
そういう指導ってほかにもいろいろあると思いますが…
原因の根っこを
さらに言えば、上に書いたような『息を節約しよう』という意識、これ、どうして出てきたのでしょうか。
「ロングトーンは○拍のばしなさい」とか、「これは一息で吹けなければいけません」とか、
そういう指導が原因である場合もあるのではないかと思うのです。
もちろん、それが必要な場合、有効な場合もあるでしょう。
でも、そうではない段階、それがむしろマイナスになる場合もあるのですよね。
そういう見極めって、とても大切だと思うのです。
おなじ指導が、薬になる場合もあれば毒になる場合もあるのです。
言われるがままではなく
指導を受ける生徒さんも、先生に言われたことを無思考に鵜呑みにするのではなく、
意味や狙いをよく理解して、ちゃんと消化して取り込むことが大切だと思うのです。
それを一旦保留にすることも、ときには必要だと思います。
そして、それを取り入れてみてどう変わったのか、変化に気づくことは、もっと大切です。
もちろん、すぐに変化が現れないこともあります。
でも、いちばんいけないのは、『言われたとおりにやっているのだからいいだろう』という態度。
自分のことについての最終的な責任は、自分にあるのです。
さて、あなたは「のどを開けなさい」と言われたことがありますか。
それは、プラスになりましたか。
それをやってみた結果を、よく観察しましたか。


